かわず菜々

たべものと土いじり

べったら漬け

2007-01-06 | 保存食
暮れに冷蔵庫内を整理していたら、冷凍庫に5月に作った米麹がまだ残っていた。
ちょっと心配だったが、ダメ元で甘酒にしてみて、
うまくいったらべったら漬けでも作ろうと思った。

畑の大根は小さいときに虫に喰われたせいで、ひび割れがすごい。
そのままでは腐ってくるので、いいところだけとって漬け物とかにするしかない。

いつものように麹をお粥に入れて保温したら、思いのほか甘い甘酒になってくれた。
大根を2日ほど塩で下漬けして、できた甘酒床にに漬け込む。
今年は気温が高いので常温だとすぐに悪くなりそうで、しばらくして冷蔵庫に入れた。
10日ほど経って、麹の風味の豊かな美味しいべったら漬けができた。



ちょっと甘くしてみてもいいかなと思って砂糖を少し混ぜたのだが、
やっぱり余計だったかもしれない。
甘酒だけのさっぱりした甘さの方がたくさん食べられる気がする。
ともかくヒビ割れ大根も冷凍麹も無駄にならずによかった。
あまり長持ちしない漬け物だし、毎日がんばって食べきらないとなー。

余った甘酒には一部塩を混ぜて三五八床風の漬け物床にしてみた。
一部は甘酒のまま保存している。酒まんじゅうでも作りますか。

ちなみにこの麹をつくったときに仕込んだ味噌、麹の多い甘口味噌だったが、
気温の高い時期でもあり、夏にはもう食べ頃になって、すでにもう食べ尽くしてしまった。
甘みが強いがコクは少なめ。古い味噌と混ぜて使うととても美味だった。



↑今年もあたたかいポチをよろしく。

忘却の保存食

2006-12-29 | 保存食
年末、重い腰を上げて、たとえば食料棚の整理などしてみると、
普段すっかりその存在を忘れている保存食の数々と再会したりする。

たとえば、梅酒。
甘いお酒をあまり飲まないのでめったに作ることはないけれど、実験的に少量作ったりしたのが余っている。
左は蜂蜜+砂糖漬けが発酵してできた一昨年の梅酒、右はみりんに漬けた去年の梅酒。



これがなかなか熟成がすすんで美味しくなっている。
夏にたまに炭酸で割って飲んだりすることはあったが、寒くなるとすっかり頭の中から消えていく。
新年から食前酒としてコンスタントに消費することを誓う。



これは台湾で買ってきたおしゃぶり蜜梅を、去年真似して作った梅漬け。
軽く塩漬けした梅を黒砂糖に漬け直し、途中干したりしてまたシロップにもどしておいたもの。
酸ーぱくて甘くてちょっとしょっぱい、味のしみた種がなんとも言えず。
しかし積極的に食べたくなるものでもなく、そのまま忘れ去られていた。
もっと目につくところに置いて、口寂しいときにしゃぶるようにしよう。



そしてこれは?
5年くらい前のことだろうか、林弘子さんの本を見て作った、
すりおろしたリンゴと黒砂糖を発酵させたリキュール風のシロップである。
一瓶まるまる、ぜんぜん使わないまま月日だけが過ぎた。熟成しすぎ。
でも変質している気配もなく、嘗めるとまだ美味しい。
シナモンやクローブやらも入れているのでスパイシーな風味。
お菓子やらに使えばよいのだろうが、大量消費は難しそう。
煮込み料理にも利用できるかな。なんとか工夫して減らさなくては。

梅干しも、3年くらい前のがまだ残ってたりする。
それほどたくさんは食べないので、量を作らないよう気をつけてはいるが、
朝市に行くと新鮮な梅がタダのように安いのでつい毎年漬けてしまう。
あまり強塩にしないし、保存環境も悪いので、3年も経つとあまりおいしくなくなっている。
来年は作らないようにしよう・・・と思いつつ、また6月に梅の顔を見ると漬けたくなるんだなぁ、これが。

保存食作りは趣味の一環であるとはいえ、少なくとも作るために作るものじゃなくて、食べるために作るもの。
定期的に食料棚をチェックして、作ったものは責任をもって最後まで胃袋に納める心がけを忘れたくないものです。
・・・と、片付けをするたびに思うことなのだが、きっとまた喉元過ぎればなんとやら。
ああ、もっとまめな性格になりたい。


↑活を入れてやってください。

はりはり漬け

2006-12-15 | 保存食
畑の大根は、小さいときに虫に喰われて育ったせいで、ひび割れが続出。
でもきれいなところだけとって、薄切りにして2,3日天日に干せば、立派な切り干し大根に。



これでハリハリ漬けを作る。
(ほんとは別の漬け物を作るつもりだったのだが、薄く切りすぎて小さくなりすぎてしまい、予定変更。)




干し大根を水洗いしてよく水気を絞る。この状態ですこしだけもどった感じになる。
あとは、酢と砂糖と醤油で好きな味を作って、人参、生姜、昆布の千切りを混ぜて
しばらく置いたタレをまぶし、軽く重石をしておくだけ。(時々上下を混ぜる。)
独特のパリパリ感と、干し大根のひなびた風味と甘酸っぱさが調和した、郷愁をそそる味わいなのであった。


↑あなたの一日一ぽちがpatakoを勇気づけます。

三五八漬け

2006-10-31 | 保存食


1年以上も前に作った三五八床がまだ少し残っていた。
夏を越して、色もずいぶん茶色くなり、もう食べられないだろうと思ったが、
嘗めてみるとこれがかえってコクが増して美味しくなっているほど。
(画像左:今年3月→右:今の状態)
三五八床とは、塩:麹:米の割合3:5:8でつくる、甘酒をしょっぱくしたようなペースト。
たとえば塩カップ1と1/2に、麹カップ2と1/2に、米(もち米の方が美味)カップ4。
米を炊いてあら熱が取れたところで、塩と麹を混ぜ合わせて、そのまま熟成させる。
暖かい季節なら常温で、寒い時期なら一日くらい保温して、床がゆるんだところで寝かせるといいと思う。
米焼酎を少し入れれば風味も良くなるし、腐敗防止にもなる。
最近では塩の割合を減らして、三五八ならぬ二五八なんて作り方も見かけるけれど、
これだと冷蔵庫に入れておかないと変質してしまう。冷蔵庫保存だと味が深まらないので、
昔ながらに塩をしっかり入れて作っておき、使うときに量を減らした方がいいと思う。

(昔撮った写真)

夏野菜にまぶせば甘みのある浅漬けができあがるけど、私が好きなのは鮭の三五八漬け。
旬の秋鮭を買ってきて、一切れ当たり大さじ1ほどまぶして一晩おく。



これを焼くと、味噌漬けや粕漬けとはまた違った優しい味。麹の作用で身も柔らかくなる。
やったことはないが、お肉を漬けてもよさげである。

生姜せんべい

2006-09-30 | 保存食
台風以来爽やかな秋晴れの日が続いている。畑の水やりは大変だけど、洗濯物もあっという間に乾いて気持ちがいい。お天気のうちに生姜せんべい(砂糖菓子)を作ってみたいと思った。畑の生姜のことを忘れて、先週うっかり生協に生姜を注文していたのが届いた。宮崎産のみずみずしい新生姜である。

本の作り方によれば、表皮をこそげ落として繊維に沿って薄切りにした生姜を水にさらし、それから水で茹でててはまた水にさらす。これを2回繰り返し、生姜の辛味と風味をほどよく残したところで、少量の水と生姜の四割の砂糖を入れて煮る。煮汁が糸を引くくらいまで煮詰めて冷まし、グラニュー糖をまぶしてしばらく風で乾かす。



日に当てている画像を載せたけど、日陰で乾かした方がいいと思う。煮汁が糸を引くほどまでにはならなかったので、かわりにまる一日ベランダで風に当てて、できあがりが左の画像。生姜を切る厚さはかなりポイントかと思った。2~3ミリくらいが適当かと思う。あまり薄く切ったのはペラペラになってしまったので(右)、これは乾燥させずにをそのまま冷蔵庫で保管。

茹でこぼしを2回やらなければいけないところを、風味が抜けそうな気がして1回しかしなかったため、できあがりはかなり刺激的な通の味になった。生姜って煮ても辛さが残るのねぇ。お子様が食べるのには薦められない。でもお菓子の素材や紅茶や甘酒に入れて楽しむにはこのくらいの方がいいと思う。ちょっと口寂しいとき、お茶のお供に囓ると生姜の香りと辛みが口中に広がってなんとも美味。お天気が続くうちにわが家の生姜でもう一回作っておこうと思った。

参考書は『ジャムと砂糖煮』。レシピは関川昭子さんとある。辰巳浜子さんのお弟子さんだったようだが、ネットで調べても情報は出てこない。他にも山菜や柑橘類の皮で彩りのきれいな砂糖菓子を作っておられる。そしてなにより嬉しいのは、生姜の「表皮は干してスパイスに、茹で汁はお風呂に入れると、何とも言えぬ芳香が漂い、よくあたたまります」と、余りものを決して無駄にしない知恵が添えてあること。私は皮は干してもスパイスとして使いそうになかったので、そのままぬか床に入れた。茹で汁、晒し汁とともにお風呂に入れたが、ほんのり生姜の香りを感じる程度だった。茹で汁はお風呂に入れずにそのまま蜂蜜を溶かして飲むのもいいかもしれない。



ところで、婦人之友社から出ていたこの3分冊の【わが家の保存食手帖】シリーズ、ほとんどバイブル的に活用している。15年ほど前に購入したものだが、いまは絶版になっているようだ。最近、同じ3分冊で【わたしの保存食】という新しいレシピ集が出ている。内容は悪くないし、カラー写真も多くてきれいな反面、レシピの数、充実度に関しては旧シリーズに及ばない。

新シリーズ
わたしの保存食 四季のジャムと甘煮―コンポート・ペースト・果実酒など わたしの保存食 漬けもの四季折々―おいしい漬け方と料理ヒント 常備菜―つくりおきのおかずと展開料理

旧シリーズも中古なら入手可能。
ジャムと砂糖煮
おいしい漬けもの
べんりな常備菜

栗の渋皮煮と渋皮染め

2006-09-26 | 保存食
直売所で小粒の栗が一袋200円だったので買ってきてまた渋皮煮にした。
小粒だったので鬼皮剥きが一仕事。しかも鬼皮になるべく傷をつけないようにして
剥かないといけないので、なかなかコツが要る。
それでも傷をつけてしまったものは栗ご飯用にまわす。



↑でも鬼皮さえ剥ければあとはできたも同然。
ちなみにこんな道具で栗を剥いています。包丁ではなかなか難しいと思われます。



まだ早生のアクの少ない栗だったので、重曹水で一度ゆでこぼしただけで、ほとんどアクが抜けていた。
もう一度お湯で柔らかく茹でてから、最後にきび砂糖を煮溶かしたシロップ液で味を含ませる。
アクが少ないので出来上がった渋皮煮も色白だ。



とりあえず薄味にして冷蔵庫に入れ、余るようならときどき煮返して味を濃くしていくつもり。
ホーローの容器に入れておけば、そのまま火にかけたりできるので便利です。

今回の渋皮煮のもうひとつの目的は実はこちら。



うらべにさんのきれいなクルミ染めに触発されて、ひょっとしたら栗の渋でも染められるのでは?
と思って、はぎれで実験してみた。
いつもは無造作に捨てていた渋皮の茹で汁。とにかくすごい濃い赤い色なのだ。
草木染めのことはよくわからなかったけれど、とにかくはぎれをそのまま熱い茹で汁に浸して置いてみた。
画像はではちょっとくすんで見えるけど、ほんわか優しい桜色に染まった。
右2枚は絹。わかりにくいけど思いっきり染めムラができている。
これは乾いた布をそのまま浸けたためと思われます。
残り3枚は晒し木綿。うち一番左は浸して一晩そのまま置いたもの。その分色が濃く染まった。

捨てるはずのものでこれだけきれいな色が染められるなんて、ちょっと嬉しい。
次に渋皮煮作るときは、生成の毛糸とか買ってきて染めてみようかなぁ。
(元来編み物なんてしない人間ですが、自分で染めれば何か編みたくなるかも!)

味噌いろいろ

2006-08-11 | 保存食
味噌を仕込んだときに蓋にしておいた板粕。
3月に仕込んだ味噌のはうっかり黴びさせてしまった。
5月に仕込んだ味噌のもドロドロになってきたので、黴びる前に取り替えることに。
取り外した酒粕は、味噌のたまりをたっぷり吸って、なんとも風味のよい熟成粕味噌床になる。
ミョウガを一晩塩で下漬けしてから漬けた。
でも、酒粕が美味しくなるのはいいが、美味しい味噌のたまりを吸い尽くしてしまうのも考えものかも?



5月に仕込んだ味噌は、麹の量を大豆の倍使った甘口の味噌で、早くももう食べ頃の状態。
早めに食べきった方がいいので、去年の古味噌に混ぜて使い始めることにした。
甘口といっても安全のため塩の量を少し増やしたのでちょっと塩がたっている感じ。
次回からはもう少し減塩で少しずつ作るとよさそうだ。

去年の味噌は2年目の夏を迎えて、すっかり色も濃くなり、暑くなる前に冷蔵庫へ移した。
今年の味噌が出来上がる秋までに、せっせと利用しなければならない。
テレビで「にんにく味噌床」というのを紹介していたので、真似してみる。



味噌に少し酒(私はみりんにした)を混ぜ、生のニンニクをゴロゴロ入れた床に、
野菜や肉、魚を漬けて利用するというもの。
ただの味噌漬けよりも、ニンニク風味がついて、さらに漬け材料から出たエキスで味噌自体も美味しくなる。
ゆで豚をこの床に漬けてみたらなんとも上等に出来上がった。
漬けた味噌も肉みそっぽい味になり、調味料やなめ味噌としても使える。
テレビでは生の肉や魚も漬け込んでOKとのことだったが、そうすると味噌が
生で食べられなくなるので、やっぱり調理した肉を漬け込むのがいいと思う。

かつお節

2006-08-07 | 保存食
鰹節削り器で鰹節を削って使っている。
削り立ての鰹節は、パック入りのそれとは比べようもなく美味。
それにパックは空けたらどんどん酸化して味が落ちていくけれど、
鰹節は偉大にも常温に何ヶ月置いておいても味がかわらない。
けれど、固い枯れ節を削るのは案外むずかしい。
その日の温度や湿度で変わる節の状態で、削りやすいこともあれば、粉になりやすかったりもする。
自分の不器用なのも加わって、だしを取るだけの鰹節を削るのはけっこうな労力が必要で、
また、もともとあまり鰹節のだしを使う習慣が少なかったこともあって、
冷や奴や和え物など、そのまま食べるのに使うことがほとんどだった。

私が子供の頃にも鰹節削り器が実家にあって、母親によく削るのを手伝わされていたものだが、
あの鰹節は子供の力でももっと楽に削れていた。
最近、掲示板で削り器が話題になったことから、サイトでいろいろ見ているうちに、
カビ付けして枯れ節にする前の状態の荒節(裸節)というものが売られているのを知った。
子供の私が削っていたのはこれに違いないと思って注文した。
まったく便利なネット社会である。

さて、届いた裸節は見た目は枯れ節とそう変わらないのだけど、削ってみてびっくり。
柔らかくてスイスイ削れるのである!
食べてみると、まさに子供のころにつまみ食いしていたアレである。
枯れ節のような繊細さはないものの、逆に風味は濃い。
ちなみに画像左は枯れ節、右が裸節を削ったもの。違いは一目瞭然だ。
しかも裸節はまだ削り初めで面が安定していない状態でこれだけ削れる。



鰹節でだしをとらない一つの理由は、出しがらを捨てるのがもったいなかったからである。
煮干しだったら、出しがらの温かいうちに醤油をかけて食べるのも好きだったりする
(お里が知れそうですね)が、鰹節のがらはスカスカなので
そのまま食べてもあんまり美味しいとは思えない。
が、試しにこの裸節でだしをとって、その出しがらに醤油をかけて食べてみたら、
厚みがあるせいか思いのほか美味しくいただけたのだった。
価格も枯れ節よりずいぶんお得。これから鰹節でも気軽にだしがとれそうだ。

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ちなみにこの削り器は数年前に町の刃物やさんで購入した東穂工業のもの。
値段はよく覚えてないけど、3~4000円だったか、そんなに高くはなかった。
これは実は2代目。初代はいただき物があったのがだが、刃がステンレスで
正直あまり削り心地がよくなく、いくら調節しても刃物やさんで研ぎ直してもらっても、
枯れ節は粉にしか削れなかったので、思い切って買い換えたのだった。
ネットで見ると削り器の種類はピンからキリまで。
なかには高級な木材と職人仕事で作ったン万円の代物もある。
でも普通はそこそこ上質な鋼の刃を使っていれば事足りると思う。
刃の研ぎ直しなどメンテナンスを考えれば、近くのお店で買うのが一番だけれど、
ネットで買う場合も研ぎ直しをしてくれるような良心的なところを選ぶといいと思う。
残念ながら私の削り器はネットでは見あたらず。
この辺はうちのより大きめだけど、刃に良いものを使っているらしく人気があるようだ。

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梅の土用干し

2006-08-02 | 保存食
梅雨明けから夏本番の猛暑。
梅の土用干しにはうってつけの日々が続いていたが、
珍しく用事の多い一週間でお出かけが多く、
今日になってやっと干す余裕ができた。
2kgぽっちなので干すのも楽である。
畑の赤ジソをちょっとずつ投入していったため、上の方は赤く染まったけれど、
下の方まで色がまわっていかなかったようだ。