江戸時代の大芸術家・尾形光琳の生誕350年を記念して東京国立博物館で「大琳派展」が開催されている。琳派を代表する本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)・俵屋宗達(たわらやそうたつ)・尾形光琳(おがたこうりん)・尾形乾山(おがたけんざん)・酒井抱一(さかいほういつ)・鈴木其一(すずききいつ)の6人を中心に絵画、書籍、工芸など各分野にまたがる国宝、重要文化財が展示されている。
我がお目当ては、、国宝『燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)』である。題材を「伊勢物語」八ツ橋にとりながら、人も橋も流れも全部省略して、ただの燕子花の群落だけを描いたものだという。金地に栄える群青(燕子花の花部分)と緑青(燕子花の茎草部分)の軽妙明快で清々しい色彩、画面中で旋律を奏でるかのような、律動的に配される花弁や葉を観ていると非常に心地良く満足した。機会があれば光琳の国宝「紅白梅図屏風」も観てみたい。