あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

半蔵門・国立劇場で通し狂言「隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)」をみて

2017-12-15 15:34:08 | Weblog


蝶人物見遊山 第264回



並木五瓶作の傑作らしいが、どこがそうなのかはさっぱりわからんかった。
ともかく中村吉右衛門扮する武家くずれのいなせな頭巾姿の侠客が、主家への恩返しのために大金を借りたり、その金が用立てできずに甥を殺してしまったり、最後の最後に悪役の中村歌六とサシで決闘してやつけたり、いろいろせんでもええような苦労をする噺であるが、浪速の実話をもとにしているらしい。

借りた100両の金策に万策尽きて大川端で出会ったのが、男の女房に届けようと100両を懐中にした義弟。その義弟を殺して大金を奪ってしまい、あとから泣いたり喚いたりして悔みに悔やむのだが、それまで一度も女房の弟と面識がなかったというのが、いくら江戸時代とはいえ不自然極まりないので、どうにも感情移入できなかった。

かてて加えて、私の定席は3階席の最上段の右端なのだが、そこに陣取った大向こうのオッサンが、脚本を見ながらひっきりなしに「播磨屋ああ!」「京屋ああ!」「萬屋あああ」などと大声で叫びまくるのだが、それが時々間違っているので、私のみならず周りの大いなる顰蹙を買っていた。
まだ新米見習い中だと思うが、迷惑千万。両両あいまって観劇の楽しみを著しく削いでくれた。

でも、いつもは含み声で何をしゃべっているのかさっぱり分からない吉右衛門が、今回は珍しくちゃんと声を出していたのは、最近勲章をもらって気をよくしているせいだろうか。やればできるのだ。
その他の出演は、又五郎、菊之助、歌昇、種之助、米吉など。前半に雀右衛門、歌昇、種之助が「今様三番三」を踊った。なお本公演は来る26日までずら。

    韓国を激しく嫌う人たちも弥生時代にそこから来た人 蝶人


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