ースティブ・ジョブズーJOBS
2013年 アメリカ 127分
ジョシュア・マイケル・スターン監督 アシュトン・カッチャー(スティーブ・ジョブズ)ダーモット・マローニー(マイク・マークラ)ジョシュ・ギャッド(スティーブ・ウォズニアック)ルーカス・ハース(ダニエル・コトキ)J・K・シモンズ(アーサー・ロック)レスリー・アン・ウォーレン(クララ・ジョブズ)ロン・エルダード(ロッド・ホルト)アナ・オライリー(クリスアン・ブレナン)ジョン・ゲッツ(ポール・ジョブズ)ジェームズ・ウッズ(ジャック・ダドマン)マシュー・モディーン(ジョン・スカリー)
【解説】
2011年に逝去したアップル社の創業者、スティーブ・ジョブズの伝記ドラマ。天才と称される一方で非情な人間とも伝えられた彼が歩んだ、波瀾(はらん)万丈な人生を追い掛けていく。メガホンを取るのは、脚本家としても活躍してきた『ケビン・コスナーチョイス!』のジョシュア・マイケル・スターン。キャストには、『抱きたいカンケイ』などのアシュトン・カッチャーや『イノセント・ガーデン』などのダーモット・マローニーなど、実力派が結集。ジョブズにふんしたアシュトンの成り切りぶりは必見。
【あらすじ】
誰からも天才と認められるも、周囲との衝突が絶えないスティーブ・ジョブズ(アシュトン・カッチャー)。既存の組織に所属するのに向いていないと悟った彼は、自分のような友人らと自宅ガレージをオフィスにしてアップルコンピュータ社を設立する。革新的な商品を次々と放ってはヒットさせ、たった4年で株式の上場に成功、IT界の寵児(ちょうじ)となるジョブズ。しかし、意見の相違がある社員は問答無用で解雇、創立時メンバーを冷遇するなど、独善的な言動を繰り返すように。その果てに、彼は自身の会社から追放されてしまう。(シネマトゥデイ)
【感想】
高校生の頃、物理の先生がおっしゃいました。
「今は計算機もすごく大きくて値段が高いが、君たちの将来には、小さくて大量生産ができて、安くなるよ」と。
この映画を見て、その言葉が鮮明に蘇りました。
私は最初からマッキントッシュのコンピューターを使っています。
最近のiPadminiまで、Macファンというか、Macしか知らないというか。
昔、マッキントッシュのコンピューターは高かった。
コンピューターがこんなに、家庭の中まで入り込んでくるなんて、私が大学生の頃には思いもよらなかったです。
誰も考えていなかったでしょう。
コンピューターを使うのは、会社とかビジネスとか、それで十分だって思っていたはず。
でも、ジョブズさん(アシュトン・カッチャー)の頭の中には、ずっとその種があったのですね。
1955年生まれというから、私とほとんど同世代。
ベトナム戦争とか、平和運動とかの終わりかけに青春だったのですね。
名残のマリファナとか覚せい剤とか、そういう世代でもあったようです。
インドの精神性に引かれてインド旅行をしたり、大学へ行くお金がもったいないと、好きな講座だけ聴講していたり。
そんな中でのスティーブ・ヴォズにアックとの出会い。
ジョブズは夢を語り、ヴォズは技術で形にする。
そして、ジョブズは製品という形にして社会に出して行った。
「Apple」コンピューターの始まり。
このへんの、物作りにかける情熱はとてもわくわくしました。
そうか、こんなふうにして家庭用コンピューターができて来たんだなあ。
技術革新と発想の転換の融合。
でも、会社が大きくなって行くと、もはやジョブズの頭の中の夢を現実化するというだけでは経営できない。
人との軋轢も生じる。
とうとうジョブズは、自分の会社から追い出されるハメにー。
この映画を見てから、ジョブズ氏の生い立ちも調べてみたら、なんとジョブズ氏の実のお父さんはシリアの方なのですね。
シリアから留学できていたアブドゥルファター・ジャンダリ氏とアメリカ人学生ジョアン・シーブルさんの間に生まれたスティーブ。
でも、ジョアンさんのお父さんが結婚に反対したため、スティーブは生まれてすぐにジョブズ夫妻の養子として迎えられたようです。
そういう複雑な家庭環境も、彼の精神生活に影響を与えていたのかもしれません。
映画の中でも触れられていましたが、若い時にできた娘を認知しなかったりという気難しさも彼の生い立ちから来ていたのかもしれないなあと思いました。
2011年に彼は膵臓癌が悪化して亡くなっていますが、映画ではそのことは触れていませんでした。
iPodを発表する彼の茶目っ気たっぷりなプレゼンが素敵でした。
最後は家族と一緒の幸せな生活だったようなので、ほっとしました。
彼こそ、天才の名にふさわしい人物じゃないかな?