先日、上野の森美術館で催されていた「デトロイト美術館展」に出かけ、ゴッホ、ピカソ、ルノワールその他の名画を鑑賞してきました。
名画鑑賞は、日帰りの箱根バス旅行で妹と一緒に訪れたポーラー美術館以来、数か月振りの事です。
何と、それも最終日。
酷い混雑が予想されましたが、非日常の空間に浸って、現実から少々逃避したくて仕方なかった、そのころの私。
名画鑑賞は、その目的には、絶好の場所です。
そのため、身を刺すような冷たい木枯らしが吹く日でしたが、思い切って一人で出かけてきました。
わが家からは、結構遠い上野です。
家事を済ませて、軽い昼食をとってから美術館へと、少々遅い出発でした。
四時半閉館とあって、少し気が焦り、足早に。
それにしても、閉じるのが早いですね。
最終日だからと言うわけではなさそうでした。
二時前に到着した私でしたが、入場券売り場の行列は思ったほどの混み様でなく一安心。
ところが、その行列に身を置いた時、思いがけないご親切に出逢いました。
私と年齢がさほど変わらない素敵なご婦人が、突然声をかけて下さり、次のようにおっしゃたのです。
「お写真を撮っていらっしゃるとき、お一人のようにお見かけしました。
宜しければ、この券を差し上げます。
今日は最終日で、余ると無駄になりますから」と。
突然のご親切に、私は一瞬戸惑いましたが・・・・・・。
素直に喜び感激した面持ちで、「本当に宜しいのですか?」と言いながら、そのお言葉に甘えてしまいました。
するとさらに、「ご一緒に愉しみませんか?」とおっしゃて下さったのです。
嬉しいお言葉でしたけれど、本心は、美術鑑賞は一人で気ままにが一番望ましい、との思いでいつもいる私です。
それに、結構長い道中でしたから、化粧室に行きたくてたまらなかった私。
その前は、それなりの行列でした。
お待たせするわけにはいかず、丁寧にお礼を申し上げ、そこでお別れすることとなりました。
後で思ったことは、半額でもお支払いするべきではなかったかと、いうこと
咄嗟の事で、その様に気が回らなくて。
今でも、清々しい上品なシニアー夫人の笑顔が、感謝の気持ちと共に、瞼に浮かんできます。
上野公園の片隅の花壇に咲いていた水仙。
このお花がぴったりの雰囲気のお方でした。
館内の名画鑑賞で、一番印象的且つ感動したのは、ゴッホの自画像。
デトロイト美術館展では、一番注目の名画でした。
他では、やはり私が好きなルノワールをはじめとする印象画の画家たちの作品です。
私が割と好きな、モディリアーニの絵画も、数点ありました。
ピカソの作品もたくさん展示されていましたが、私はどうも苦手。
鑑賞力が乏し過ぎます。
実は、その美術館展の全作品が載った図録を、2000円も払って売店で購入したのに、どこかに置き忘れてしまった間抜けな私。
ですからいつものように、その画像を写して、ブログ上にアップすることができません。
そのため、少々寂しい記事になり、とても残念です。
皆様のご期待にも添えなくて、申し訳ありません。
アメリカの公共美術館で、世界的な名画を最初に購入したのがデトロイト美術館との事。
その後、市が財政破綻し、一時は運営費が賄えず、閉鎖の危機に追い込まれたこともあったようです。
けれど、市民や各方面からの支援で、立ち直り、今ではデトロイトの街で、市民の憩いの場所として繁栄しているとの事でした。
この絵画の写真の言われが解らなくなってしまいました。
確かデトロイト美術館の壁面に飾られた絵画ではなかったでしょうか?
美術鑑賞で、私が一番惹かれるのは、もしかすると、名画に囲まれた空間の非日常性と静謐な雰囲気かもしれません。
何だか、心が洗われるような気持ちになりますものね~
名画を見ても、正直言って深く味わう鑑賞力は私には備わっていませんから。
画集に載っていた名画を観られた、といった自己満足に酔っているだけかもしれません。
それで十分嬉しい私です。
その点では、今回はチョッピリ不満足。
最終日だったため、混雑が甚だしくて、名画の前にたどり着くまでにも時間がかかり過ぎ。
のびのびと、いろんな角度からゆったり鑑賞することなど許されませんでした。
人の気配の方が強すぎて、美術館の展示場に漂う非日常性の雰囲気にも少々欠けていました。
帰りに、公園内にある老舗のレストラン、来々軒で一服。
味も評判のお店、
夕食も摂りたいところでしたけれど、次女宅でご馳走になる日でしたのでパス。
私がこれまで出かけた美術館で、一番印象に残っているのは、渋谷に所在する松涛美術館のような気がしています。
小林秀雄展を催していた時のことです。
とても小さな美術館でしたが。
人も少なかったせいか、落ち着いた空間に身を置いてゆっくり鑑賞できました。
その思い出は今も鮮明です。
展示場の片隅に、カフェがあったのも、実にユニーク。
小林秀雄が収集した骨とう品などを遠目に観ながら、コーヒーとケーキで一服できた夢のような至福のひと時でした。
その感動は、今も忘れられません。
また何時か訪ねてみたいものです。
美術鑑賞は、作品だけでなく、美術館そのものが必見の価値ありの芸術的建築物の場合が多いですね。
私は、いつもそれを鑑賞する醍醐味を味わうのも、楽しみに出かけます。
そのもっともなるものが、世界遺産になった、建築家ル・コルビュジエ設計の国立西洋博物館でしょう。
何度か訪れたことがある場所ですが、世界遺産となった今、また訪問の機会があれば、改めてじっくり見直したいもの、と今から楽しみにしています。
ご訪問有難うございました。
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