KANTAROOO Blog

某てれび局のCGデザイナーを引退した かんたろの日々
心にわきおこる興味をお届けします。

近況告知


ひとひろSHOP
   『 ひとひろSHOP 』

かんたろオリジナル作品を並べるお店です。
時々開けております。
オリジナル作品や道具の販売をしています。

   お店は >>> こちら

シンプルな答え。

2013-06-07 | コ ト バ


難しく考えない。

今、目の前にある壁には きっとそれにピッタリのシンプルな答えがあるから。

素晴らしいものにみえるように策したり、ウケを狙ったりしたら、答えは見えなくなってしまう。

欲しい答えはもっとともっと単純にできてる。
注意しないと見落とすくらいの小さな答え。
なーんだ、そんなことなの?と思うような
だれでも知ってる素朴な手法で
効果は最大限に出せるもの。

シンプルなカタチに答えはある。

鳩のおはなし

2012-11-20 | コ ト バ
町に寒い風が吹きはじめる。

少しも暖かくならない指をポケットにいれて、足早に家路を急ぐけれど
ポストには何も届いていない。
あてどもなく待つ日々は冷たくて、
心はいつしか凍りついてゆく。

この指先を暖めるものは
ほんの少しの勇気と、やさしさ。
肝心な事はなにひとつかいてない
そんな手紙をだれかに贈ろう。
大切なのは想うこと。

鳩よ、鳩よ、心の鳩よ。
伝えておくれ。

遠くでいつも、
あなたを想っています。 と、

【ハート型】のお話。

2011-10-26 | コ ト バ
クリスマスのパッケージデザイン まだまだやっております。
そして絶賛残業中~ とほほ。

ハート型や星型、クローバー型のパッケージに彫りこむ模様をデザインしています
あともう少しで終わりなんですが なかなか気に入った感じにならなくて 何度もやり直し。
あまり細かすぎるとだめなので(モノを詰めたときそこから破れちゃうから)
模様もいつもより手加減しなくてはなりません
手は勝手にデザインしてますが 作ってる最中に脳みその中で勝手にお話ができては消えてゆくのが楽しい。
そのお話を ちょっとここでご紹介しましょうか。

パッケージはまだ見せられないので
パッケージデザインの一部をそのまま色づけして挿絵にしました。

【ハート型】のお話。



いくつもの夜を超えて
星たちは飛びまわていました。

疲れることも 眠ることもなく
星たちは飛びつづけました。

そのなかにひときわ大きな光につつまれた星がありました。
長い長い尾をなびかせて 一直線に飛んでいたのです。

ほかの星は言いました。
君は光り輝いて、とてもきれいだ。
なぜそんなに輝けるの?

そんなとき
ひときわ大きな光につつまれた星は困ってしまうのでした。
だって なぜ大きく光り輝いていられるのか
じぶんでもまるで分らなかったのです。


ある年のクリスマスの夜。
この大きな光に包まれて長い尾をなびかせる星が夜空を駆けるのを人々は見ました。

人々はこの大きな流れ星に
ある人は 来年の田畑に実りが多いことを願い。
またある人は こどもが健やかに育つことを願いました。
そして、またある人は 自分の大切な人といつまでも一緒に居られることを願いました。

その夜 ひときわ大きな光につつまれた星は
星達が休みなく夜空を飛び続け、美しく光り輝く理由が なんとなくわかった気がしました。
そして自分たちの仕事を誇りに思うのでした。

(作:かんたろ)

ひとつの果実

2011-05-02 | コ ト バ
時が流れてゆく
なにも変わらないつもりでいても
自分の中で 時は
順応して、流れてゆく。

人は沢山の同じものであるようで
一つしかない果実のようなものだ。
長い月日が経っても色あせない
思い出とか友情とか。
贈られた気持ちとかコトバとか。
そんなカタチのないもので
私の今は形成されてゆく。
そして果実は時を待ち
腐って朽ちてゆくのだろう。

ずっと昔も
ほんの少しの 今という瞬きも。
いつもずっと変わり続け、
いつもずっと変わらない。
それだけが確かなこと。

イチゴは染まる。

2011-04-25 | コ ト バ
イチゴは染まる。

土から栄養をもらい、空気を吸い、水を飲んで。
赤い水などやってないのに
イチゴは赤く染まる。


髪は染まる。

たべものを食べ、空気を吸い、水を飲んで。
黒い水などのんでないのに
私の髪は黒く染まる。

土は染まる。
水は染まる。
空気は染まる。

なにも知らなくても、すべてを知っていても
たいした違いはないのかもしれない。
でも 大切なものは、もう失いたくない。

時も染まる。
ニガヨモギだけが知っている未来。

2011-03-19 | コ ト バ
辛いことも 悲しいことも

戸惑いも 争いも

すべてを受け入れても なお

美しくきらめく瞬間を、

大切に、大切に 生きられたら。

モクレンの花のように

凛として、生きられたら。

雨を待ってる

2011-01-20 | コ ト バ
かえるは雨を待っていました。

手の指を全部数えても
雨は降りません。

足の指を全部数えても
やっぱり雨は降りません。

それでもかえるは待ちました。
かえるには雨を待っている明確な理由など、なにもありませんでした。
でも 待たずにはいられないのです。

待って、待って、待ち疲れてしまっても
次の日には新たな気持ちで辛抱強く雨を待ちました。

ある日。
何日も真っ青だった空がにわかに曇り
黒雲が湧きいで、雨粒が
ポツリ ポツリ と かえるを小さく打ちました。
かえるが目を細めると
雨は歌います。
遠い昔に聞いた、懐かしい歌。
やさしい響きとドロップのような美しい雨の光景でした。

カットをしてると。

2010-06-21 | コ ト バ
カットをしてると、電話がかかってくる。

カットをしてると、インターホンが鳴る。

カットをしてると、ひじきが眠そうな顔で出てくる。

カットをしてると、いつのまにかコーヒーを飲み干してる。

カットをしてると、本日3枚目のCDを聞きおわる。

カットをしてると、まっしろだった空が、

カットをしてると、サイダーみたいな水色に。

カットをしてると。

気持ち良い風がモクレンの葉をゆらすのだ。