おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 欬論篇 第三十八
第三節
帝曰。六府之欬柰何。安所受病。
岐伯曰。五藏之久欬、乃移於六府。脾欬不已、則胃受之。胃欬之状、欬而嘔嘔。甚則長蟲出。肝欬不已、則膽受之。膽欬之状、欬嘔膽汁。肺欬不已、則大腸受之。大腸欬状、欬而遺失。心欬不已、則小腸受之。小腸欬状、欬而失氣。氣與欬倶失。腎欬不已、則膀胱受之。膀胱欬状、欬而遺溺。久欬不已、則三焦受之。三焦欬状、欬而腹滿、不欲食飲。此皆聚於胃、關於肺、使人多涕唾而面浮腫氣逆也。
語句の意味
久咳=長引く咳。新・東洋医学辞書13
久咳(欬)=きゅうがい。病症名。久咳嗽ともいう。永い間咳嗽の治癒しないもの。久咳して痰の多い者は多くは脾虚により痰を生じたものである。久咳して痰の少ない者は多くは肺陰の不足・肺に鬱火がある証である。⇒脾咳(ひがい)、肺虚咳嗽(はいきょがいそう)、火咳(かがい)。
六府=六腑
胃咳=五臓六腑咳の1つで胃の病が影響して咳嗽を引き起こすこと。新・東洋医学辞書13
胃欬(咳)=咳して嘔吐し、嘔吐がひどくなると蛔虫を嘔出する証候。<素問欬論>「脾欬止まざれば胃これを受く。胃欬の状、欬して嘔す。嘔甚しければ則ち長虫出づ。」
長虫病=蛔虫病のこと。<病源>巻18参照。
胆咳=咳嗽症型の1つ、五臓六腑咳の1つで咳嗽時に胆汁あるいは青色の苦水を吐出する。新・東洋医学辞書13
胆咳=たんがい。咳嗽する時、嘔吐し胆汁や青色のにがい水を出す証候をさす。<素問咳論>参照。
大腸咳=咳嗽証型の1つ、五臓六腑咳の1つで咳嗽時に大便を失禁する。新・東洋医学辞書13
大腸咳=病症名。咳嗽に大便の失禁を兼ねるもの。<素問咳論>「肺咳已まざれば大腸之を受く、大腸の咳状、咳して遺矢す。」
遺失=いしつ。となっているが
明解漢和辞典より
遺失=忘れてなくす。忘れる。おとしてなくす。欠点。あやまち。
遺矢=いし。大便をする。大小便をする。
となっており、遺失でなく遺矢であります。
屎=シ。クソ。大便。キ。「殿―」はうめき声。
失=シツ。ウシナう。なくす。なくなす。見うしなう。逃がす。のがす。とりにがす。とりおとす。忘れる。死なせる。なくなす。とりおとす。忘れる。死なせる。なくなす。乱れる。ウせる。なくなる。過失。あやまち。あやまり。あやまつ。しくじる。ちがう。イツ。=佚。なくなる。それる。
矢=シ。ヤ。弓矢のや。チカう→誓。くそ。ふん。かずとり。→投壺のかずとり。ツラねる。正しい。
投壺=トウコ。矢をつぼの中に投げ入れることを争い、勝者が敗者に罰杯を飲ませる遊び。
鍼灸医学体系 (語句の解)
*遺失 甲乙經や太素經では遺矢となっている。
このように検討してみるときは、本文の遺失(いしつ)は遺矢(いし)の誤であることは明らかである。転写の際誤ったものと思われる。馬蒔は「穢物を失する」とそのまま解説しているが、穢物などという意味は、どこにもない。全く思いつきのデタラメに過ぎない。
東洋学術出版社素問 【注釈】
②遺失す――失とは「矢」の誤写で、「屎」の本字で、大便のことである。遺失とは、大便を失禁して気がつかないこと。
下線の部分の意味は明解漢和辞典には無い。
「失」又は「矢」は「屎」の本字とは載っていない。
小腸咳=咳嗽症型の1つ、五臓六腑咳の1つで咳と放屁が同時に出る。新・東洋医学辞書13
小腸咳=咳嗽する時放屁し、咳・屁同時に出る証候をさす。<素問欬論>「心欬已まざれば小腸これを受く。小腸欬の状は欬して失気す。気と欬と倶に失す。」
失気=精気を失い全身衰弱し栄養吸収が不能になること、または肛門から排出する気で俗にいう放屁のこと。新・東洋医学辞書13
失気=病理名。真気が脱失すること。人体が消耗しすぎて津液がめぐらなくなり、精気が失われて全身が衰弱して食物の精微を化生することができず、身体の栄養吸収が不能になったことをいう。<霊枢終始篇>「形体淫泆すれば乃ち脳髄消え、津液化せず、その五味を脱す、これを失気というなり。」②証名。転失気ともいう。肛門より排出する気、俗にいう放屁のことである。また失気を「矢気」という者もいる。<素問欬論>「小腸の欬状、欬して失気す。」
膀胱咳(欬)=ぼうこうがい。咳するときに、小便を失禁する証。<素問咳論>「腎咳已まざれば、膀胱これを受く。膀胱欬の状、欬して遺溺す。」
遺溺=小便失禁または寝小便のこと、遺尿ともいう。新・東洋医学辞書13
遺尿(溺)=いにょう。病証名。①小便失禁。②寝小便のこと。<霊枢邪気蔵府病形篇>「肝脈微、滑なるは遺溺となす。」<霊枢九鍼論>「膀胱不約は遺溺をなす。」
三焦=六腑の1つで外腑、孤府ともいい、諸気を主持し津液を調整する機能をもつ。新・東洋医学辞書13
三焦=さんしょう。①六腑の一つ。これは臓腑を包む最大の腑であり、外腑、孤腑ともいう。諸気を主持し、水道を疎通する作用がある。上焦・中焦・下焦の三部に分けられる。三焦手の少陽経脈はの手の厥陰心包経と相互に連絡している。<難経三十一難>「三焦は、水穀の道路、気の終始する所なり。」<素問霊蘭秘典論>「三焦は、決瀆の官、水道出づ。」<霊枢営衛生会>「上焦は胃の上口に出で、咽に進み以て上り、膈を貫き、胸中に布す、・・・・中焦はまた胃中に進み、上焦の後に出づ、・・・・下焦は回陽に別れ、膀胱の注して滲入する。」②温病学における弁証綱領。⇒三焦弁証(さんしょうべんしょう)。<温病条弁>「肺病逆伝すれば心包を為す。上焦治せざれば中焦に伝う、胃と脾なり。中焦治せざれば下焦に伝う、肝と腎なり。上焦に始まり、下焦に終る。」
三焦咳=さんしょうがい。久咳して癒えず三焦に病を受けるもの。咳する時腹満して食欲不振となる証候をいう。<素問咳論>参照。
聚=シュウ。シュ。アツまる。ひとつ所に集まり、会合する。聚合→集合。ひとつになる。つみかさなる。つもる。アツめる。ひとつにまとめる。聚集。たくわえる。積む。聚蓄。アツまり。集まったもの。集まった人たち。会合。積みかさねられたもの。多人数集まって住むところ。村。聚落。
關=関。關は旧字。カン。セキ。関所。出入口。→函谷関(カンコクカン)。〔日〕箱根の関所。〔日〕すもうとり、関取。トざす。トじる→閉。しめる。かんぬき。カカワる。関係する。きり。しきり。へだてる。間接の意。からくり。機関。墓の門。
涕唾=涕は涙、唾は唾液のこと。新・東洋医学辞書13。
浮腫=ふしゅ。むくみ。皮下組織に組織液が増加した状態。新・東洋医学辞書13
浮腫=ふしゅ。証名。水腫のこと。また「腫は実と為し、浮は虚と為す」といわれ、虚浮ともいう。肺脾腎の臓気が虚衰しておこる。肺が虚せば、気は水を化すことができず、脾が虚すれば、水を制することができない、腎が虚せば、水を主る所がなくなり、妄行する。ゆえに、脾に伝われば肌肉が浮腫し、肺に伝われば、気息喘急する。治療は益肺、培脾、温腎を主とする。<素問気交変大論><景岳全書>水腫論治を参照。⇒水腫(すいしゅ)。
氣逆=気が逆上して不順である病理をさしている。気が順であれば平常であり、気が逆すれば病になる。肺胃の気は降るのが順であり、肺気が逆すると喘促、咳嗽などをあらわす。胃気が逆すると嘔吐、呃逆などをあらわす。肝気は昇発を主るが鬱怒が肝を傷って、昇発がすぎると、また気火上逆をあらわし、頭痛眩暈・昏倒・吐血などの症状をあらわす。<素問経脈別論>「太陽の蔵独り至るは、厥し喘し虚して気逆す。是れ陰不足、陽有余也。」
気逆=臓腑の気が逆上して病気の原因になるもの。新・東洋医学辞書
漢方用語大辞典、明解漢和辞典、新・東洋医学辞書13、鍼灸医学体系、東洋学術出版社素問。
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