kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

2023年12月24日 | ★★★★☆
日時:12月18日
映画館:八丁座

国内外で賛否の声が聞こえるが、個人的にはいかにも北野武映画らしくって好きかも。

戦国時代や武将に全然興味がなく、主要登場人物4人くらいしか基礎知識がなかったりするのだが、それでもなかなか面白く観れたし、多いとも言われる登場人物も演じている俳優の個性が強烈であまり混乱することもない。

これまでの主要な北野映画「ソナチネ」「アウトレイジ」「座頭市」などに通じる、「らしさ」が全面に出ていて、時代劇というより北野映画として面白い。

度を超えた暴力を行使することに何の躊躇もない登場人物たち、突然の暴力に抗えずに死ぬ名もない人たち、度重なる裏切りにどんどん孤立していく展開、冗談とも本気ともつかない絶妙なセリフ、唐突に手を離したかのように切り替わる編集・・・
世に言うキタノブルーこそ出ないが、これまで何度も見てきた世界観に、ある意味、時代を越えても安心して観ていられる。

配役がまた良くて、みんな北野武映画に出たくて楽しみながら演じているように感じられる。ワタシは日頃から今の日本映画はリアリティのある不細工面の芸人をもっと起用をすべしと思っているので、そういった点でも嬉しい。

北野映画の常連の面々はともかく、大森南朋の羽柴秀長と浅野忠信の黒田官兵衛の絶妙なコンビネーションがいいし、遣手婆の柴田理恵など最高のキャスティングだと思う。
セリフ回しに違和感はあるものの木村祐一の曽呂利新左衛門も「カムイ伝」の赤目師匠を思わせて、なかなかの存在感を出している。

永遠のマンネリ感もあったりするが飽きることなく楽しめたので
評価は★★★★☆。

ところで、クレジットでオフィス北野のKのロゴが出ないのはやはり淋しいですね。







題名:首
監督:北野武
出演:北野武、加瀬亮、西島秀俊、中村獅童

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