kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

スリービルボード

2018年02月15日 | ★★★★☆
日時:2月11日
映画館:シネツイン

本作のストーリーはすでに語られているところだが、

「娘を殺された母親が看板を立てる」

の一言でも饒舌なくらい、物語の展開は早い。
開幕10分ですでに本題に突入している。

地元警察に訴えかける看板を立てる発想自体、役所の末端で仕事をしている個人的には的外れじゃないかと思うのだが、そこはフランセス・マクドーマンドの硬ちょっとだけ軟織り交ぜた演技で行き場のない怒りに共感させてくる。

彼女の行動とちょっとした暴走はミズーリ州(ロケはサウスカロライナ)の小さな田舎町の人々に波紋を広げていき、それぞれの生き様もあぶり出していく。それぞれに家族や事件に対する思いがある一方で、その微妙なズレが不幸を拡大再生産させていく。各人の生活が少しずつ明らかになるあたりはスティーブン・キングっぽいが、彼の作品だったら最後にこの田舎町は全滅している。

そうでなくとも本作のストーリーを書き起こしたら、本当はとんでもない展開になっており、実は最後まで救いがない。
ただ、そう思わせないのはネガティブな展開の直後にわずかに安堵させる場面を繰り返すことで観客に安心感と笑いを与えてくれ、ささやかな救いも感じさせるからだろう。この辺は脚本の上手さだ。

本作のレベルを押し上げたのは言うまでもなくフランセス・マクドーマンドの存在感(と魅力)ゆえであり、ここ最近彼女の主演作がなかっただけに、彼女のファンであるワタシ的にはこのキャスティングの成功は嬉しい。

彼女だけではなく、他のキャスティングとのアンサンブルも成功しており、特にこれまでエキセントリックで乱暴な白人役が多かったウディ・ハレルソンの人間味あふれる警察署長と、ちょっとヒステリックなエリートの雰囲気があったサム・ロックウェルのダメな白人警官役は素晴らしい。

展開の上手さとキャラクターの深さ・多彩さで印象深い作品だった。

ところで劇中思いがけないところでワンシーンワンショット撮影が出てくる。やはりワンシーンワンショットを際立たせるのは上下移動だな。







題名:スリービルボード
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
監督:マーティン・マクドナー
出演:フランセス・マクドーマン、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

デトロイト

2018年01月31日 | ★★★☆☆
日時:1月27日
映画館:サロンシネマ
パンフレット:A4版720円。

ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」と骨太な作品を連発するキャスリン・ビグロー監督の最新作で、1967年のデトロイト暴動さなかに起きた事件の映画化。

映画は緊張感に満ちたガサ入れから開幕するが、当時のニュース映像を思わせる不安定で切り替えの早いカメラワークで一気に当時の空気感の中に没入させてくれる。

暴動の顛末を大局的に描くのかと思いきや、あるモーテルを舞台に事の行き違いから起きた実際の事件を描いている。(この事件の言い方が難しくて、違法捜査で殺人で暴力事件で人権侵害で様々な側面を持ち合わせている。)

警察と州兵に包囲されたモーテルの客(主に黒人)は市警察に一時拘束され、半ば拷問の取り調べを受ける。進展しない事態に警官の苛立ちは頂点に達し、やがて暴発していく。

神経を逆撫でするような展開でしかも司法側が全くアテにならないという絶望的な状況。さらに実際の事件を取り上げているので、映画的な救いの手も全く期待できない。善悪に関わらず、人が死ぬ。蒸し暑さで絶えず汗だくな姿とも相まって、とにかく重苦しい画面が責め苦のようである。

警官たちがやっていることはナチとか極右政権の蛮行と大差ないと思えるのだが、警官たちが妙に親近感のある顔で何となく話せば分かるみたいな雰囲気を漂わせているあたりがクセモノ。

さらに、事件の根底にはアメリカの人種的偏見がある訳で、今のアメリカの現状と重ね合わせると全然シャレにならない。製作時期を考えると、偶然だったとは言え、製作陣の感覚の鋭さに感心してしまう。

さて、これまでビグロー監督作品といえば、どちらかと言うと登場人物を突き放したようなところがあって、「キャラクターの生死など知ったことではない」という冷徹さが感じられたが、逆に今回は登場人物の事件後の顛末だけでなく、犠牲者親族のやりきれない思いまで描写しており、より映画を印象深いものにしている。






題名:デトロイト
原題:DETROIT
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ハンナ・マリー


コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ひろしま美術家特別展「平木コレクション 生誕220年 歌川広重の世界展―保永堂版東海道五十三次と江戸の四季」

2018年01月18日 | 展覧会
「平木コレクション 生誕220年 歌川広重の世界展―保永堂版東海道五十三次と江戸の四季」
会場:ひろしま美術館
会期:2018年1月3日(水)~2月12日(月・振休)

先週の広島県立美術館に引き続いて、こちらも浮世絵展。こちらは完全に作家中心の展覧会で「東海道五十三次」「名所江戸百景」+根付展の三部構成。

まず、「東海道五十三次」については過去にも同展を鑑賞した際に感じたが、ワタシの仕事である観光パンフレット制作のまさにご開祖様。現代にも充分通用する表現技術を見いだすことができる。いずれの作品にも老若男女の躍動的な人物が盛り込まれていることもそうだが、その人物描写に無駄がない。また、「東海道五十三次」全体を通して、ストーリー展開がなされている点も素晴らしい。誰か観光パンフレットとしての「東海道五十三次」を研究していないのだろうか。

続いて、「江戸名所百景」。こちらはご当地写真集といったところなのだろうが、全体を通してみるとむしろ表現方法の見本集といった感じを受ける。判型もまちまちだし、遠近法が用いられている作品があれば、二点透視図法で描かれた作品もある。モチーフが画面から大胆にはみ出した作品などかなり実験的な雰囲気が感じられる。
後世の絵師に向けたお手本集といった趣だ。

根付展は1室のみの展示だが、元々なにかを作るのが好きなワタシは細工の精細さに「ほお〜」「う〜ん」「ふぅわー」など嘆息が尽きることがない。テーマも遊び心にあふれていて、時に大胆すぎて吹き出してしまう。着物の時にぜひ凝った根付を身に着けたいところだが、高確率で壊してしまいそうで怖い。

本展、いずれも作品が小さく展示総数もそれなりに多いので、見終わったらどっと疲れます。時間に余裕を持った観覧をおすすめします。

ところで、次回特別展はミュシャ展。楽しみ。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

キングスマン ゴールデン・サークル

2018年01月16日 | ★★★☆☆
日時:1月13日
映画館:バルト11
パンフレット:A5変形720円。前作と同じスタイル。インタビュー満載。

元々シリーズものじゃない作品でここまで前作を引っ張っているのは最近珍しいくらい、ド直球な続編。「キングスマン」を観ていないと付いていけない箇所も多いので、これから観ようという方は必ず前作を観ておいてください。

前作で晴れてキングスマンの正規エージェントになった主人公、今回開幕早々、命を狙われ派手な戦闘に巻き込まれる。60〜70年代のスパイ映画のフォーマットを取りながら、独特のセンスはパワーアップして健在。前作では取っ付きにくさもあったが、今回はすんなり頭に入ってくる。

陰謀の発覚というスパイ映画に不可欠なプロセスは省略され、いきなり今回の悪役、ジュリアン・ムーアのサイコな登場。今回、続編という以上に期待大だったのがジュリアン・ムーアの素敵すぎるキャスティング。悪の組織ゴールデン・サークルをあんな風に紹介されると入りたくなるよなあ。もちろん、ムーア様お手製のラブリーなハンバーガーもOKです。(ちなみに、本タイトルは麻薬組織の「ゴールデン・トライアングル」と南北戦争期にあった秘密結社「ゴールデン・サークル騎士団」をもじったものだろうけど、当タイトルを聞いた時、「ゴールデン・○○○○」とエロな勘違いをしていた。本編でもそれらしいセリフがあるので、それもひっかけているんだろう。)

実は本筋とはあまり関係のない悪の組織のディテール紹介は大事。イアン・フレミングの「サンダーボール作戦」も3章使ってスペクターとブロフェルドとラルゴを紹介していたし。

予告編どおりキングスマンはゴールデン・サークルの手により事実上の壊滅、バーボンメーカーの米国ステイツマンと共同戦線を張って陰謀を阻止しようとする。米英の感性の違いがネタとして面白く、スコッチとバーボンのウィスキー談義なぞ、なかなか笑える。
もちろん、007へのオマージュも楽しくて、水陸両用車や雪山山頂のひみつ基地、国旗がデザインされたパラシュート、ミンチ製造機、ひみつ兵器満載のアタッシュケースなど懐かしいモチーフがたくさん。たぶん、こういうディテールを考えているときが一番楽しいんだろう。

前回、良くも悪くも先の見通せないストーリー展開には多少、面食らったが、今回は耐性ができたのか、受け止めやすかったな。

ムーア様以外のキャスティングとしては、マーク・ストロングが相変わらず素敵。何をやっても賢人っぽく見える。あと、バカな相方役が似合うチャニング・テイタム。あのダンスはモンティ・パイソンのバカ歩き省か?

全体的に面白かったが、新鮮味が薄くなったという点で
【評価】
★★★☆☆

ところで、今回もIMAXシアターで鑑賞。ムーア様の小じわまでしっかりと見えますが、その辺がまた色っぽくてたまりませんわ。






題名:キングスマン ゴールデン・サークル
原題:KINGSMAN GOLDEN CIRCLE
監督:マシュー・ボーン
出演:タロン・エガートン、コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、マーク・ストロング
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

広島県立美術館特別展「遊べる浮世絵展」

2018年01月09日 | 展覧会
「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」
会場:広島県立美術館
会期:2018年1月5日(金)~2月12日(月)

数年前から浮世絵が面白いと思えるようになり、ここ数年、毎年のように浮世絵展が開催されるのは嬉しいことです。

今回はくもんの子ども浮世絵コレクションから子どもとか遊びにまつわる作品が集められているが、こういうテーマは珍しく、展示作品も普段見慣れないものがあって面白い。双六とか判じ絵とか切り絵とかモチーフが分かりやすく、謎解きや言葉遊びは時代を越えて愛されるんだな。「異国双六」に「くろんぼ国」があったり、「勝手道具はんじもの」には「稚児がすきな坊主とかけて"かま”」とあったりもする。その一方、子ども向けの商品でもあるので、仕上がりが少々雑なところが興味深い。

また、作家中心の展覧会と異なり、作品年代が幅広いのも特徴で、江戸時代初期から明治までの作品を一覧できるのは、非常に勉強になる。時代の変遷とともに浮世絵の技術が進歩し、色彩もどんどん鮮やかになっていくのがよく分かる。見ているうちに作品の年代も5割くらいの確率で徐々に目星がつくようになるし、明治時代の作品ともなるとそれまでにない色使いでひと目で分かる。
でも、子どもテーマとはいえ江戸時代初期の紙本着色の巻物や屏風なども展示されているのは展覧会タイトルからすれば反則技。また、製作年が200年以上離れている作品を並べて展示するのも違和感があったな。

時代風俗の表現も多岐に渡っているので、江戸史など好きな人には面白いだろうな。(ワタシは関心がないけど)そういえば、時代小説や和文化の好きな人って浮世絵展に来るんだろうか?

今回、一番気に入った作品は月岡芳年の「勝軍高名出世寿語禄」。慶応2年(1866年)の戦双六なのだが、「繰出し」からスタートし、「鉄砲」だの「分捕」「討死」「野陣」「落城」「一騎打」「實検(首実検)」となかなか物騒な単語と絵が並び、古今和洋折衷な表現で見応えたっぷり。やっぱり「戦争ごっこ」好きは死ぬまで治らんでしょう。



コメント
この記事をはてなブックマークに追加

シンクロナイズド・モンスター

2018年01月06日 | ★★☆☆☆
日時:12月30日
映画館:バルト11
いつもキュートなアン・ハサウェイ。お利口さんな役が多いけど、今回はダメOL役で映画のエグゼクティブプロデューサー、そして怪獣役も兼ねています。(笑)

ニューヨークに住む休職中ライターのアン・ハサウェイは酒癖が悪く、二日酔い・記憶喪失の常習者。同棲中の彼氏にもとうとう愛想をつかされ、マンションから追い出されてしまう。
故郷に帰り、幼馴染のバーを手伝うことになるが、時同じくしてソウルに巨大怪獣が出現。なぜか分からないが、特定の時間・場所での自分の動きがシンクロされることに気づいた彼女の運命は・・・

信じられないくらいのバカ設定で、大暴れする怪獣映画を期待したのだが、そこはアン・ハサウェイ。ソウルの被害に心痛めた彼女は幼馴染ほか友人に相談し、原因究明と事態の打開を図る。せっかく怪獣になったのなら、ウルトラQの大怪獣マーチみたいに街中破壊しろよ。

【以下ネタバレあり】

その代わり、幼馴染の彼が巨大ロボットとしてソウルに出現。他にも色々あって、こじらせ女子のアン・ハサウェイと彼の間に痴話喧嘩が勃発し、これが延々と続く。
気候のすぐれない寒々とした街で、酒癖の悪いOLとバーオーナーの揉め事・・・。他の女優が主役だったら、完全に別テーマの映画だろう。

最初は気立てがいいと思われた幼馴染は、嫉妬心から徐々に常軌を逸した行動に走り、その本性が表れるに従い、二人の溝が決定的となり・・・

この幼馴染の行動は腹立たしいことこの上ないのだが、そのダメさ加減が他人事ではなく自分のダークサイドを見るかのようで悲しいかな共感してしまう。

最後は時空を超えた大オチでハッピーエンドとなるが、怪獣にも巨大ロボットにももうひと暴れして欲しかったところ。

【評価】
★★☆☆☆

ところで、アン・ハサウェイの顔立ちが好きなので、お天気キャスターの太田景子さんも好みです。いつもカミカミだけど。








題名:シンクロナイズド・モンスター
原題:COLOSSAL
監督:ナチョ・ビガロンド
出演:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

スターウォーズ 最後のジェダイ

2018年01月03日 | ★★★★☆
日時:1月1日
映画館:バルト11IMAX
パンフレット:A4版変形1,000円。いつものようにインタビューと背景知識、キャラクター紹介、過去作品の振り返り、そして広告満載!

3年連続でスター・ウォーズシリーズの新作映画が劇場で観ることができるって、ある意味、すごいことです。(今年は「ハン・ソロ」もあるし。)

帝国軍の残党だったはずのファースト・オーダー、いつの間には銀河を席巻しており、レジスタンスは防衛一辺倒の苦戦を強いられる。反政府組織であるファースト・オーダーのどこにそんな資金や組織力があるのかスターキラーを建造した前作「フォースの覚醒」から疑問なのだが、そこは目をつむって話を進めよう。

初めてIMAXシアター3Dで鑑賞したが、画面がきれいさにはさすがに感動。自分の両目の具合が3D向けで無いこともあって、3Dは敬遠していたが、これは大丈夫。開幕当初のドッグチェイスは素晴らしい迫力。一瞬「前の観客、邪魔!」と思ったらスクリーン上の出来事だった。(本当)

その後、レジスタンスの最後の一派とファースト・オーダーとの追撃戦を軸に、レイとルーク、フィンとローズと3つの物語が同時進行する。いずれもシビアな物語で展開に無駄がない。ただ、ストーリーの大筋が一直線なので、以前に比べると空間的な広がりには乏しい。他惑星に話を持っていく必然性はないのだが、「○○の惑星」というフレーズにはワクワクするよなあ。

監督は戦争映画を意識したというが、確かに爆弾倉のくだりは「博士の異常な愛情」を思わせるし、ファースト・オーダーの戦艦スプレマシーはホルテンなどの全翼機を、巨大レーザー兵器はドイツ軍の列車砲を彷彿とさせる。

ジェダイとは、フォースとは何かを問う展開は奥が深いし、カイロ・レンが目指そうとしている方向性も好きだ。壮大な宇宙親子喧嘩より話に意味がある。

「フォースの覚醒」は新しいキャラクターの顔見世興行だったが、本作はそれらのキャラを深めつつ、旧作のキャラクターもしっかり活躍し、今回からの新しい登場人物にもまんべんなく見せ場を作っている。
今回の新キャラクター、ローズ・ティコと彼女を巡るストーリーは全然予想をしていなかっただけにとても好感が持てた。彼女の年齢不詳な顔立ちといい、背丈の低さといい好きだなあ。
「ジェダイの帰還」で「見掛け倒しの役立たず!」と批判された赤いガードも今回はちゃんと職務を果たし、取り敢えず名誉挽回。(か?)
一方、JJエイブラムスから監督が変わったことで、彼の盟友、グレッグ・グレンバーグのウェクスリーはひっそり降板。シビアだなあ。

ただ、前作で危惧したように広げた風呂敷がどこに行ってしまうかの不安定さは残っていて、最高指導者様のくだりはともかくとしても、武器商人の存在なぞ初めて知ったよ。

先行き不安感が残るものの、久々に早く次作が観たいと思わせてくれました。

評価
★★★★☆

ところで、本シリーズで好きなキャラクターがハックス将軍。ナチ風味満載の割に小者と陰口を叩かれ、何かにつけフォースのダークサイドで痛めつけられる一定のイジられ枠を確立しているあたりに好感が持てます。(笑)






題名:スターウォーズ 最後のジェダイ
原題:STAR WARS THE LAST JEDI
監督:ライアン・ジョンソン
出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

2017年ベスト映画

2018年01月02日 | 年間ベスト3

2017年は前年の「この世界の片隅に」のように圧倒的な作品がなかった反面、良い映画も多い一年でした。裏を返せばシネコンでヒット映画はロングランするけど、クセのある作品やツマラナイ作品は上映回数が減ったからでしょう。(上映期間1週間、上映回数1日1回、日中の作品など、そもそも観るのがかなり大変。)

広島について言えば、八丁座・サロンシネマがロードショー系中心になったことを受けて、イオンシネマがマイナー作品を積極的に上映するようになったのは大きな変化。「お嬢さん」とか「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」「ありがとうトニー・エルドマン」「ハイドリヒを撃て」なんて、かってはサロンシネマでかかる映画でしたよ。

ベスト映画
ベイビードライバー
新しい映画ジャンルの誕生。どこを切り取っても面白い映画ってなかなか無いです。

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
イタリア映画、ダークなヒーローアクション、日本アニメ。いいですねー

■ハクソー・リッジ、ダンケルク、ハイドリヒを撃てヒトラーの忘れ物、戦争のはらわた、激動の昭和史沖縄決戦、ワルシャワ44
映像文化ライブラリーを含め、第二次世界大戦モノがこれだけあったんだ。と改めて感じる充実ぶり。他にも「チリの闘い」「アルジェの戦い」も観ましたが、善悪の境目のテーマが多く、非人間性というものがなぜ、どこから生じるのか考えさせられました。

その他、「ザ・コンサルタント」「キングコング/骸骨島の巨神(ポスター最高!!)」「アトミック・ブロンド」「IT/それが見えたら終わり(ついに上映期間2ヶ月)」「女神の見えざる手」なども面白かった。

ラ・ラ・ランド」や「ブレードランナー2049」「エイリアン・コヴェナント」などはあえて入れる気がしませんでした。面白くないワケじゃないんですが、事前情報が多すぎて、本編のインパクトが弱くなった感は否めません。

がっかり映画
エルネスト
最初の広島パートは目を剥くほど素晴らしいんだけど、キューバ、ボリビア編になると全然面白くなく、がっかり度数も高かった。若々しい理想主義と荒々しさ、暑苦しいメッセージ性、金儲けと興行師魂に満ちた70年代の同テーマ映画を観てきた身としては食い足りないことこの上なかった。今世紀の描き方としてはこうなのかも知れないけど、パワー不足。

さて、2018年も気になる映画が多数あります。楽しみ。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

女神の見えざる手

2017年12月24日 | ★★★★☆
日時:12月22日
映画館:サロンシネマ

ワシントンDCで屈指の辣腕ロビイストとして恐れられるミス・スローン。銃規制法案をめぐり、銃規制反対派の企業からロビー活動の依頼を受けるが、同じタイミングで規制派のロビー活動会社からヘッドハンティイグを受け、移籍する。
勝利のためには手段を選ばず、人間的なモラルにも欠如した彼女はあらゆる手段で、規制派の票数確保に動く。

名前こそ知っているが、実態がよくわからなかったアメリカのロビイスト活動について、この映画を観るとよく分かる。逆に馴染みがないと映画そのものがわかりづらいし、セリフで説明される部分も多いので、ウカウカしていると人物関係がわからなくなりかねない。

主人公のジェシカ・チャステインの辣腕ぶりの描写が的確で、仕事ぶりだけではなく手を抜いた食生活やエスコート・サービスを利用することで性欲を処理しているなど、ディテールには共感できる。(といっても、ワタシが風俗を利用しているという訳ではない。)

さらに同時進行する事態をモンタージュで細切れに描くのだが、これが慌ただしさが続く日常の雰囲気をよく醸し出している。扱っている事象は全く違うが、自分の日常とオーバーラップする、する。

もちろん、銃規制反対派もお互いに手口を知る者として、あらゆる手管を繰り出してくる。お互いの手を読み合い情報戦をやり合うあたりは、戦争映画やスパイ映画に近い雰囲気がある。

銃規制反対派はチャステインが過去に扱った案件を議会公聴会に持ち出し、彼女と銃規制法案を葬り去ろうとする。映画的には当然、最後の切り札が準備されるのだが、そこは見てのお楽しみ。

「自分のキャリアを殺すくらいなら、殺されて死ぬほうがまし。」のセリフもカッコいい主役のジェシカ・チャステインは知的で冷淡な雰囲気がピッタリのはまり役。彼女をはじめ、登場人物の顔がいい。マーク・ストロングとかマイケル・スタールバーグとか諜報物にピッタリだし、女性陣も基本的に色気のなさがそれらしくていい。それにしても、サム・ウォーターストンが主要キャストで登場するなんて、嬉しいなあ。

ところで、この両陣営とも国のためと思いながらの活動がどんどん激化していくのだから、「皮肉なものだよ」。






題名:女神の見えざる手
原題:Miss Sloane
監督:ジョン・マッデン
出演:ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、マイケル・スタールバーグ、ググ・バサ=ロー

コメント
この記事をはてなブックマークに追加

オリエント急行殺人事件

2017年12月24日 | ★★☆☆☆
日時:12月23日

クリスティものが好きな奥さんと久しぶりに一緒に映画館へ。

観終わってウチの奥さんの最初の感想。
「面白くなかった・・・なんでか分からんけど。」

実はその感想、ワタシも一緒。
盛り上がらんなあ・・・。

たぶん、トリックが古典となっている上に何度も映像化されているから、旧作と比較してしまい、初見の人とは賛否が別れるんだろうなあ。
ケネス・ブラナー自身は「優れた古典はさまざまな解釈や新しい切り口で語ることができる」とコメントしているのだが、本作は舞台設定やシチュエーションがガチガチに決まっているので、やはり相当な冒険が必要なんだろう。

ケネス・ブラナーのポアロはオリジナリティあふれるキャラクターだし、特にあの髭はビジュアル的にもキャラ的にも効果絶大なのだが、エキセントリックな人物としてのポアロというより、ケネス・ブラナーが変なことをしているようにしか見えないのは、彼が端正な顔立ちで真っ当な名優たる所以なのかなあ。

逆に他の登場人物も今ひとつインパクトに欠けるし・・・。
善悪の境界線の語り口はこれまでよりは強いものを感じたが、却って推理の面白みが減ったような気もする。

ちなみに65ミリで撮影された画面は驚くほど鮮明で美しい。そこは金がかかった映画の素晴らしさだな。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加