今回のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションでは、いつもと違う企画がいくつかあり、その中でも大変印象的で、アメリカの万華鏡愛好家たちを虜にした催しがありました。People's Choice Award のもう一組の日本人受賞者は、依田さんご夫妻です。 おめでとうございます !
アメリカでは初めて、依田満さん・百合子さんご夫妻の投影式万華鏡による映像世界が展開されたのです。 工夫を重ねて考案した投影式万華鏡は、新作として発表された後、ホテルの一室が十数個の投影式万華鏡の映像で満たされました。
大きな備え付けの会議用テーブルが真ん中にある部屋でしたが、依田さんご夫妻は事前にアメリカの関係者とやり取りをして、サイズや高さなど詳しい情報を得ながら、いかに展示するかを考え、準備を進められました。
日本では長野の投影万華鏡展は3回を重ね、北海道、富良野のミュージアムにも常設の投影万華鏡の展示がありますが、いつも依田さんご夫妻は、現地に足を運び、その場に合った設営を企画・準備・メンテナンスをなさってきました。 しかし今回ばかりはそうは行きません。
テーブルの向こうに広がったスクリーンには不思議な国のアリスのお茶会のシーンが影絵で表現され、投影式万華鏡による美しい映像が映し出されます。
鍵を持っているアリスも、急いでいるウサギも見えますね。
扉の向こうにはチェシャーキャットが登場。 心にくい演出です。
床にはトランプが散らばり、その上に映し出される映像。
赤と緑の紙に映し出された映像の上にはモビールの蝶が舞います。
壁に沿って当てるとこんな風に色が上っていき、天井が万華鏡模様に。
白い大きな風船に映し出される映像は、色が流れているよう。
小さな投影万華鏡十数個がこの部屋いっぱいに設置され、それぞれ異なった映像を生み出しています。 映し出される映像は、バーナーワークで作られた小さなオブジェクトから拡大されているわけですが、その繊細な表現力には驚くばかりです。
万華鏡映像のビデオを映しているのかと間違う人もいましたが、ひとつひとつが本当の万華鏡であることを知り、コンパクトな形ながら、とても質の高い映像を生み出すことに感激していました。
この展示がなされている部屋に入ってくると、皆、目を見張り、それから心が安らぐのを感じます。 暗い部屋の中で"Amazing !” "Peaceful !"という言葉が何度も聞こえてきました。
じっと佇み、色の世界に身をゆだねてしばらくすると、「また来ます」といって部屋を出て行かれますが、本当に何度も覗きに来る人が多いこと! 宮崎駿さんの映画音楽が見事に映像にマッチしていて、とてもいい気持ちになりました。
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