万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

天使の調べ

2015-10-30 11:06:45 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、ジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんご夫妻のAngel Music (天使の調べ)です。 真っ白なパウダーコーティングを施した筒に、音楽を奏でる天使が飾られています。
テーマのある万華鏡を作り続けている作家さんで、筒のデザインとオブジェクトセルのデザインにテーマを表現しています。

白くて清楚な雰囲気の外観です。 オブジェクトセルはパステル系のきれいな色合いで、いろいろなものを取り入れています。

メタルオブジェクトの楽器や音符が入っているのもテーマにふさわしく、光沢のあるパールオブジェクトが組み合わさって生み出される映像は優しくてうっとりとする感じです。天使の調べにぴったりなすてきな映像表現です。

いつも思うのですが、ジュディスさんのオブジェクトの選び方が上手なせいでしょうか、どの映像も新鮮な感覚を覚えます。今まで本当に多くの作品を拝見してきましたが、いつも新しい魅力を感じてしまうのです。 もしかしたら、それが万華鏡の魅力なのかもしれませんね。

ジュディスさんのオブジェクトセルは取り外して、交換可能になっています。 この筒に合いそうな他のオブジェクトセルを探して、楽しみを増やすこともできます。

その一方で、作家さんがデザインしたセルとボディの組み合わせがやっぱり一番で、両方があっての作品なんだなあとも思います。 この一つのセルから生み出されるたくさんの模様だけでも、毎日楽しめてしまうし、インテリアとして飾る時も、この作家さんだからこそのテーマ性も大切に思います。

インターチェンジャブルな作品は、いろいろな楽しみ方を提供してくださっているということでありがたくその楽しみを味わうことにしますが、一つの作品でもそのままを楽しむのが簡単でいいなと時々ずぼらな気持ちにもなってしまうことを告白します。

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ガラスの蝶

2015-10-22 15:34:43 | 万華鏡ブログ

今日の作品は、スー・リオさんの「マリポサ」という万華鏡です。 蝶をテーマにしたこの作品は、ボディーの色を変えて、あるいはリクエストに応じて、様々なガラスで作られる万華鏡です。
デザインは変わらずとも、ボディーのガラスの表情、蝶の羽につかわれているダイクロイックガラスの表情、そしてガラスジュエルがびっしりちりばめられたシリンダーの表情は同じものはなく、一点物の手作り感のあるゴージャスな作品です。

中の映像もゴージャスな雰囲気があります。 先端のきらびやかなシリンダーを回転させて映像を楽しみます。
この万華鏡にはふたつの大きなアイホールがあります。 ひとつは3ミラーシステムの映像を映し出します。

そしてもう一つは2ミラーシステムの映像です。

ガラスジュエルの美しさはそのまま見ても惹きつけられます。

光の当たる方向によって、煌めきも色合いの深さも変わってきます。 豊かな色模様の映像を生み出す所以です。

パティーナ(ハンダの色を変える方法です)で銅色に色がつけられたハンダの装飾部分もデザインの一部として、とても美しく仕上げられています。ハンダの技術を含め、ガラス棒の装飾、トップのガラスの飾りはスー・リオさんの経験に裏付けられた定番デザインです。 彼女は箱型の作品が圧倒的に多いのですが、このようにアクセントのガラス装飾と脚をつけるのが特徴になっています。 しかもこの作品の脚には透明なガラスが使われていて、おしゃれな印象です。

最後にもう一度オブジェクトシリンダーを回してみましょう。

ガラスが光を通しながら色を映し出します。 教会のステンドグラスのようですね。外観の華やかな雰囲気と、内部の深みのある色模様に魅了されるステンドガラスのカレイドスコープです。

 

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教室展の楽しみ

2015-10-07 22:12:56 | 万華鏡ブログ

先日、京都での教室展での「フレンドシップ・カレイドスコープ STARS」のご紹介をしましたが、今回は「中里保子さんとGlass-Stationの仲間たち展」が地元、流山に戻っての教室展です。 
ここでも目を惹くのがフレンドシップ・カレイドスコープです。

今回は自分の目で拝見してきました。 大きなカレイドスコープからは3種類の映像が楽しめます。 正三角形の覗き口が大きく、そこからは、テイパードミラーシステムを通して、球体のように浮かび上がる映像です。

細長い三角形の覗き口からは 視野いっぱいに展開する3ミラーの映像です。

そして丸い覗き口からはサークルミラーシステムを通してぐるぐる色の輪が見える映像です。

オブジェクトのホイールはどれもマグネットで着脱するので、簡単に位置を変えられます。
生徒さん一人一人が個性的なホイールを作り、それを中里さんが大きな作品に仕上げる・・・
とても素敵なコラボ作品です。

中里さんはいくつかのクラスを開講なさっています。教室では 基本のカリキュラムから製作を習い、それを修了すると、自分で作りたいオリジナルデザインを考えて製作するそうです。
基本のカリキュラムでも、作品のテーマは自分で決めるので、それぞれの生徒さんが自分らしさを表現したユニークな作品を披露していました。 

ステンドガラス、フュージング、積層などいろいろなガラスの技法も見られました。
それぞれの方が、万華鏡が好きで、自分らしさを表現したいと頑張っている様子が伝わり、また中里さんがご自分の技術と技法を惜しげなく生徒さんに教えていらっしゃるのが目に浮かぶようでした。

すでに作家として活動なさっている人たちの作品もあり、層の厚さも感じたことでした。

中里保子さんの代表作「Katagami Series」など、ご自身のガラスアートの幅を見せてくれる作品も並びました。 

この「第2回華麗なる万華鏡展」は流山市の杜のアトリエ黎明で開催中です。 展示されているスペースは緑豊かな庭に面した明るい部屋で、喫茶スペースもあり、ゆったりと万華鏡を楽しむのにぴったりな空間でした。 
何よりも、教室の皆さんと中里さんが京都万華鏡ミュージアムでの展示、そして地元流山での展示を目標に、励まし合って製作され、集められた作品全体、この万華鏡空間全体がとても温かくて、拝見した後、爽やかな気持ちで会場を後にしました。  

第2回 華麗なる万華鏡展  ~GLASS-STATION 万華鏡教室展~

会期: 10月6日(火)~18日(日)

場所: 杜のアトリエ黎明 
     千葉県流山市流山6-562-2

電話: 04-7150-5750
時間: 9:00-17:00(最終日は16:00) 

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もみじ

2015-10-01 21:35:05 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介する作品は、依田満さん・百合子さんご夫妻の工房から、「もみじ」です。
テーマに沿ってサンドブラストで表情や模様をつけたガラスの筒を使い、中に仕込まれたミラーシステムと小さなオブジェクトセルから、表情豊かな模様が展開するシリーズです。

明るい茶色の紅葉が舞う白い筒の万華鏡。 その紅葉を1枚取ってきたかのように、映像の周りを囲む感じで内部に映し出しているのは、オープン2ミラーシステムのなせる技です。 通常はミラーを三角形に組むことで、しっかりとしたミラーシステムを組むことができますが、 オープンになっているということは、ミラーがV字型に組まれているということです。 開いているところから周囲の模様が映り込みます。

選んだオブジェクトは本当に小さなガラスですが、一つ一つバーナーワークで作られ、表情も豊かに仕上げられています。

オブジェクトが重なり合って生み出す形や色は計算してできるものではないけれど、ランダムな集合からはこうはいきません。 オブジェクトを選び、組み合わせるところも作家さんの個性であり、技術なのだと思います。そしてそこからは魔法の筒が為せる技。 一期一会の映像です。

そして依田百合子さんもおっしゃっていましたが、創る時の気持ちのあり方でも結果は違ってくるそうです。 そうやって生み出されるたくさんの作品から、自分の心に沿うものを見つけることが出来た時、何ともいえず幸せな気持ちになりますね。 

落ち着いた色合いにも惹かれます。

急に秋めいてきたこの頃、もみじが色づくのはもう少し先ですが、秋に先駆けてご紹介しました。

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