万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

2010-12-27 20:31:11 | 万華鏡ブログ

今日は石田千花子さんのユニークな万華鏡をご紹介します。
この丸い球体はPaper Moonというタイトル。 黒い空にぽっかりと浮かぶ月みたいですね。
直径1cmほどの小さな覗き穴があって覗くとちょっとびっくりするこんな映像が見えます。

この作品は片手でちょうどつかめるくらいの大きさですが、同じ形状で、ずっと大型の作品を、石田さんは2010年のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで発表し、注目を集めました。
特殊な樹脂の塗料を塗ってあるようで、紙とはいえしっかりとしており、暗い中でもボーッと光るのが意表をつく万華鏡です。

もう1点丸さが可愛らしいペンダントです。 Flask といいます。理科の実験でおなじみのフラスコの形です。

中に入っているのは?

きらきら色を変えて光る、透明なホログラム素材とガラスの粒。

ミラーはないけれど、ガラスの筒がサークルミラーになってホログラムシートが色や輝きを変えるのをぐるぐると映し出します。

金属のスマートなデザインの万華鏡だけでなく、紙やガラスを使って、違った映像世界を見せてくれる石田千花子さんです。

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万華鏡映像クイズ

2010-12-24 23:09:59 | 万華鏡ブログ

今日はちょっと趣向を変えて、クイズにします。
万華鏡映像をごらん頂き、作家さんの名前を当ててみてください。
最初の映像は割合簡単でしょう。 きらめきの美しさには目が離せません。
背景の色がポイントです。

次は映像も重厚な感じがあるところが特徴のひとつでしょうか。
装飾ハンダも映像にアクセントとなっています。 幻想的な輝きが魅力。

次の作品はいかがですか? 
オブジェクトの繊細で軽やかな動きが黒い背景に映えます。 その動きにうっとりします。

                     

グラデーションの美しいガラス使いといえばこの人。 ガラスオブジェクトで絵を描くようです。
微妙な色使いにも特徴がありますね。



いかがでしたか? いずれも個性あふれる映像ですね。 アメリカを代表する作家さんたちの万華鏡映像から、ご紹介しました。 答えがわかった人、わからない人、コメントをお待ちしています。

 

Comments (5)
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冬の冷たさと美しさを表現する万華鏡

2010-12-20 23:47:56 | 万華鏡ブログ

白いガラスに雪の結晶を飾った、スー・リオさんの新作 「Flurries フラーリーズ」です。 にわか雪というような意味でしょうか。
外観がとてもきれいで、飾ってみたくなる美しい万華鏡です。
白いガラスにも表情があり、模様が浮き出て氷のような雰囲気を醸し出しています。

薄い箱型の万華鏡にはお洒落にデザインされたワイヤーのスタンドが付いていて、斜めに設置されていますので、本体を持たずに覗くことができます。 

オブジェクトセルもデザインの一部として作られていて、オイルの中に浮かぶオブジェクトがとてもきれいにきらめきながら浮かんでいるのが見えています。動かしていないときも、均等にオブジェクトが見えるように、オイルの濃度、オブジェクトの比重などが配慮されています。
透明なダイクロイックガラスがカットされたオブジェクトは、光の当たり方で虹色に輝いたり、金色に輝いたりするので、思いがけず鮮やかな色模様が展開します。

覗き口は2箇所。2ミラーシステムと3ミラーシステムの2種類のミラーシステムが組み込まれています。
オブジェクトセルのサイドのノブを回して映像の変化を楽しみます。
美しいのは外観だけではありません。 

3ミラーシステムの映像は、たとえばこんなふうに。

そして2ミラーシステムの映像は、たとえばこんなふうに。



でも一瞬の写真では伝えきれない動きの魅力があります。
オイルの中でゆったりと動きながら、きらきらと輝き、色を変えます。

中も外も美しい万華鏡づくりを心がけるスー・リオさんの素敵な万華鏡です。

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煙突から落ちたサンタ

2010-12-19 21:09:27 | 万華鏡ブログ

「煙突から落ちたサンタ」という素敵な万華鏡をご紹介します。
依田満さん・百合子さんご夫妻が、今年のクリスマス前に、日本万華鏡倶楽部の手作り万華鏡教室のために考案されたキットです。

右側の取っ手を回すと、しりもちをついたサンタさんは上下に動きながら回転し、左側にあるクリスマスツリーも回転します。それと同時に暖炉に見立てたオブジェクトセルも回転します。 
のぞぎ口は暖炉の上に伸びた煙突です。



依田さんの用意なさったカラフルなビーズは色合いも美しく、映像も夢があって楽しいです。


でも、一番クリスマスらしい素敵な雰囲気は、ライトアップされたときです。
ほら、このとおり!



クリスマスツリーと暖炉に見立てたオブジェクトセルが光っています。

そして覗いた映像も、きらきら輝いてうっとりとさせられます。

手回しなので、好きな映像のときに止めてゆっくり眺められるのも嬉しいです。



中のオブジェクトを入れ替えることもできるので、それも楽しいですね。
ユーモラスな表情のサンタさんやツリーが動き、きれいな映像が生み出される・・・
楽しいクリスマスを演出する暖かくて素敵な万華鏡です。

すべてのパーツを考案なさる依田さんご夫妻のアイディアと、
それを形になさるご努力に感謝するばかりです。

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北の国から

2010-12-18 19:55:41 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、札幌市在住のステンドガラスの万華鏡作家、渡辺里佳さんの作品です。
富良野の「ふらのやまべ美ゅーじあむ」の三井郁弥さんのご紹介で、作品を拝見しました。
外観は、オーソドックスな形で、外のガラスの色を反映したオブジェクト構成です。
ドライタイプで、ガラスオブジェクトの動く音とともに映像が切り替わります。

左奥のいろいろなブルーの組み合わせが目を惹く作品。
オブジェクトはすべてバーナーワークで加工されたガラスです。



右奥のブルーに白と淡いピンクを配した作品。透き通る色の重なりがきれいですね。

手前左の白い六角形の筒の作品。白い背景にブルーや白の繊細なオブジェクトが踊ります。

手前真ん中のブルーの六角形の筒の作品。 黒い背景の映像です。



とても繊細で、美しい映像に惹かれます。 
作家さんを直接には存じ上げないのですが、いつかお目にかかれればと思います。

 

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光と遊ぶ万華鏡

2010-12-15 23:08:40 | 万華鏡ブログ

今日から12月21日まで松屋銀座7階のアートスポットで開催中の赤津純子さんの作品展から、
新作 「耀(あかる)」をご紹介します。
オブジェクトセルに当たる部分は、ダイクロイックガラスと色ガラスを立体的に組み合わせています。
それで光はそれぞれの面から、異なった角度で中に入り込みます。

この万華鏡のユニークなところは、このオブジェクトセルにほとんどオブジェクトが入っていないこと。
上部の筒の形から推測できるように、ミラーは先細(テイパード)に組まれていますので、立体的な球状の映像が浮かび上がるのですが、この色はオブジェクトが作るものではなく、セルを構成するダイクロイックガラスから入る光が反射して色が生まれ、ミラーシステムに反射することで映像が生まれます。



唯一オブジェクトとして動きを見せるのが、透明なガラスの粒です。 表面に花が咲いたようですね。
光の当たる方向により、違った色に見えるというダイクロイックガラスは、ちょっと向きを変えるだけで取り込む色も変えるのでしょうか。 



同じ作品でも、さまざまに色を変えて輝きを見せるところに目を奪われます。
「光と遊ぶ」というのがぴったり感じられる万華鏡「耀」です。

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個性に新鮮さを加えて

2010-12-11 17:56:04 | 万華鏡ブログ

豊田万里さんが描かれるガラスの作品、最近は蝶や虫をテーマにしたものが多く、今回の4人展でも展示されていました。 以前にもご紹介したことがあると思いますが、虫の目をイメージして、ユニークなミラーシステムを組み込んでいました。
でも今回は「虫や蝶が苦手・・・」という方のためかどうかわかりませんが、同じタイプで雪の結晶(12月2日ご紹介)や蓮の花を描いた素敵な作品を見せてくださいました。 透明なガラスに絵を描いて、銀をのせているそうです。


オブジェクトはリボンを効果的に使っていて、とてもきれいな映像です。
下に見えているチェーンを左右に動かしてオブジェクトの動きを作り出します。
覗き口は3箇所で、それぞれに異なったミラーシステムです。


豊田さんが作り続けているレインボウシリーズも、相変わらずきれいでした。 
空色のガラスを使ったものは初めて拝見しました。 

ホワイトに虹色の作品では、今回3ミラーシステムで虹色が少し映りこむようになっていました。
白いオブジェクトが時々淡い色に染まるのがとてもきれいでした。

万華鏡のテーマに合わせて、何かしら工夫を凝らした映像表現を見せてくれる豊田さん。 
同じシリーズでもいろいろあって、興味が尽きない作家さんです。

 

 

 

 

 

 

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4つの個性あふれる万華鏡展から その4

2010-12-06 15:11:18 | 万華鏡ブログ

「アートの庭」で12月12日まで開催中の万華鏡作家4人展から、今日は小林綾花さんの作品です。 
万華鏡を製作し始めたのは2008年の夏だったそうですが、もともと金属工芸を学び、ジュエリー作家として活動をなさっていて、それらの技術を生かし、主に彫金の技法による、金属、天然石、樹脂などを用いた万華鏡を製作なさっています。  

字を彫りこんだ真鍮の筒、個性的な図案で飾られたアクリル製の筒、それらを手にしたときに感じる味わいというか、小林綾花さんの世界の一端。 とても興味深いです。
そして何よりも、独特の輝きを持つ映像が魅力だと思います。
最初の作品は「Monlam モンラム」というタイトル。 ご自身が興味を持っているチベットの言葉を筒に浮き上がらせました。 綾花さんの感動や祈りが刻まれているのでしょうか。



カットされた天然石やスワロフスキーを使っているそうですが、とにかく輝き方が素敵なんです。



垣間見える鮮やかなターコイズブルーも印象的でした。

次は「Twinkle 星の海」という作品です。 真鍮に星の名前を刻印しています。



中にはきらきら宇宙が展開します。 
同じシリーズでも一つ一つ違っているので、「それぞれの宇宙」です。

最後に「虹の星」という作品です。虹のような色合いに描かれた蝶。きらきらしてとてもきれいです。



小林綾花さんは、天然の石をオブジェクトに使っています。 
「ものすごい悠久の時を経て地球に育まれた石達って、それぞれいろんな力を持っていると思う」(ご自身のブログより) そう思いながら、万華鏡に詰めていらっしゃるそうです。 小林さんの万華鏡を覗いて、感動や元気をもらえるのは、作家さんのそんな思いがあるからなのでしょうね。 

Comments (2)
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4つの個性あふれる万華鏡展から その3

2010-12-05 21:51:24 | 万華鏡ブログ

アートの庭で開催中の4人展から、今日は細野朝士(ほそのともお)さんの作品をご紹介します。
ステンレスや真鍮のシンプルなデザインの筒に、2ミラーや3ミラー、ポイント数などを多彩に取り揃えての出品です。またミラーシステムにこだわったテレイドスコープもあります。

 


それらの最大の特徴は、偏光万華鏡であることです。 偏光フィルターを通して、透明なオブジェクトが思いがけない色を生み出す偏光万華鏡ですが、細野さんの作品は、その色彩の美しさに定評があります。 こちらは2ミラー4ポイントの映像です。

 

背景に使う素材を変えることによっても、映像の雰囲気が変わります。 そして、たとえ同じ筒、同じミラーシステム、ポイント数でも、やっぱりひとつずつ、同じものはないのが万華鏡の面白さです。 こちらは3ミラー(30度ー60度ー90度)による映像です。



色のないオブジェクトから色を生み出す光の不思議と醍醐味を味わえる作品です。

 

細野さんは以前、このような木とステンレスの筒を組み合わせてとてもユニークな作品を創っていました。
また、下のようなテレイドスコープも展示してありました。  細野さんの作品は海外でも評価が高く、これらの作品に興味を抱いた海外のアーティストの方たちから、問い合わせを受けたこともあります。



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4つの個性あふれる万華鏡展から その2

2010-12-03 21:34:11 | 万華鏡ブログ

「アートの庭」で開催中の万華鏡展「4つのカタチ」から、今日は佐藤元洋さんの作品をご紹介します。
美しいピンク色の作品は「桜霞」というタイトルどおり、中も本当に美しい桜の花ざかりです。ピンクのグラデーション、繊細なオブジェクトの表情・・・うっとりとしてしまいます。 先端部のオブジェクトセルの回転がとても滑らかで心地よく覗けるということも嬉しいですね。 


そしてこの万華鏡には素敵な桜の飾りが付いています。銀線細工のジュエリー作家、園田知暁さんによる桜の花。 さりげなく飾られています。

 

 

佐藤さんは今年7月に仙台、秋保温泉に吹きガラス工房「元」をオープンされ、地元に腰を落ち着けての制作活動を開始されました。 工房では吹きガラス体験もできるそうです。 仙台万華鏡美術館の近くです。 そして秋に咲くめずらしいひまわり畑の隣です。秋保温泉にご旅行なさる機会がありましたら、ぜひたずねてみてください。 佐藤さんの出来立ての作品もあるかもしれません。

そして一番上の写真、右のほうに並んでいる作品の中にも桜がありました。 黒い背景の「夜桜」です。 こちらもとても素敵な映像なのでご紹介します。

 

ブルーのさわやかな印象の作品は、「凪」というタイトルです。 吹きガラスならではの自由な造形を生かしたスタンド部分の透明感がすがすがしくて美しいです。

 

 

先端のオブジェクトセルは、滑らかに回転し、中のオブジェクトが軽やかにぶつかり合う音も心地よい万華鏡です。 そして内部には、またも繊細で優雅な映像展開。 素敵です。

 

 

小さなオイル入りの作品、手持ち型のドライタイプの作品、そしてパーラータイプの作品、いずれもガラスならではの美しさと堅牢さを兼ね備えています。 
ガラスを吹くという作業は、万華鏡製作にとっては、ほんの一部の過程であり、そこから、万華鏡という作品に仕上げるそれぞれの工程にも、またこだわりを持って、佐藤さんは多くの作業をこなしています。 それらの凝縮した作品と知れば知るほど、ますます魅力を感じる万華鏡です。

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