万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

グレイス Grace

2017-08-19 15:14:30 | 万華鏡ブログ

覗いた瞬間に惹き込まれました。 繊細な模様、美しい色、優雅な動きに完成度の高さを感じた「Grace(グレイス)」という万華鏡です。制作したのはGlass Nique 工房の梶原さんご夫妻。 この工房名で制作を始めた当初から、いろいろ工夫を凝らしてオリジナリティのある、それでいて親しみやすい作品を生み出してきました。 

筒はガラス製ですっきりとしたデザインです。オイルセルの中には外から見ると、やや黄色味を帯びた透明なオブジェクトが重なり合って浮かんでいます。

覗くと青く見えるのが不思議です。白いラインやダイクロイックガラスのオブジェクトも効果的に使われていてとても美しい色模様です。

私が感じたのは、背景の黒い部分が深い澄んだ色であること。 そこに映し出されたオブジェクトがさらに美しく見える気がします。

梶原麻衣さんが万華鏡を創り始めた頃から存じ上げていますが、しっかり万華鏡について学ばれて、ガラス工芸の技術を身につけて、素敵なパートナーと一緒にこんなに素晴らしい作品を創られるようになったのだなあとその過程を想うと感慨深いものがあります。

プロダクションタイプで、誰でも手に入れることができそうなシリーズですが、一つ一つ丁寧に心を込めて創っていることが伝わってきます。 ご自分が万華鏡と出会った時の驚きと喜びを多くの方と分かち合いたい気持ちが感じられ、私も強く共感します。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブルー・サンライズ Blue Sunrise

2017-08-17 22:14:26 | 万華鏡ブログ

京都の万華鏡世界大会の折、スー・リオさんがワークショップを行ってくださった間に、作家ブースのお留守番をしておりました。お客様に彼女の作品を紹介しながら、その魅力に私も大いに惹かれました。光を通してみるガラスオブジェクトの深い色味に吸い込まれそうになったり、キラキラした輝きに目を奪われたり、オブジェクトを回すたびに目の前に展開するダイナミックな映像展開は、彼女ならではのものだなあと改めて思いました。

今回ご紹介する「ブルー・サンライズ」はボディーに選ばれた美しいガラスから名付けられたものです。表面は緩やかなカーブに加工しています。オブジェクトは先端部のシリンダータイプ。 ダイクロイックガラスを含む様々なガラスジュエルがちりばめられています。
後ろ側にはこの万華鏡を支える脚がついていますが、こちらもきれいな曲線で、全体に優雅な雰囲気になっています。

アイホールが3か所あり、それぞれが違ったミラーシステムなので、まったく別の模様が見えています。
まず中心のアイホールからは正三角形のミラーシステムを通して視野いっぱいに正三角形の模様が見えます。

左側は5ポイントの2ミラーシステムです。

そして右側は二等辺三角形の3ミラーシステムで中心になるのは5ポイントの映像ですが、その周りにも模様が展開します。左右対称の覗き口には、同じ角度で組まれた2ミラーと3ミラーが配されているのですね。

彼女のスタイルである外も中もガラスの美しさを引き出して表現する万華鏡です。
それに加えてパティーナを施したハンダの色は真鍮のワイヤーとコーディネートされ、飾りハンダやガラスジュエルで覗き口を飾るところなどに女性らしいあしらいがあって素敵だと思います。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

赤い実 細井厚子さんの陶器万華鏡

2017-08-07 16:58:35 | 万華鏡ブログ

柔らか味のある白地に赤い実を描いた細井厚子さんの陶器の万華鏡です。彼女のガラスの作品ももちろん素敵ですが、陶器の作品はまた別の味わいと”らしさ”がありますね。飾り過ぎない模様に細井さんらしさを感じます。あまり目立たない覗き口に赤い色があしらわれているのが、ちょっと楽しいです。

細井さんのオブジェクトセルはとてもオブジェクトが少ないのが特徴です。 くるくる回しながら映像の変化を楽しむのではなく、ゆっくりとオブジェクトが上から下へ流れるところを筒を回さずに待ちながら見るのです。静かな時間、ゆったりとした流れを楽しむ万華鏡です。

最初は黒い空間が多いけれど、まさにそこから生まれてくるように模様が浮かび上がります。

テーマの赤い実が映像のアクセントになっています。

黒い背景に、次に浮かび上がる模様を静かに待ちながら、細井さんの万華鏡の中で生まれている映像との出会いが特別愛おしく感じられるのは、何故だろうといつも思うのです。 

劇的な映像の変化を楽しむ万華鏡もあれば、ゆっくりと無の空間の中に色模様を待ちのぞむ万華鏡もあることをお伝えしたいと思います。もしかしたら日本人の感性なのかなと思いましたが、この間の万華鏡世界大会で、海外の方にも評価されていましたので、嬉しい気持ちになりました。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ポルカドットは水玉模様

2017-08-05 21:27:48 | 万華鏡ブログ

中里保子さんの「ポルカドット」をご紹介します。 水玉模様の浮き上がった黒いガラスを側面と底面に使っていることからこのタイトルになりました。トップの黒いガラスには輝くアクセントが3個焼き付けられています。お洒落ですね。

筒の断面は長方形ではなく、台形になっています。側面のガラスに少し傾きがあるのも、遊び心みたいな味がありいいなと思いました。厚さの薄い筒の中に狭い角度に組んだ2等辺三角形のミラーシステムが入っています。このミラーシステムは映像に大きな広がりができるのが特徴です。

「ポルカドット」のオブジェクトセルに入っているオブジェクトの色合いは、一点ずつ違うのですが、ご紹介するこの作品はかなり鮮やかです。

透明なガラスの筒の中に浮かぶオブジェクトを外から見ると、バーナーワークで作られたガラスオブジェクトが、大きいもの、細長いもの、ねじれのあるものなど見えています。加えて細いメタルオブジェクトやダイクロイックガラスのオブジェクトが組み合わされ、それらがとても素敵な映像になるのです。オブジェクトの大きさ、形、バランスがよく考えられていて、ランダムな映像でありながら、繊細な美しい模様を見せています。

中里さんらしい赤、緑、青、黄色の使い方も特徴があります。 補色というのでしょうか、引き立てあっている感じがします。そして多彩な色を使っているので、セルを回すごとに映像の変化も大きく、その模様に目を奪われる展開です。

オイルセルのみずみずしさと透明感もとても気持ち良いのですが、写真でお伝え出来ないのが残念です。
黒い筒の中に広がる色鮮やかな世界に”ワンダー”を感じる万華鏡です。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花一輪

2017-08-04 18:02:13 | 万華鏡ブログ

松田晃江さんの「花一輪」 というタイトルの可愛らしい万華鏡をご紹介します。 トールペイントによる図柄の作品です。手作りのポーチが付いていて、入れて持ち歩くことができます。

はんだの仕上げなども手をかけていて、小さいけれどきれいにまとまった万華鏡です。

そして中にもきれいな花が咲きます。透明なガラスオブジェクトが和紙を背景に魅力的な映像を生み出します。

 

松田さんは、日本人の手に合ったようなサイズで、いろいろな和のセンスを万華鏡に活かしています。そんな中でこのトールペイントで装飾した筒はあまり見たこともなく、新鮮さを感じました。

白い背景に透明感のあるガラスオブジェクトはとてもよく映えます。この間の京都での万華鏡世界大会でも和紙の白い背景に繊細で透明感のあるガラスオブジェクトが美しい模様を作っていました。 黒い背景とは違った雰囲気になりますね。

 オーソドックスな2ミラ-7ポイントの映像はデザインとしてもまとまりがあります。筒を回すたびに生まれる爽やかで潔い映像に心惹かれます。
今回は写真を少し大きくしました。細部まできれいに見えると良いなと思います。いかがでしょうか?

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Starburst  輝く星

2017-08-01 19:09:47 | 万華鏡ブログ

黒地のガラスにダイクロイックガラスをフュージングして、星型の輝きを表す模様を特徴としています。チャールズ・カラディモスさんの新作 "Starburst"です。限定版(8個)シリーズのひとつですが、手作りであり、模様の形、色合いなど同じものはありません。ダイクロイックガラスなので光の当たり方、見る人の見方で色合いが変わります。

 

テイパード2ミラー・ドライセルの基本スタイルは変わりませんが、背景のガラスに今回使っているのは、半透明のガラスで、虹色光沢が施されたものです。映り込む映像に何気なく影響を及ぼします。

14ポイントのシンメトリーですから、ミラーの角度はかなり狭く、アイホールからデジカメで撮影しても完璧な円状の映像は写せませんでしたが、・・・・

スマートフォンで撮影すると、欠けることなくきれいな映像が写せます。

ガラスの粒を閉じ込めたドライアンプルがオブジェクトとして魅力的です。ランプワークを施したガラス細工と組み合わせ、複雑でランダムな映像が生まれるように工夫しています。

ドライセルの心地よい音を聞きながら、千変万化の映像を楽しむのがカラディモスさんの作品の楽しみ方。オーソドックスで万華鏡の原点のような映像表現の中に、新しさを加えながら、現代的な感覚を見せてくれるところが素敵だなと思います。

これらの静かな映像を見てきれいだなと思ってくだされば嬉しいですが、覗いて見る実物はもっと 生き生きとしていることもお伝えしたいと思います。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする