有明山に抱かれて   

Uターンして始めた田舎暮らし。

ハチミツ色のファンタジー

2017-03-18 | 


 ファンタジー作家の小林栗奈さんの本です。

 昨年の九月に刊行されました。

 そして、四月に続編が刊行されるんですって。

 おめでとうございます、栗奈ちゃん。



花が咲き蜜蜂が飛びかう美しい村に紛れ込んだ

トコネムリ という奇妙な病。

病にかかったものは、眠り続け、やがて死んでいく。

利き蜜師の仙道と弟子のまゆは

この不思議な病を運んでくる銀蜂の謎を探るため、

蜂蜜を媒介に、時間と記憶の旅をする。

次々と解き明かされていく、過去の人と人の繋がり。

蜂蜜の中に閉じ込められた時間に飛び込み、過去を旅するシーンは

美しさと神秘性に満ちています。

蜂蜜の壺が、太古の虫を閉じ込めた琥珀の妖しさ、美しさと重なりました。

無垢なまゆの存在が、人の心を溶かしていくのは

純正の蜂蜜を味わった豊かな気分と似ています。


新たな予感を残して、一巻は終了したので

二巻の発売が待たれます。


栗奈ちゃんと初めてお会いしたのは

蜜蜂が飛びかう養蜂場。

美しい鏡野。

あの日、この美しい物語の種が生まれたことを知って

心がじんとしました。