ファンタジー作家の小林栗奈さんの本です。
昨年の九月に刊行されました。
そして、四月に続編が刊行されるんですって。
おめでとうございます、栗奈ちゃん。
花が咲き蜜蜂が飛びかう美しい村に紛れ込んだ
トコネムリ という奇妙な病。
病にかかったものは、眠り続け、やがて死んでいく。
利き蜜師の仙道と弟子のまゆは
この不思議な病を運んでくる銀蜂の謎を探るため、
蜂蜜を媒介に、時間と記憶の旅をする。
次々と解き明かされていく、過去の人と人の繋がり。
蜂蜜の中に閉じ込められた時間に飛び込み、過去を旅するシーンは
美しさと神秘性に満ちています。
蜂蜜の壺が、太古の虫を閉じ込めた琥珀の妖しさ、美しさと重なりました。
無垢なまゆの存在が、人の心を溶かしていくのは
純正の蜂蜜を味わった豊かな気分と似ています。
新たな予感を残して、一巻は終了したので
二巻の発売が待たれます。
栗奈ちゃんと初めてお会いしたのは
蜜蜂が飛びかう養蜂場。
美しい鏡野。
あの日、この美しい物語の種が生まれたことを知って
心がじんとしました。