有明山に抱かれて   

Uターンして始めた田舎暮らし。

道(タオ)

2016-04-29 | 日記



朝、二階の窓から西の山を見る。


  ここ数日、加島祥造さんの「タオ」を読み返していた。

  「老子までの道」
  「タオ」
  「タオにつながる」



空を見る。山を見る。
空と山に包まれる気持ちが
以前よりいっそう強くなる。

雪の山も、緑の山もそれぞれ美しい。



「『汚い』があるから『美しい』が在るのさ」
        
           加島祥造

 天と地が生まれて
 物に名がついたわけだが
 名とは
 物の表っ面にただ張りついているだけなんだ。

 美しいと汚いは
 別々にあるんじゃあない
 美しいものは
 汚いものがあるから
 美しいと呼ばれるんだ。

 善悪だってそうさ。
 善は
 悪があるから
 善と呼ばれる。
 悪の在るおかげで
 善が在るってわけさ。
 同じように
 ものが「在る」のも
 「無い」があるからこそ在るといえるんでね。
 お互いに
 片一方だけじゃあ、けっして存在しえないんだ。

 (中略)

 だから
 道(タオ)の働きにつながる人は
 知ったかぶって
 美醜善悪を手軽くきめつけたりしない。
 ものの中にある自然のリズムに任せて
 手出しをしない。
 すべてのものは生まれでて
 千変万化して動いてゆくんだからね。

 このタオの
 ほんとうのリアリティを受け入れる時
 人は
 何かを造り上げても威張らない。
 成功しても
 成果を自分のものにしない。
 自分のものだと主張しないから
 かえって人から忘れられない。そして
 だれもその人の成果を
 奪い取ろうとしないんだ。

  






 夕刻、二階の窓から東の空を見る。

 ふたつのおなじ空。

 

雨の日の小人

2016-04-26 | 日記



静かな緑の雨の中を

遠くのほうからやって来る

色とりどりの小人たち。

何かうれしいものを運んでくるみたいに

足取りは軽い。



かっぱにすっぽりつつまれて

雨の中もまたうれし


ああ、でもわかってる。

雨の日の通学って

めんどうでいやだったな。

遠い道を歩くの。

景色も白いきれをかぶったみたいにぼやけてるし

道草もできないし。

それでも歩いてるうちに

光る小石やしずくの踊りや小川の渦巻きなんかを見つけて

いつか、学校についているのだったっけ。

ずぶぬれ のことを「ずくぬれ」という方言で呼んでいたの、不意に思いだした。




  おまけ



 きのう温泉の庭で咲いてたシャクナゲです。




思いがけないできごと

2016-04-25 | 
何度か玄関先に飛んで来て

家の中まで様子を確かめに来たツバメ。

巣を作ってくれないかなあ。

カラスもいるし、猫もいるし…無理かなあ。

安心しきって、すーっと玄関でUターンしては挨拶を繰り返すツバメに

みんなで見とれていたのが昨日のこと。


同じツバメかどうか(多分同じツバメです)

うなっている猫の口もとから奪い取ったとき

もう小さな体はぐったりとして動かない。

信頼してやって来た鳥を守れなかったことと

猫の本能を目の当たりにしたことと

それをただ受け入れるしかないことに

心が波立つ。

花の中にツバメをそっと置いた。



きのう飛び回っていたにぎやかな鳥たちは

一羽も姿を見せず

ツバメの悲鳴を聞いて、どこかで息をひそめているのか

マザーグースの歌のように、弔いの準備をしているのか



あまりにもまぶしい春の光の中。

暗い土に戻すのは忍びなくて

青い草の匂いの中で、小さなお弔い。


遠い海を渡ってやって来た小さな鳥。

人を信じる心を持った鳥。

安らかに。




しろかき

2016-04-24 | 日記


 南側の田んぼで、水を入れ始めました。


 「おうちの前に湖ができた!」とシロがびっくり。


  午後には代掻きが始まりました。

  水の上はにぎやか。

  カラスにツバメにセキレイにムクドリ。

 

  鳥の気配をかぎつけて、猫も土手をうろうろ。
  うろうろしても、鳥には手が届かない。

 

 
    ずいぶん人くさい顔つきの猫さんです。
 

 
   カモたちもやって来た。



 

   野鳥観察中のミヨコさん。


   つがいのカルガモでした。



 今日は陽が射してあたたかだったので、庭の花もうれしそうです。

 








観察会

2016-04-23 | 日記
今日は楽しみにしていた「カラスの学校」の

オオルリの観察会でした。

腰痛のわたしはお留守番。

夫がいくつか写真を撮って来てくれました。

残念ながら、オオルリの写真はなし。

姿を見せてくれたオオルリはまだ若い鳥で、完全な青い色ではなかったとか。


いつか見に行けるかな。母は何年か前に家の近くで見たそうです。

飛んできてくれることもあるのかしら、青い鳥。






    烏川渓谷の流れ


    シダの若芽


    ネコノメソウ


     キランソウ




     花盛りの木


     かんざしみたいです。

  


 岩の上のキセキレイ





欲張らずに!

2016-04-23 | 日記


  今日はとてもいい天気でつばくろの峰が輝いています。

  久しぶりの更新。

  ご心配メールをいただいて、ありがとうございました。

  「更新がありませんが、腰でもいためましたか?」にはびっくり。

  図星です。


  先週の日曜日、腰がピンと伸びたまま、曲がらなくなってしまいました。

  イスに腰かけると飛びあがるほど痛くて……。

  
  痛み止めとシップとコルセットのおかげで、今は90パーセントくらい元通りに。
  
  家族に大迷惑をかけてしまいました。


  以前にも同じことがあって、そのときは整骨院に行きました。

「どんなことを心がけて暮らしたらいいですかと聞いたら、
  
  ガンジーみたいなそこの先生がたったひとこと

  「欲張らないこと」とおっしゃったのです。

そのときは、ぐさりと心に響いて、「欲張らないように暮らそう」と決心したのに

またまた同じことの繰り返し。




横になっていると、本を読んだり、ちょっと刺繍をしてみたり、そんなことくらいしかできなくて…

あ、また、あれこれしなくちゃの欲張り虫になってる。


おとなしく、ゆっくり、体を休めよう。






わたしが寝ている間に畑では……



  潅水用のため池と小川が完成



  タラの芽の収穫



  つぎつぎと発芽(これは、ズッキーニです)



  農家の猫らしく
  シロはコンバインの上で昼寝。



  クロは久しぶりに、癲癇の大発作を起こしました。

  
 そして、

はるか房総の地から、うれしい贈り物もありました。

アイヌ刺繍家の四辻さんから、美しい本が。





 長野の「まぜこぜ」でお会いしてから、ずいぶん日が経ったような気もします。
 
 アイヌの文様の中には、わたしには読めないけれど感じることのできる

 道しるべが隠れていて、それを辿っていくと、深い森の中に分け入っていくような気分。




 美しいものからはやすらぎを

 言葉からは元気をもらえます。

  







  

野菜の植え付け

2016-04-14 | 


 今日はナスとトマトの苗を植えました。



 カボチャ、メロン、小玉スイカの種もまきました。



  畑の総監督、キイさん。


 日の入り前の雲がとてもきれいでした。










   三本杉の上には、薄い色の半月





   あったかくなったので、みんなコタツから出てひなたぼっこの一日でした。

   明日はまた寒くなるのだとか。

   苗が心配です。


ツマキチョウ

2016-04-12 | 



紫陽花の葉っぱに止まっていた、葉っぱそっくりなチョウチョ。

みれば見るほど葉っぱにそっくり。

すばらしい擬態。美しい模様。

新種の蝶かと思いましたが、

ちゃんと名前がありました。

ツマキチョウ。 オスは開いた羽のツマに黄色い模様があるそうです。





きのうの雪にはびっくりでしたが

今朝は霜が降りたものの、日中はあたたかくなりました。


  ベランダで猫干し


  タラの芽、一番芽、ぴっかぴか。


  タンポポ


  プルーンの花



   お湯を沸かす横でシロもお茶の番

   一年生が、お母さんといっしょにあぜ道を帰ってきた。




   きのう、佐倉のお豆腐やさんから
   お揚げとタケノコをどっさりいただきました。
   お稲荷さん作りました。




   春の小川はさらさら行くよ。

   この歌の歌詞が実感できる野の一日。

   田んぼが始まって、どの小川も水をたたえてさらさらと唄っています。

春しごと

2016-04-10 | 


  今日はジャガイモの苗の植え付けでした。

  

  植えているのはメークイン。

  キタアカリとアンデスレッドも植えました。
  
  種イモは切ったものと丸ごとを、両方、実験的に植えました。

  どんな結果が出るのかしら。



  凝り性の夫による、小さな木札も立てられました。


お隣の田んぼではトラクターが田起こし中。うちのカラスが、あとをついて回っています。






  ムクドリがせっせと巣の材料を集めていて
  見ていたら、二本も三本もくわえて、もういいだろうと思ったら
  四本目をくわえて……


  飛びたちました。欲張りなムクドリだな。


  キイさんは畑でずっと、モグラを狙っていて……すごい真剣な目つき。


  あ、捕まえた! と思ったら空ぶりでした、残念。


  それを見ていたシロ、あやしいまなざし。


   どうしてもお互いが気になるふたり。


畑の中は、野菜も次々仕込まれていますが

花も次々に咲きはじめました。








  
外猫さんたちも元気ですが
おうちの中の猫たちもそれぞれに元気です。




    きのうの桜。   
 

   山麓線の桜…今が盛り。
   陽が沈む前の、やさしい光のなかで。





さくらさくら

2016-04-09 | 日記


   桜の思い出は尽きない。

   ひとは心の中に桜の思い出をいくつもいくつも積み重ねていく。

   楽しい桜、哀しい桜、さみしい桜、にぎやかな桜…

   どんなに華やかでも、桜の思い出だけは
  
   思いだすたび、ちょっとだけ寂しさをまとってよみがえる。


   今年の桜。

   田んぼの近くの、開墾の碑の前にて。

   広々した場所に、大きな木が三本。

   山なみがよく見える。

   今年のお花見はここで、と前から決めてありました。


   お弁当を食べてのーんびり。
   
   昼寝を始めた夫。

   だれも来ないと思っていたら…


   犬のふうたくん



   「写真撮ってもいいですか?」とふうたくんのご主人(カメラマン)。
    モデルになってるミヨコさん。
    いろいろお話していたら、思いがけない展開に…。
    ひとの出会いは不思議なもの。



    そして、ドライブしながら安曇野の桜めぐり。

    ここは、菩提寺の青原寺さまのお庭です。



    枝垂桜がみごとでした。


    蓮池には懐かしいこんなものが。
    子どもの頃、学校帰りに手ですくっては家に持ち帰っていました。

    カエルの卵です。


    家の桜もささやかに満開。