ずっと気になっていた「飯沼飛行士記念館」へ。
病院へ見舞いに行く足で、ほんの短い間でしたが寄ることが叶った。
飯沼飛行士は、昭和12年、東亜連絡大飛行で
東京ロンドン間15357キロを51時間19分23秒という
当時としては驚異的な世界記録で成し遂げた、世界的なパイロット。
館には飯沼さんが記録を打ち立てた純国産機「神風」の模型が飾ってありました。
たくさんの新聞記事とパネル写真
そしていくつかの、模型と。
展示品は地味です。でも当時の国民の熱狂ぶりが伝わって来ました。
記事をじっくり読んでいる時間がなく残念でした。
館内には、朴訥な説明のアナウンスが流れましたが。
一緒に見ていた息子が吉田茂首相と並んでいる写真をみて「26才とは思えない顔つき」と言いました。
記録を打ち立てたのが26歳の時
昭和16年、太平洋戦争で、29歳の若さで戦死。
となりは飯沼飛行士の生家で、中はやはり展示室です。
数メートル離れた猫カフェには人がいっぱいいたのに
こちらの館にはだれもいませんでした。
太く短く生きた青年の足跡を残した、小さな記念館。
地元にこんな人がいたことを、わたしも長い間知らずにいた。
戦争が残した小さな傷がここにもひとつ。
昨日の安曇野は雲が多く、朝さしていた日が、夕方には冬色の寒い陽射しに変わりました。
息子にフランクルの「夜と霧」を貸す。
本から受け取った言葉が届いて、本の持つ力の大きさを改めて思う。
フランクルもまた、戦争の犠牲者。
残してくれたものがあるから、わたしたちはそれを道しるべにして、迷うことのないように……