有明山に抱かれて   

Uターンして始めた田舎暮らし。

栄光と傷跡と

2017-01-30 | 日記




 ずっと気になっていた「飯沼飛行士記念館」へ。

 病院へ見舞いに行く足で、ほんの短い間でしたが寄ることが叶った。



 飯沼飛行士は、昭和12年、東亜連絡大飛行で

 東京ロンドン間15357キロを51時間19分23秒という
 
当時としては驚異的な世界記録で成し遂げた、世界的なパイロット。



 館には飯沼さんが記録を打ち立てた純国産機「神風」の模型が飾ってありました。

 たくさんの新聞記事とパネル写真

 そしていくつかの、模型と。

 展示品は地味です。でも当時の国民の熱狂ぶりが伝わって来ました。


記事をじっくり読んでいる時間がなく残念でした。

 館内には、朴訥な説明のアナウンスが流れましたが。




 
 一緒に見ていた息子が吉田茂首相と並んでいる写真をみて「26才とは思えない顔つき」と言いました。

 記録を打ち立てたのが26歳の時

 昭和16年、太平洋戦争で、29歳の若さで戦死。




 となりは飯沼飛行士の生家で、中はやはり展示室です。


 数メートル離れた猫カフェには人がいっぱいいたのに

 こちらの館にはだれもいませんでした。


 太く短く生きた青年の足跡を残した、小さな記念館。

 地元にこんな人がいたことを、わたしも長い間知らずにいた。

 戦争が残した小さな傷がここにもひとつ。

  
 

 昨日の安曇野は雲が多く、朝さしていた日が、夕方には冬色の寒い陽射しに変わりました。

 息子にフランクルの「夜と霧」を貸す。

 本から受け取った言葉が届いて、本の持つ力の大きさを改めて思う。

 フランクルもまた、戦争の犠牲者。

 残してくれたものがあるから、わたしたちはそれを道しるべにして、迷うことのないように……

 
 

 

 

次元間移動

2017-01-23 | 
「なつかしく謎めいて」という邦題がちょっときにいらなかったけれど、とても面白かった。

 日本では「ゲド戦記」で有名なアーシュラ・ル=グウィンのSFファンタジー。



シータ・ドゥリープ式次元間移動法 が発見されたおかげで

人々は自由に次元間移動ができるようになった。

といってもそこには条件があって

強い苦痛、消化不良,退屈という三つの組み合わせが必要になる。

この三つを満たしているのが、空港での乗り継ぎの待ち時間。

この本に納めらているのは、異次元への旅行者たちの旅行記、体験談、レポート。

「玉蜀黍の髪の女」「眠らない島」「不死の人の島」は科学の力を過信し濫用した人類の愚かさを。

「アソヌの沈黙」「「謎の建築物」「四つの悲惨な物語」は侵略と争いの愚かさを

「グレート・ジョイ」は資本主義の末路を。

と言うようにそのどれもが奇想天外な設定でありながら、見知ったどこかの国の歴史のようでもある。


解説に「ギフト」の続編を執筆中と書いてあり

うれしくなった。


人の感情「怒り」「歓び」「安らぎ」「不安」「哀しみ」…が世界を作っているのであり

建築物、便利な道具は世界を構築するための補助的なものに過ぎない。

世界を元通りにするのは、人の気持ちをまっすぐにするのが先ではないかなと

この本を読みながら考えた。





メイ・サートンの自然描写はとても美しく

読んでいて気持ちがよかった。

七十代という未知の世界での心構えをたくさん教えられた。

日本的な年の取り方は

景色の中に溶け込むような、やわらかな感じがあるけれど

サートンのような生き方は

しっかりと自分の色を保って風景を支えている、そんな感じがした。

気に入った言葉をいくつもノートに書きとめました。

猫のブランブルと犬のタマスの姿が目に焼き付いている。









寒さも本番。

2017-01-23 | 日記


毎日毎日、凍みわたって、透きとおる朝です。



刺すような南風が吹いて、木の枝に張り付いた氷のかけらをキラキラと吹き飛ばす。


 
畑の中に足跡を発見。コンポストにむかっている、大きい足あと。

猫ではない。キツネ? タヌキ?



庭には、腹すかしのネコがやっては来るけれど。 


 枝に突き刺しておいたリンゴも、いつの間にかなくなっていた。



朝陽は寒ければ寒い分、美しい。



先日の豆腐作りのとき戴いたおからで、おからクッキーを焼きました。

中に胡桃を入れて。

味噌と豆腐

2017-01-17 | 日記
土曜日から三日間かけて、

夫と二人で

味噌と豆腐作りの講習会に参加しました。



ものすごい量の大豆です。


大きな圧力釜で煮ました。


麹を作るところから。



洗った米を蒸して、麹菌と混ぜ、発酵させます。




二日目は作業の合間に

豆腐作りも。





出来立ての豆腐は

とてもおいしかったです。





雪の中での講習会。

仕込んだ味噌は20キロ分けてもらい

わがやの漬け物小屋の中で冬眠に入りました。

麹造りは初めて。大量のお味噌を機械を使って仕込むという初めての体験。

なんどか講習を積めば、味噌つくりのリーダーになれるのだそうです。

志の高い方が多く参加していました。

わたしたちは、自給自足ができれば、それで満足かな。






冬型

2017-01-11 | 日記
ぐっと冷え込んだ朝。

美ケ原の塔の上が真っ赤に朝焼け。



光を孕んだ雲。美しすぎてこわいような朝焼けの色。

こんな朝焼けの朝は、風が吹くよ、とミヨコさん。



有明山にも、光が反射して、やがて日が昇りました。



昨夜はクロが発作を起こし、大騒ぎでした。

日中も、なんどか、軽い発作。

つらそうです。




今日は夕焼もきれいでした。





そして、まるい月が昇りました。


「土の記」の上巻を読み終わり、

飴玉をしゃぶるように大事に読んでいるメイサートンの「70歳の日記」もあと少しで終ります。








歩く

2017-01-10 | 日記
朝日を見がてら

ごみを捨てがてら

散歩をした。集積所までは800メートルほどで

いつも車を使うのだけれど。



東の空は既に明るみ。雲の稜線が輝いていた。



有明山は桃色の雲にすっぽりとくるまれて、幸せそうな感じ。



雲の間から、雪を積もらせた前山が見えた。



カラスが、一羽、二羽と東山のねぐらから西に向かう。

出勤? いやいや、出動? いやいや、もっとのんびりした適切な言葉はないかな。



積もった雪はだいぶゆるくなって、朝陽に輝く。

そこにはたくさんの足跡。

寒い夜も、獣たちはうろつきまわっているということだ。

いつか間近でキツネを見てみたい。


今日は買い物も徒歩だった。

健康的な一日。




雪のち晴れ

2017-01-09 | 日記
朝方になって降った雪は、重い重い雪でした。



積雪、約二十センチ。

朝から雪かき゚で汗をかきました。



杉の木のてっぺんでカラスが見ていました。



キイさんの足跡。

雪の日も、キイは外歩き。



そして、午後になって陽射しがあふれると、ひなたぼっこ。





光があふれるとお部屋の中は春みたいです。


今日は歩いて、チルアウトさんまで。

親戚のjちゃんと待ち合わせ。

三九郎

2017-01-08 | 日記



 今日は三九郎でした。

 松飾や書初め、柳の枝に刺した色とりどりの繭玉…

 田んぼに次々と人が集まりました。




  パンパンと破竹の音

  もくもくと煙

  空を焦がしそうな炎

  一年の無病息災を祈りました……

 
 
  今年初めての行事なので
  新年の挨拶が飛びかいました。


  冬枯れの田んぼに咲いた繭玉の花。
   
  

  
  
  午後は図書館へ行って高村薫さんの「土の記」を借りてきました。

  今読んでいます。

  そして、夕方からは雪。

  新聞やさんのためにさっき雪かきをしましたが

  まだ積もりそうです。

  どうやら明日は、あさイチで雪かき゚!!    

 

からっぽのシーソー

2017-01-08 | 日記



 散歩の途中で立ち寄った、公民館のシーソーです。


 冬休みにヤーマとタマちゃんとshihoと乗りに行きました。

 ふだんはからっぽの公園。

 久しぶりに人を乗せたのか、シーソーは春のようにはずんで

 わたしたちは空を飛んでいるみたいでした。

 わたしとshihoは笑いが止まらなくなり

 子どもたちは、興奮しておどけまくり。

 でも、寒いのと酔いそうになったのとで

 「もう帰ろう!!」と車へ戻った。

 シーソーに残って帰ろうとしないヤーマ。

「帰るよ」「「やだ」

 挙句に、すごい迫力で怒りだす。

 根負けして

 戻って、もうひと遊びしました。

 寒かったけれど、やっぱり、笑いが止まらなくなった。
 そしてしばらくして帰りました。


 そのときのことを今、じっくりと考えている。

 あの時は、ヤーマのわがままだと思っていたけれど

 あんなに楽しいことを、突然、断ち切ったのは、大人のわがままだったかもしれないなあって。

 
 からっぱの公園のシーソー。

 シーソーもきっともっと遊びたかったんだろう。

 人恋しそうに見えます。




昨日は、久しぶりに歯医者にも行った。

奥歯の詰め物がぽろっと取れたから。

治療を受けたら、虫歯も見つかった。

わたしの奥歯は、子どものころの虫歯の治療で銀色に光っている。

ヤーマとタマちゃんが会うたびに、「口の中見せて」という。

あーんと口を開けるとしばらく見ている。

「これ、どうしたの?」

「これはね、チョコレートの食べ過ぎと歯磨きをさぼったからよ」

と魔女の声で歯科指導をする。

虫歯が増えたので、こんど二人に会って口を開けるのが楽しみ。

散歩

2017-01-07 | 日記
上京する夫を駅まで。

放射冷却で冷え込んだので、車を解凍して、震えながらのドライブ。

でもこんな日は、きっと美しい朝になる。


「やるべきことをすべてわきに置いて、この美しい場所に暮らしていることの歓びを味わう時間を三十分だけもつこと」
 今年は意識的に朝と夕方と、カラスのように、お日さまに感謝の気持ちを伝えたい。






  小川の氷柱


  山はきれいでしたが、カメラではどうしてもとらえきれない。

  有明山を見て、先日、タマちゃんが「富士山だ」と言ったのを思い出す。

  四歳の頭の中では、それでいいのだと思います。

  わたしも子どものころはそう思っていました。


すっかり凍えて、でもいい気分でうちに戻るとミヨコさんとシロが

ぬくぬくしていました。