ジャン・アレチボルトの冒険

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変化する「1位」の中味、「裸足でSummer」ラジオ・動画好調も、配信最高順位に低落傾向 [03Aug16]

2016-08-03 22:45:00 | 芸能
15枚目「裸足でSummer」のオリコン初動は、結局、6日目までのデイリー合計とほとんど変わらない72.8万枚でしたね。

14枚目「ハルジオンが咲く頃」の初動75.0万枚より2.2万枚少ないけど、率にすれば3%なので、「微減」と言っていいでしょう。

しかも、Billboard JAPAN の記事によると、15枚目のCDセールスは、14枚目を上回ったそうで、こちらは前作を「越え」たことになっている。

調査会社によって、売り上げ枚数に若干の違いが出るのは分かるけど、「前作割れ」と「前作越え」で意見が別れるのは、どうにも座りが悪いですね(笑)。

14枚目と15枚目の差は、どっちが多いかを議論しても無意味なくらい、微妙だったのでしょうか。


乃木坂のシングルCDについて、初動や累計が何枚であり、前作を上回った、下回ったは、ずっとオリコン調べのデータに基づいてきたので、「継続性」の点から、今後も、そちらを優先して紹介するつもりですが、これだけ2社で意見が異なるのであれば、どちらの数字に対しても、あまり細かいところに、のめり込まない方がいい気がしてきました。

そもそも、70万枚以上売っているのに、数万枚増えたから上り坂で、数万枚減ったから下り坂というのも、神経質すぎる評価で、プラスマイナス20%ぐらいは「誤差」だと捉えて、「15万枚くらい上下したら教えてくれ!」と、ど〜んと構えてるのが、現実に即した妥当な姿勢なのかもしれません。

であれば、15枚目の初動は、まったくもっての「前作並み」で、いやいや、ひょっとすると、ちゃっかり伸ばしちゃったりしちゃったかもよ〜(笑)、というのは、あながち間違った見方ではないようにも思えます。


このように、CDセールスに関しては、どうやら前作との違いが微妙すぎて、何だかよく分からない状況ですが(笑)、他の指標を眺めると、「裸足でSummer」の楽曲人気について、興味深いことが見えてきます。

まずは、最新チャートである8月8日付 [07/25(月)〜31(日)]で総合1位を獲得した、Billboard JAPAN Hot100 から。

(表1) 乃木坂13枚目、14枚目、15枚目表題曲のCD発売週における Billboard JAPAN Hot100

凡例
(総合) Hot100順位 [項目] その項目における順位「曲名」

#「各項目」の意味は、[S] ストリーミング数、[R]ラジオ放送回数、[L] PCによる読み取り数 (ルックアップ)、[T] ツイート数、[M] 国内動画再生回数、[F] ランクイン回数
#「00位」は、100位圏外

CD発売週における表題曲のランキング
(総合)01位 [S]01位 [R]05位 [L]01位 [T]03位 [M]17位 [F]05回「裸足でSummer」
(総合)01位 [S]01位 [R]16位 [L]01位 [T]04位 [M]00位 [F]05回「ハルジオンが咲く頃」
(総合)01位 [S]01位 [R]10位 [L]01位 [T]04位 [M]97位 [F]05回「今、話したい誰かがいる」

「裸足でSummer」のランキング推移
(総合)35位 [S]00位 [R]00位 [L]00位 [T]05位 [M]00位 [F]01回 : 04週前 [06/27(月)03(日)]
(総合)40位 [S]00位 [R]00位 [L]00位 [T]03位 [M]00位 [F]02回 : 03週前 [07/04(月)10(日)]
(総合)20位 [S]00位 [R]00位 [L]00位 [T]03位 [M]03位 [F]03回 : 02週前 [07/11(月)17(日)]
(総合)10位 [S]18位 [R]56位 [L]00位 [T]07位 [M]06位 [F]04回 : 01週前 [07/18(月)24(日)]
(総合)01位 [S]01位 [R]05位 [L]01位 [T]03位 [M]17位 [F]05回 : 01週目 [07/25(月)31(日)]


「裸足でSummer」のランキング内容は、惚れ惚れするほど良いです(笑)。

大量のCD売り上げによって、「[S] ストリーミング数」と「[L] ルックアップ」で1位を取るのは、いつも通りですが、素晴らしいのが「[R]ラジオ放送回数」が5位に入っている。

乃木坂は、以前から、エアプレイの順位がなかなか伸びなくて、最高順位を並べても、「ハルジオンが咲く頃」が16位、「今、話したい誰かがいる」は10位、「サイレントマジョリティー」でも7位。

それが15枚目表題曲は、5位にランクインしていて、ベスト5をマークしている。

民放の「radiko」、NHKの「らじる らじる」が登場して以来、ネットで聴けるラジオは、幅広い層を巻き込む、強力なメディアになりつつあって、新曲を頻繁に流してもらえれば、効果的なプロモーションになるのは間違いないでしょう。

メンバーが多くのラジオ番組に出演したことが、功を奏した可能性があって、的を得たキャンペーンだったと言えるんじゃないでしょうか。


さらに、「[M] 国内動画再生回数」が17位で、TOP20入りしているのも、今までにない快挙だと思います。

フルバージョンMVを、CD発売日以降も、ショートに差し替えなかったことが大きいけど、そもそも、MVの人気がなければ、この項目で100位に入るのも難しく、発売2週前の3位、1週前の6位、そして1週目の17位は、これまでとはレベルの違う、別次元の数字です。

「裸足でsummer」のオリコン初動は、ほとんど前作と変わらなかったけど、表題曲のラジオ放送回数と動画再生回数で、今まで見たことのない数字が出ていて、乃木坂は楽曲人気の面で、大きな飛躍を成し遂げたと言えるでしょう。


とくに、YouTubeに公開されたMVが、4週間を待たず300万再生を達成し、高い人気を見せていることが、楽曲指標を押し上げる原動力になっている。

美しい沖縄の風景の中、新センター齋藤飛鳥と15th選抜の魅力が存分に引き出されていることが、視聴数を加速させているのは間違いないけど、加えて、「サイレントマジョリティー」のMVが、2千万越えという、とんでもない再生数を叩き出して、それが刺激になった面もあるかもしれない。

いずれにせよ、魅力的な表題曲MVを作り、フルバージョンを無料公開し、高い再生数上昇スピードによって、楽曲への注目を集め、各種指標を引き上げるという手法は、今後も、踏襲されていくんじゃないでしょうか。

乃木坂ファンの熱量掛ける人数には、相当なものがあるので、かなり有効なやり方だと思います。


Billboard JAPAN のランキングは、見ていて顔がにやけるほど素晴らしい内容でしたが、iTunes Storeのランキングに目を移すと、喜んでばかりもいられない数字が出てきます。

「裸足でSummer」のSpecial Editionは、昨日、8月2日(火)で配信14日目を迎えましたが、「オフショアガール」と「行くあてのない僕たち」がランキング表から姿を消し、すべてのカップリング曲が、200位圏外に去っています。

以下は、15枚目、14枚目、13枚目のカップリング曲について、ランクイン日数、最高順位、順位帯分布を示したものです。

(表2) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂13枚目、14枚目、15枚目カップリング曲の順位帯分布

凡例
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (200位以内ランクイン日数/配信日数; 確認出来た最高順位)「曲名」

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数を表す。
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)

15枚目「裸足でSummer」(C/W)
0-0-0-0-4 / 6-3-0 [01] (13/14日; 045位)「オフショアガール」
0-0-0-0-0 / 4-6-3 [01] (13/14日; 061位)「行くあてのない僕たち」
0-0-0-0-0 / 6-3-1 [04] (10/14日; 076位)「僕だけの光」
0-0-0-0-0 / 2-1-3 [08] (06/14日; 076位)「シークレットグラフィティー」
0-0-0-0-0 / 0-0-2 [12] (02/14日; 162位)「命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」」
0-0-0-0-0 / 0-0-2 [12] (02/14日; 168位)「白米様」

14枚目「ハルジオンが咲く頃」(C/W)
0-0-1-1-1 / 0-2-1 [24] (06/30日; 25位)「釣り堀」
0-0-1-1-0 / 1-1-1 [25] (05/30日; 27位)「急斜面」
0-0-0-1-0 / 1-1-1 [26] (04/30日; 36位)「不等号」
0-0-0-0-1 / 1-1-1 [26] (04/30日; 44位)「憂鬱と風船ガム」
0-0-0-1-0 / 1-1-0 [27] (03/30日; 39位)「強がる蕾」
0-0-0-0-0 / 1-1-0 [28] (02/30日; 96位)「遙かなるブータン」

13枚目「今、話したい誰かがいる」(C/W)
0-2-1-3-3 / 2-2-1 [16] (14/30日; 016位)「悲しみの忘れ方」
0-0-0-1-1 / 5-5-2 [16] (14/30日; 038位)「ポピパッパパー」
0-0-0-0-0 / 2-6-1 [21] (09/30日; 096位)「嫉妬の権利」
0-0-0-0-0 / 2-4-1 [23] (07/30日; 079位)「隙間」
0-0-0-0-0 / 0-2-2 [26] (04/30日; 124位)「大人への近道」


13枚目と14枚目については、30日目までの成績を載せていますが、それ以降で、再びランクインした曲はなく、圏外日数以外の順位帯分布、ランクイン日数、最高順位は、最終的なものだと考えていい。

15枚目は、「僕だけの光」が『高校生クイズ』の本大会オンエア番組で流れて、再び、ランクインするなどの可能性は否定出来ませんが、通常、一度200位圏外に去ったカップリング曲が、戻って来るケースは稀なので、こちらも、配信日数が14日から増えても、ランクイン日数などの数字はほとんど変わらないと思います。


15枚目カップリング曲のランクイン日数は、「オフショアガール」と「行くあてのない僕たち」が13日、「僕だけの光」は10日など、14枚目よりも長いものが多く、「悲しみの忘れ方」「ポピパッパパー」「嫉妬の権利」を含む13枚目のケースに近い。

CDリリースの1週間前から開始する、先行配信の場合、1週目さえ乗り切れば、2週目はもっとも新曲に注目が集まる発売週で、ランクインを維持出来る一種の「ボーナスステージ」になっている(笑)。

もちろん、そうは言っても、先行配信すれば2週間安泰というわけではなく、人気がなければ、1週目、ほとんど200位圏内に入れない危険もあります。


「悲しみの忘れ方」や「ポピパッパパー」のランクインが14日間なのは、200位以内に、2週間は留まる人気を博したものの、3週目に入る始めの水曜日、トップソング上位に、その週リリースされた新曲が多数ランクインし、持ちこたえられなくなって、圏外に去ったからです。

そして、15枚目の「オフショアガール」や「行くあてのない僕たち」も、それと同じコースを辿って、ほぼ2週間でリストから姿を消すことになった。

従って、ランクイン日数の面からは、15枚目カップリングの人気上位曲は、13枚目に匹敵する人気だったと言えます。


しかし、一つ気になるのは、15枚目の曲は、最高順位が、14枚目、13枚目と比べて、低い傾向がある。

1番人気だった「オフショアガール」は最高45位ですが、「釣り堀」は25位、「悲しみの忘れ方」16位と、14枚目、13枚目のトップ曲に届いていません。

また、2番手を比べても、「行くあてのない僕たち」61位に対して、「急斜面」27位、「ポピパッパパー」38位と、明らかに15枚目は低くなっている。

ランクイン日数はそれなりに良好なのだけど、上位に食い込めなくなっているのは、乃木坂の楽曲への期待感が、薄れ始めているためかもしれません。


実は、表題曲のランキング推移にも、似たような傾向が表れています。

(表3) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂13枚目、14枚目、15枚目表題曲の順位帯分布

凡例
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (200位以内ランクイン日数/配信日数; 確認出来た最高順位)「曲名」

5-9-0-0-0 / 00-00-00 [0] (14/14日; 8位)「裸足でSummer」
2-3-4-6-4 / 11-00-00 [0] (30/30日; 5位)「ハルジオンが咲く頃」
9-5-7-0-3 / 06-00-00 [0] (30/30日; 4位)「今、話したい誰かがいる」


TOP20入りした日数は、「ハルジオンが咲く頃」5日、「今、話したい誰かがいる」14日で、「裸足でSummer」は、14枚目表題曲を越えて、13枚目と同じ期間に並びつつあります。

現在、18位から19位と、薄氷を踏むようなTOP20ですが(笑)、15枚目表題曲は、これまで粘り強くランクインを続けるパターンを見せている。

ところが、最高順位では、「今誰」と「ハルジオン」がベスト5に入る一方、「裸足でSummer」は8位で上昇が終わっていて、ベスト5を逃している。

さらに、10枚目「何度目の青空か?」、11枚目「命は美しい」は、最高順位が2位、3位で、ベスト3入りを果たしています。

ベスト3も、ベスト5も、滞在時間は短く、一瞬と言っていいけど、シングル毎、徐々に最高順位が下がっているのは、気になる点です。


「楽曲の乃木坂」と言われるほど、かつて乃木坂の曲に対する評価は、少なくともファンの間では高かった。

ところが、最近は、楽曲を褒めるファンのコメントが、以前よりめっきり減った感があり、逆に、制作側からの発信をよく目にする気がする。

こういった印象は、あくまで自分の個人的な心象風景だと思っていたのですが(笑)、iTunes Store ランキングの最高順位が、表題曲、カップリング曲、ともに下がっていることから、乃木坂ファンの、新しい曲を楽しみに待つ熱気が、徐々に失われつつあるのは、間違いない事実ではないかと考え始めています。


粘り強くランクインを続けるのは、楽曲そのものが評判を呼んでいて、一方、最高順位の高さは、楽曲に対する期待感を反映しているとすれば、今のファンは、乃木坂の新曲だから何でも飛びつくのではなく、出来不出来を慎重に見極めて、自分が納得した曲だけ購入しようという、姿勢に転じつつあるのかもしれません。

「楽曲の乃木坂」という幻想が消滅して、ファンが曲を選ぶ時代に入った可能性です。

こういう状況では、制作者側が「神曲」と唱えれば唱えるほど、逆に、そのクオリティを疑う気持ちがファンの中に芽生えて、最高順位を下げてしまう危険があります。

15枚目カップリング曲で、いわばノーマークだった「行くあてのない僕たち」が、「オフショアガール」と同じ13日間ランクインを達成したのは、少なからぬファンが、それを気に入って、「選んだ」結果じゃないでしょうか。

タイアップなし、MVなし、特別プッシュなし、という状況は、かえって、先入観を持たずにファンが曲と向き合う環境を用意し、その選択を促進させた気がします。


「裸足でSummer」のセールスは、ほとんど動かなかったCD売り上げとは裏腹に、MV再生回数の上昇、エアプレイの充実、そしてネット配信の最高順位低落など、従来とは本質的に異なる要素を含んでいて、乃木坂が大きな転換点に差し掛かっていることが、浮き彫りになってきました。

現在、見えている兆候はまだ小さいものだけど、シングルが進む毎に、より明確に姿を現す可能性があって、齋藤飛鳥のセンター抜擢は、次の乃木坂へ向かう最初の一歩なのかもしれません。

その道の先に待っているのが、グループの発展なのか、それとも衰退なのか、iTunes ランキングなど、「裸足でSummer」の楽曲セールスの行方が一つのヒントを与える筈で、15枚目は、目が離せないシングルになりそうです。


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