ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

発売週ルックアップで「僕は」16位「金の愛」20位、無意味化する音楽CDと乃木坂握手会の変遷 [25Aug16]

2016-08-25 02:30:00 | 芸能
SKE48の20枚目「金の愛、銀の愛」は、CD発売週である、8月29日付オリコン週間ランキングにおいて、25.2万枚の1位となり、前作から5千枚ほどの微減でした。

しかし、今日発表された Billboard JAPAN Hot100 では、大きなCDセールスを生かして、総合1位を獲得したものの、記事タイトルに入れた通り、「ルックアップ」が20位という、一瞬フリーズしてしまうような順位が付いています。

オリコンの数字だけでなく、同時に出て来たさまざまなセールス指標を見ていると、SKE48のCD売り上げが少し減ったというだけに留まらず、アイドル界全体が深刻な状況に陥りつつあるのではないかと、疑いたくなるものがある。

乃木坂、欅坂、NMB48、SKE48の最新シングルについて、セールスを調べながら、今、何が起きつつあるのかを考えてみます。


まずは、その「ルックアップ」から。

(表1) Billboard JAPAN Hot100 における、乃木坂、欅坂、AKB48Gの今作前作表題曲の発売週ランキング

凡例
(総合) CD発売週のHot100順位 [項目] その項目における順位 : 曲名

#「各項目」の意味は、[S] ストリーミング数、[R]ラジオ放送回数、[L] PCによる読み取り数 (ルックアップ)、[T] ツイート数、[M] 国内動画再生回数、[F] ランクイン回数
#「00位」は、100位圏外

(前作) 最新1つ前のシングル表題曲、「翼はいらない」以外、春のリリースラッシュで発売
(総合)01位 [S]01位 [R]16位 [L]01位 [T]04位 [M]00位 [F]05回 : ハルジオンが咲く頃
(総合)01位 [S]01位 [R]07位 [L]01位 [T]02位 [M]03位 [F]04回 : サイレントマジョリティー
(総合)01位 [S]01位 [R]00位 [L]03位 [T]01位 [M]00位 [F]03回 : 甘噛み姫
(総合)01位 [S]01位 [R]00位 [L]07位 [T]03位 [M]00位 [F]01回 : チキンLINE
(総合)01位 [S]01位 [R]05位 [L]02位 [T]05位 [M]00位 [F]02回 : 翼はいらない
(総合)01位 [S]01位 [R]00位 [L]01位 [T]04位 [M]00位 [F]01回 : 74億分の1の君へ

(今作) 最新シングルの表題曲、夏のリリースラッシュで発売
(総合)01位 [S]01位 [R]05位 [L]01位 [T]03位 [M]17位 [F]05回 : 裸足でSummer
(総合)01位 [S]01位 [R]08位 [L]01位 [T]03位 [M]16位 [F]06回 : 世界には愛しかない
(総合)01位 [S]01位 [R]30位 [L]16位 [T]03位 [M]00位 [F]04回 : 僕はいない
(総合)01位 [S]01位 [R]27位 [L]20位 [T]07位 [M]00位 [F]04回 : 金の愛、銀の愛


今年春の48&46リリースラッシュにおいて、シングル表題曲は、いつものように、CDが発売される週のHot100で、軒並み総合1位を獲得し、依然として人気が高いことを見せつけています。

ただ、個々の項目を調べると、25.7万枚のオリコン初動を叩き出し、週間ランキングで断然のトップだったSKE48の「チキンLINE」が、Billboard JAPAN Hot100 の、CDからPCへの読み取り数を示す「[L] ルックアップ」において、7位という順位に終わり、衝撃を与えました。

SKE48「チキンLINE」ルックアップ7位の衝撃、欅坂トップソング1位で変わるアイドル勢力図 [07Apr16]


しかし、今夏のリリースラッシュでは、(表1)後半のように、「ルックップ」の発売週順位は、オリコン初動30.4万枚のNMB48「僕はいない」が16位、25.2万枚のSKE48「金の愛、銀の愛」は20位と、前作よりさらに低くなっています。

大量のCDが売れても、ごく少数の人しか、収録楽曲を読み込まないという流れが、48Gで加速している懸念がある。

CDは、握手会や写メ会に参加するチケットとしての意味しか持っておらず、音楽を媒介するツールとして、機能を失いつつある可能性です。

もちろん、48&46が、何十万枚というCDを売り上げるのは、収録楽曲ではなく、「おまけ」として付いてくる特典の魅力が大きいのは当然です。

しかし、20万枚、30万枚を越えるCDが一斉にリリースされた週に、それを音楽メディアとして利用する人が、あまりに少数だと、CDを発売する意義そのものがなくなってしまいます。


「おまけ」の魅力であっても、たくさんのCDが世に出回れば、収録楽曲や映像コンテンツを鑑賞する人が少なからず現れ、それが、グループの音楽を広め、新しいファンを呼び込む原動力になるという「宣伝効果」を期待できます。

こういった「効果」は、多額の経費を投入してでも大規模な特典イベントを行い、複数枚買いが頻発しようとも、大量のCDを売ることを正当化し、それを支えてきた面がある。

もし、これ以上、音楽CDの「無意味化」が進み、そんな「効果」はないことが明白になると、大きな犠牲を払って握手会を続けるメリットがさらに乏しくなっていくでしょう。

48G「支店」の「ルックアップ」順位の低落傾向は、握手会商法のブレーキとなるかもしれません。


AKB48Gは、オリコン1位を維持し続ける一方、その内容には、非常に厳しいものがあって、特典イベントの質と量を抜本的に見直す時期に来ているように思えます。

例えば、NMB48「僕はいない」は、オリコン初動を前作から7.4万枚アップして、握手会人気を順調に伸ばしているように見える。

(表2) NMB48 最新シングルのオリコン調べによるCDセールス

# シングル番号に続く(括弧)内はCD発売日
# 枚数は万枚単位で小数点以下2桁目を四捨五入
#「個別」「全国」「写メ」は、CD封入特典イベントである個別握手会、全国握手会、写メ会を示し、続く数字は総日数や総部数
#「初動効率」は、第1週売り上げ枚数を個別握手会の(総部数/100部)、あるいは、総日数で割って得られる商
#「累計推移」は、各週の累計枚数を、
前作 [順位] =(今作から前作を引いた差)=> 今作 [順位]
で示している。順位以外の数字はすべて枚数で、小数点以下2桁目を四捨五入した万枚単位

NMB48のシングル初動推移
11枚目(2015/03/31) 44.7万枚 [個別9日写メ4日全国2日] Don't look back!
12枚目(2015/07/15) 37.1万枚 [個別7日写メ3日全国2日] ドリアン少年
13枚目(2015/10/07) 30.7万枚 [個別7日写メ2日全国2日] Must be now
14枚目(2016/04/27) 23.0万枚 [個別6日写メ0日全国2日] 甘噛み姫
15枚目(2016/08/03) 30.4万枚 [個別6日写メ2日全国2日] 僕はいない

# 11枚目のみ発売週のオリコン週間ランキング2位

14th前作 => 15th今作 の比較
[オリコン初動]
23.0万枚 =(+07.4万枚)=> 30.4万枚
[劇場盤特典]
個別6日(570部) => 個別6日(570部)写メ2日(128部)
[初動効率]
4.0万枚/百部 => 4.4万枚/百部
3.8万枚/日 => 3.8万枚/日
[累計推移]
01週 : 23.0 [01位] =(+07.4)=> 30.4 [01位]
02週 : 23.8 [10位] =(+08.0)=> 31.7 [08位]
03週 : 25.9 [07位] =(+06.7)=> 32.6 [13位]


今作「僕はいない」では、前作「甘噛み姫」で行わなかった写メ会を復活させ、個別握手会は、6日570部と同じ規模を維持している。

つまり、前作で抑えた劇場盤の特典イベントの規模を、今作では、再拡大しているわけで、結局、写メ会2日分の負担増と引き換えに、7.6万枚の上昇を手にした勘定です。

また、乃木坂と同じく、forTUNE music による個別握手会応募を採用していて、初動算入は6週間、8次分のようです。

乃木坂では常識となっているように、発売前の受付次数を増やせば、初動へ流し込める握手会セールスは、ある程度アップ出来るので、そういったシステム変更が、CDセールスを動かした部分もあるでしょう。

そして、個別握手会&写メ会100部当たりのオリコン初動、つまり「初動効率」は、分母を増やした影響もあって、前作の4.0万枚/百部から、今作4.4万枚/百部と、あまり大きくは変わっていません。

むしろ、「甘噛み姫」で3位だった「ルックアップ」が、「僕はいない」では、16位と大幅に低下したことから、写メ会に参加するため、少数のファンが、CDを前作より買い増しした効果が、プラス7.4万枚のほとんどを占めているかもしれず、全体のファン数が減っている可能性すら排除出来ません。


一方、SKE48は、前作「チキンLINE」で940部だった個別握手会を、今作「金の愛、銀の愛」では、さすがに874部まで抑えています。

ただ、それでも、「裸足でSummer」の760部より100部以上大きく、日数は、依然として7日と、乃木坂より1日多い。

(表3) SKE48 最新シングルのオリコン調べによるCDセールス

SKE48のシングル初動推移
16枚目(2014/12/10) 38.6万枚 [個別7日全国5日] 12月のカンガルー
17枚目(2015/03/31) 64.0万枚 [個別7日全国3日] コケティッシュ渋滞中
18枚目(2015/08/12) 37.0万枚 [個別7日全国3日] 前のめり
19枚目(2016/03/30) 25.7万枚 [個別7日全国4日] チキンLINE
20枚目(2016/03/30) 25.2万枚 [個別7日全国?日] 金の愛、銀の愛

# 17枚目から「ミュージックカード」の効果を除くと推定36.5万枚

19th前作 => 20th今作 の比較
[オリコン初動]
25.7万枚 =(-0.5万枚)=> 25.2万枚
[劇場盤特典]
個別7日(940部) => 個別7日(874部)
[初動効率]
2.7万枚/百部 => 2.9万枚/百部
3.7万枚/日 => 3.6万枚/日
[累計推移]
01週 : 25.7 [01位] =(-0.5)=> 25.2 [01位]


初動25.2万枚は、枚数そのもので言えば、十分に大きな売り上げで、SKE48のシングルが、普通に40万枚を越えていた時代と比べると物足りないかもしれないけど、決して悪い数字ではないと思います。

しかし、その数字を得るために、個別握手会を7日874部も行い、しかも「ルックアップ」が発売週に20位となると、話は違ってきます。

乃木坂の30部完売メンバーが、発売前に1人当たり推定2万枚弱を売り上げることを考えると、「初動効率」2.9万枚/百部というのは、かなり厳しいレベルです。

NMB48も、SKE48も、そして、今ではHKT48もそうですが、CD売り上げ枚数に比して、特典イベントの規模が大き過ぎるのは明白で、難しいこととは思うけど、そこを何とか改善して、より収支の取りやすい体質に変えないと、増大する負担と低いリターンのはざ間で、やがて身動きが取れなくなる危険があります。


乃木坂は万事順調なんて、もちろん微塵も思っていませんが(笑)、ことCDセールスの「効率」だけは、AKB48Gと比べて、余裕があるのは確かです。

(表4) 乃木坂46 最新シングルのオリコン調べによるCDセールス

乃木坂46のシングル初動推移
11枚目(2015/03/18) 50.0万枚 [個別6日全国3日] 命は美しい
12枚目(2015/07/22) 60.9万枚 [個別6日全国3日] 太陽ノック
13枚目(2015/10/28) 62.7万枚 [個別6日全国3日] 今、話したい誰かがいる
14枚目(2016/03/23) 75.0万枚 [個別6日全国3日] ハルジオンが咲く頃
15枚目(2016/07/27) 72.8万枚 [個別6日全国3日] 裸足でSummer

14th前作 => 15th今作 の比較
[オリコン初動]
75.0万枚 =(-2.2万枚)=> 72.8万枚
[forTUNE盤特典]
個別6日(780部) => 個別6日(760部)
[初動効率]
9.6万枚/百部 => 9.6万枚/百部
12.5万枚/日 => 12.1万枚/日
[累計推移]
01週 : 75.0 [01位] =(-2.2)=> 72.8 [01位]
02週 : 77.2 [02位] =(-1.1)=> 76.1 [07位]
03週 : 78.6 [07位] =(-0.8)=> 77.8 [07位]
04週 : 80.1 [06位] =(-1.5)=> 78.6 [15位]


「裸足でSummer」の個別握手会は、前作より20部少ない760部に設定され、初動は2.2万枚減でしたが、100部当たりの「効率」は、9.6万枚/百部という高い水準を維持しています。

しかし、乃木坂の「効率」は、最初から高かったわけではありません。

(表5) 乃木坂歴代シングルにおける、個別握手会百部当たり、及び1日当たりのオリコン初動枚数

凡例
シングル番号 : 個別握手会100部当たりのオリコン初動枚数 1日当たりのオリコン初動 (店頭) オリコン初動に占める店頭販売CDの推定割合 タイトル

# 枚数はすべて万枚単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
# %比率は、小数点以下2桁目を四捨五入

01枚目 : 04.5万枚/百部 04.5万枚/日 (店頭) 61.2% ぐるぐるカーテン
02枚目 : 05.2万枚/百部 07.8万枚/日 (店頭) 47.2% おいでシャンプー
03枚目 : 05.7万枚/百部 04.7万枚/日 (店頭) 32.6% 走れ!Bicycle
04枚目 : 05.4万枚/百部 04.7万枚/日 (店頭) 28.3% 制服のマネキン
05枚目 : 05.5万枚/百部 04.8万枚/日 (店頭) 29.6% 君の名は希望
06枚目 : 05.4万枚/百部 05.6万枚/日 (店頭) 28.9% ガールズルール
07枚目 : 06.0万枚/百部 06.6万枚/日 (店頭) 22.8% バレッタ
08枚目 : 06.0万枚/百部 07.6万枚/日 (店頭) 25.7% 気づいたら片想い
09枚目 : 05.4万枚/百部 07.0万枚/日 (店頭) 26.2% 夏のFree&Easy
10枚目 : 05.3万枚/百部 06.8万枚/日 (店頭) 24.5% 何度目の青空か?
11枚目 : 07.0万枚/百部 08.3万枚/日 (店頭) 30.1% 命は美しい
12枚目 : 08.3万枚/百部 10.2万枚/日 (店頭) 32.1% 太陽ノック
13枚目 : 08.5万枚/百部 10.4万枚/日 (店頭) 27.2% 今、話したい誰かがいる
14枚目 : 09.6万枚/百部 12.5万枚/日 (店頭) 34.5% ハルジオンが咲く頃
15枚目 : 09.6万枚/百部 12.1万枚/日 (店頭) 35.2% 裸足でSummer


上表が示すように、「初動効率」が伸び始めたのは、11枚目「命は美しい」以降です。

では、この頃、何があったかというと、休業明けの生田絵梨花が、いきなりセンターに抜擢された10枚目「何度目の青空か?」は、個別握手会が、7日902部という、乃木坂史上、もっとも大規模な設定になっている。

6枚目「ガールズルール」において、個別握手会が関東4日、愛知1日、京都1日の計6日体制が固まった後、6枚目630部、7枚目664部、8枚目759部、9枚目786部と、シングルごとに、総部数はがんがんと増やされていきます。

同時に、握手会での完売部数に従って、選抜メンバーとその並びを決める「握手会主義」が公然と行われ、「推し」メンバーを選抜入りさせたい、より前の列に出してあげたいと願うファンが、forTUNE盤CDを競って購入し、乃木坂のオリコンは右肩上がりで伸びていきます。


ところが、選抜入り出来るメンバーは限られており、どんなに頑張ってCDを買っても、大部分のメンバーは涙を飲まざるを得ないという、当たり前の事実に(笑)、少なからぬファンが気づいてしまった。

その結果、運営の「煽り」に対するファンの反応が鈍くなり、9枚目「夏のFree&Easy」で、ついに初めての初動前作割れを喫することになる。

同時に、「初動効率」も、9枚目と10枚目は、5.5万枚/百部を下回るレベルに落ちてしまう。

CDの売り上げ枚数を増やすため、個別握手会の総部数をひたすら引き上げ、握手会主義でファンを煽っても、すぐに頭打ちになってしまい、「効率」は悪くなり、かえって前作割れを起こしてしまった。


NHK紅白歌合戦への出場を狙った10枚目「 何度目の青空か?」では、おそらくCD売り上げの実績を作るためでしょう、個別握手会を1日増やし、思い切った増部を仕掛けますが、流れとしては、これが最後の量的ブーストになります。

そして、11枚目「命は美しい」以降、完売率と完売スピードに応じて、メンバーの担当部数を決める、個別握手会の徹底した見直しが行われ、量ではなく、質を重視したセールスに、大きく舵を切ることになる。

その結果、現在では、初動算入時点での全体完売率が、80%を優に越えるという、以前では考えられない「効率」を実現するに至っています。


また、(表5)に示されたように、店頭セールスの初動に占める割合も、11枚目以降、上昇して、30%を越える数字が並んでいます。

これは、セブンイレブンとのタイアップなど、店頭セールスの向上を、2015年以降、積極的に仕掛けて、個別握手会セールスだけに依存しない体質を目指した結果だと思います。

ライブチケットを封入特典にするなど、CDの売り方として問題を感じる手法もあって、諸手を挙げて賛成出来るものじゃないけど、とにもかくにも、店頭セールスは、「バレッタ」や「気づいたら片想い」の頃に比べて、大きく伸びたことは確かです。

「初動効率」は、個別握手会セールスではなく、オリコン初動全体を割っているので、店頭販売が盛況でも増えていく数字です。

つまり、11枚目以降、個別握手会の効率向上と、店頭セールスの活性化という二つが、乃木坂の目標となり、「初動効率」が、現在の9.6万枚/百部まで上がってきたわけです。


ただ、特定メンバーが選抜前列を占め続けることの閉塞感は、ファンの間に積もり続けている節があって、今後、乃木坂の人気やセールスに影響を与え始めるかもしれません。

15枚目における、齋藤飛鳥のセンター抜擢は、一種のガス抜きの面があるような気もしますが、16枚目、17枚目でも、選抜構成において、目新しい策を講じないと、ファン、とくにライト層が一気に離れる危険は少なくないと思います。

というのも、すでに、欅坂という目新しいグループに、大分、持って行かれている節がある(笑)。


その欅坂についても、CDセールスを載せておきます。

(表6) 欅坂46 最新シングルのオリコン調べによるCDセールス

欅坂46のシングル初動推移
01枚目(2016/04/06) 26.2万枚 [個別5日全国3日] サイレントマジョリティー
02枚目(2016/08/10) 32.3万枚 [個別5日全国3日] 世界には愛しかない

1st前作 => 2nd今作 の比較
[オリコン初動]
26.2万枚 =(+6.1万枚)=> 32.3万枚
[forTUNE盤特典]
個別5日(336部) => 個別5日(397部)
[初動効率]
7.8万枚/百部 => 8.1万枚/百部
5.2万枚/日 => 6.5万枚/日
[累計推移]
01週 : 26.2 [01位] =(+6.1)=> 32.3 [01位]
02週 : 29.2 [03位] =(+4.9)=> 34.1 [09位]


「初動効率」8.1万枚/百部というのは、乃木坂では12枚目「太陽ノック」以降のレベルで、姉グループで培ってきたノウハウを、妹グループに、デビューシングルから、がんがんぶっこんでいる雰囲気があります。

実際、「世界には愛しかない」個別握手会のメンバーごとの部数設定は、応募受付のたびに、細かく増部が繰り返され、調べていて、ウンザリするほど慎重です(笑)。

どんなことがあっても、無駄なレーンを作りたくないんだなあと、見ていて感心するほどです。

そして、その甲斐あって、2枚目シングルにおいて、乃木坂12枚目い匹敵する「効率」を実現することが出来ている。

握手会1日当たりの「効率」は、グループの総人数が反映されるので、6.5万枚/日と乃木坂の半分程度なのは、むしろ互角と言うべきだと思います。


ただ、欅坂が凄まじいのは、現在の乃木坂と、同じくらいの効率的なCDセールスを展開しつつ、楽曲人気においては、遥かに凌駕する成績を出し続けている点です。

ということで、次に、iTunes ランキングとMVの再生数を見ていきます。

(表7) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂欅坂とAKB48Gの今作前作シングル表題曲の順位帯分布

凡例
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (200位以内へのランクイン総日数/配信開始からの日数) 曲名

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数を表す。
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)

# 今作は、2016/08/23(火)時点での成績
# 前作の「ハルジオンが咲く頃」「サイレントマジョリティー」「甘噛み姫」については、今作と同じ経過日数時点での成績
#「翼はいらない」「74億分の1の君へ」は、50日で区切った数字で、それ以降、現在まで200位以内への再ランクインはない
#「チキンLINE」は、データを取っていない

(今作)
05-9-5-4-3 / 09-0-0 [00] (35/35日; 08位) 裸足でSummer
06-2-4-1-1 / 00-0-0 [00] (14/14日; 03位) 世界には愛しかない
00-0-0-1-2 / 05-8-3 [09] (19/28日; 36位) 僕はいない
00-0-0-1-0 / 03-2-2 [00] (08/08日; 40位) 金の愛、銀の愛

(前作)
02-3-4-6-4 / 12-4-0 [00] (35/35日; 05位) ハルジオンが咲く頃
14-0-0-0-0 / 00-0-0 [00] (14/14日; 01位) サイレントマジョリティー
00-0-0-0-0 / 07-5-6 [10] (18/28日; 58位) 甘噛み姫
? チキンLINE
00-0-1-2-1 / 13-9-1 [23] (27/50日; 27位) 翼はいらない
00-0-0-1-1 / 01-1-1 [45] (05/50日; 33位) 74億分の1の君へ


「裸足でSummer」は、現在、配信開始35日目ですが、同じ時点で「ハルジオンが咲く頃」と比べると、最高順位は8位と前作の5位に及ばないものの、上位へのランクイン日数がやや多く、粘りのあるセールスを見せています。

14日目の「世界には愛しかない」は、最高3位でTOP10が6日と、決して悪くない成績ですが、「サイレントマジョリティー」が良過ぎたため(笑)、こうやって並べて比較すると、少し精彩を欠く印象があります。

無料視聴のMVなら別ですが、有料配信だと、使う額には限度があるので、あるいは、2作目が、1作目に人気を奪われているのかもしれません。


一方、NMB48「僕はいない」は、「甘噛み姫」と比べて、上位への食い込みがあり、好調さを感じますが、200位圏内ランクインが19日で、前作の18日とあまり変わりません。

渡辺美優紀の卒業曲という観点に立てば、若干、物足りなさを覚える成績ではあります。

「チキンLINE」は、データを取っていないので、「金の愛、銀の愛」と比べられないんですが、ざっくり眺めていた感じでは、「74億分の1の君へ」と同じく、1週間程度で200位圏外に去った記憶があって、今作は、少し長めにランクインしているかなと思います。

ただ、iTunes Store トップソングに関しては、48G「支店」は、NMB48がやや粘るくらいで、全体して、登場して2週間後くらいには、リストから名前が消えているというのが、正直な印象です。

この辺の楽曲人気を、何とかして向上させることが、CDがますます売れない時代に突入しつつある今、グループの生き残りにとって重要な気がします。


次は、MVの再生数です。

(表8) 乃木坂欅坂とAKB48Gの今作前作表題曲に関する、YouTube公開MVの再生数動向

凡例
YouTube公開開始から3週間経った時点での累計再生回数 [MVの形態] 公開1週目での再生数積み上げ / 2週目での再生数積み上げ / 3週目での再生数積み上げ : 曲名 [グループ名]

#「MVの形態」の記号の意味は、
F = Full ver.
S = Short ver.
E = Special edit ver.
D = Dance short ver.
# 再生回数は、「累計」「積み上げ」ともに万回単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「命の真実」は「命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」」
#「ハルジオンが咲く頃」、「僕はいない」ダンスバージョン、「チキンLINE」は、週毎の積み上げデータを取っていない
# 緑色の「000.0」は公開終了による空欄、オレンジ色の「000.0」は未だ日数が達していないことによる空欄

乃木坂46
(今作)
272.9万回 [F] 121.4 / 089.6 / 061.9 : 裸足でSummer
000.0万回 [F] 046.5 / 018.0 / 000.0 : オフショアガール
000.0万回 [F] 035.6 / 000.0 / 000.0 : シークレットグラフィティー
000.0万回 [F] 024.8 / 000.0 / 000.0 : 白米様
000.0万回 [F] 024.1 / 006.7 / 000.0 : 命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」
009.4万回 [S] 005.7 / 002.1 / 001.6 : オフショアガール
009.3万回 [S] 005.2 / 002.4 / 001.7 : シークレットグラフィティー
007.5万回 [S] 003.9 / 002.3 / 001.3 : 白米様
003.8万回 [S] 002.2 / 000.9 / 000.7 : 命の真実
(前作)
149.3万回 [F] : ハルジオンが咲く頃

欅坂46
(今作)
254.9万回 [F] 131.2 / 075.0 / 048.7 : 世界には愛しかない
174.0万回 [F] 101.0 / 040.0 / 033.0 : 語るなら未来を…
057.7万回 [F] 036.8 / 011.3 / 009.6 : 渋谷からPARCOが消えた日
(前作)
320.9万回 [F] 121.9 / 098.5 / 100.5 : サイレントマジョリティー

NMB4
(今作)
104.1万回 [D] : 僕はいない
038.8万回 [S] 022.9 / 008.5 / 007.4 : 僕はいない
(前作)
084.5万回 [F] 051.2 / 020.5 / 012.7 : 甘噛み姫

SKE48
(今作)
014.1万回 [E] 007.9 / 003.5 / 002.6 : 金の愛、銀の愛
(前作)
017.6万回 [E] : チキンLINE

AKB48
(今作)
222.7万回 [F] 136.4 / 053.8 / 032.6 : LOVE TRIP
058.5万回 [S] 039.4 / 013.0 / 006.1 : しあわせを分けなさい
000.0万回 [S] 018.7 / 010.3 / 000.0 : 光と影の日々
(前作)
054.3万回 [S] 038.1 / 009.1 / 007.1 : 翼はいらない

HKT48
(今作)
000.0万回 [S] 045.3 / 000.0 / 000.0 : 最高かよ
(前作)
033.9万回 [S] 022.6 / 007.8 / 003.5 : 74億分の1の君へ


個人的に、齋藤飛鳥のセンターを評価しているのは、過去の作品に比べて、「裸足でSummer」は、MVの人気がべらぼうに高いからです。

公開3週で300万回に迫る再生なんて、以前では、ちょっと考えられないレベルで、センターの魅力が大きな位置を占める表題曲MVが、ここまで受けたのは、他ならぬ、あしゅのお陰じゃないでしょうか。

正直、16th選抜も、飛鳥のセンター続投で全然いいと思う(笑)。


ただ、一つ残念なのは、「裸足でSummer」は、スタート時点で「世界には愛しかない」を越えるほどの人気を博しているのに、カップリング曲MVの再生数が、あまり伸びなかったことです。

カップリングを、ソロと少人数ユニットで固めてしまったことが、響いていると思います。

欅坂2枚目は、表題曲と同様、全員が参加した「語るなら未来を…」MVが、公開1週で100万回を越え、3週間で200万に迫る勢いを見せ、二本立てでシングルを盛り上げることに成功しています。


「制服のマネキン」に「指望遠鏡」、「君の名は希望」に「シャキイズム」、「ガールズルール」は「世界で一番 孤独なLOVER」と、二番目カップリングに、表題曲を凌ぎかねないパワフルな楽曲を持ってくるのは、そもそも乃木坂の十八番だった筈です。

欅坂は、乃木坂の良いところを、まるごと持って行った感があって、もちろん、それはそれで結構なことなんだけど、本家がやらなくなってしまうのは、残念という他ありません。

表題以外に、もう一曲、強力な勝負曲があれば、相乗効果で、シングルの魅力は何倍にも増幅して、セールスもさらに上がっていくでしょう。

ソロ曲連発の昨今、16枚目は、こういったシングルの楽曲構成を、ぜひ見直して欲しい。


(表8)のデータで、密かに注目しているのは、HKT48の「最高かよ」MVが、まだ公開1週目であるものの、前作「74億分の1の君へ」の2倍のペースで、再生数を伸ばしていて、かなり好調なスタートを切ったことです。

「松岡はな」という方がセンターで、16th選抜の齋藤飛鳥と同じく、若いメンバーの大抜擢のようです。

実は、この手の「大抜擢」は、グループへの期待感を高め、MVの視聴数を伸ばす効果があるのかもしれません。

考えてみると、「サイレントマジョリティー」も、新しく登場した欅坂というグループや中学生センターの平手友梨奈に対する、未知への好奇心が、MVの再生数を加速させた面があると思います。


握手会によるCDセールスでは、人気メンバーを差し置いての若手登用は、裏目に出るケースが少なくないんですが、楽曲人気は別の法則で動く可能性がある。

選抜固定化の進んだ乃木坂が、新しい風を入れることが出来ず、息苦しい閉塞感に苛まれているのは、握手会という世界で有効な策を追求し続けた結果、選抜メンバーのダイナミックな入れ替えは、セールスの低下を招きかねないことに、運営が気づいたからかもしれません。

しかし、乃木坂ほど握手会の理屈に囚われていない欅坂が、乃木坂とあまり変わらない「初動効率」を実現し、その上、楽曲セールスでは、乃木坂を遥かに越えているのであれば、乃木坂は一体、何にこだわっているんだろう?ということになる(笑)。

アイドルを取り巻く環境が激変し始めている今、音楽業界の流れとして、これからどう考えても発展するわけのないCDに執着するより、楽曲人気を重視した方向に、早めに舵を切ることが、次の時代への橋を渡れる条件のような気がします。


それにしても、SKE48は、「チキンLINE」も、「金の愛、銀の愛」も、MVの再生数が触れないわけにはいかないほど、伸びていません。

3週で14万回というのは、もっとも好調だったときの「サイレントマジョリティー」なら、半日以下で達成する数字で、48G他グループの表題曲MVと比較しても、不調ぶりが突出している。

「ルックアップ」の20位と考え併せると、SKE48は、楽曲人気を建て直すことが、急務だと思います。


松井玲奈が卒業した後のSKE48は、私のような、外からぼんやり見ている人間にとっては、松井珠理奈しか目に入らないグループになっていて、山本彩と渡辺美優紀以外に、センターだった須藤凜々花、超小顔の市川美織、後藤真希に似ていてる太田夢莉など、何人かの顔と名前がちょこちょこ出てくるNMB48に比べると、より印象が薄い気がします。

もちろん、私個人の好みの問題かもしれないけど(笑)、MVを観ていても、松井珠理奈が前面に出過ぎて、他のメンバーに注目するチャンスが乏しいような。

松井玲奈に変わる中軸を作る必要があるのなら、思い切って、誰か若いメンバーを目立つポジションに置いた方が良いんじゃないでしょうか。

まずは、MVを通して、こんな素晴らしいメンバーがいるよ!と、アピールすることが大事かと。


ところで、(表8)では、「裸足でSummer」MVが、「世界には愛しかない」を上回ってますが、これは公開3週に限ったことで、現在では、あっさり逆転されています(笑)。

(表9) 乃木坂15枚目、欅坂1、2枚目の表題曲に関する、YouTube公開MVの再生数動向

凡例
その週の始まり~終わり
1週間まとまりで計算した1日当たりの再生数平均上昇速度 (週終わりの累計再生数) [Billboard JAPAN Hot100 の「国内における動画再生回数」の順位] : MV公開日を含む週を1週目とした経過週 曲名

08/01(月)~07(日)
10.3万回/日 (2288万回) [10位] : 21週目 サイマジョ
07.8万回/日 (0351万回) [18位] : 05週目 裸足で
06.7万回/日 (0294万回) [32位] : 04週目 世界には

08/08(月)~14(日)
10.2万回/日 (2360万回) [08位] : 22週目 サイマジョ
07.0万回/日 (0344万回) [16位] : 05週目 世界には
06.3万回/日 (0394万回) [31位] : 06週目 裸足で

08/15(月)~21(日)
09.4万回/日 (2426万回) [07位] : 23週目 サイマジョ
06.5万回/日 (0389万回) [21位] : 06週目 世界には
05.0万回/日 (0429万回) [44位] : 07週目 裸足で


8月第1週は、「裸足でSummer」MVが、「世界には愛しかない」より、再生数上昇が速く、Hot100「動画再生回数」の順位も上だったのですが、欅坂2枚目のCD発売週である8月第2週に逆転され、先週の8月第3週でも、乃木坂が劣勢に立たされています。

ただ、「サイレントマジョリティー」MVは、この間、一貫してこの2曲を上回っていて、「動画再生回数」では、7月18日(月祝)に放送された『うたの夏まつり』における「イコマジョリティー」以来(笑)、5週連続でTOP10入りを果たしている。

iTunes Store トップソングでも、140日間の150位以内連続ランクインを達成して、まだまだ更新する勢いです。

もはや、けっきょく、やっぱり、サイレントマジョリティーという状況で(笑)、ヒット曲って、こうやって誕生するんだなあと、感心しながら毎日、数字を眺めています。

それが何か、よくは分からないけど、時代の空気と合ったんでしょうね、「サイレントマジョリティー」という曲が。


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