ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

『総選挙』と乃木坂、生駒、松村、井上、万理華、深川の「キャラ」を巡る冒険 [19Jun16]

2016-06-19 19:00:00 | 芸能
乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

06月25日(土) 2ndアルバム第2回個別握手会 in 千葉・幕張メッセ
06月25日(土) 18 : 56 〜 20 : 54 [地デジ] テレビ朝日『世界が驚いた!スゴ〜イデス!!視察団』に、秋元真夏が出演

06月29日(水) 『3rd YEAR BIRTHDAY LIVE』のBlu-ray&DVDが発売。2015年2月22日に西武ドームで開催された8時間ライブ映像。セブンイレブンの店頭またはセブンネットで予約購入した人から、抽選で1,000名を、10月に開催する「セブン-イレブン 乃木坂46店」のお買いものイベントに招待。乃木坂公式サイトの関連記事


乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、「ブックマーク」内の以下のリンクをご利用下さい。 「ブックマーク」は、PCでは左サイドバー、モバイルでは記事の最後に置かれています。

重要日程(Jun~Jul16)
重要日程(Apr~May16)
重要日程(Feb~Mar16)
重要日程(Nov15~Jan16)



昨日、AKB48の『総選挙』開票イベントが新潟で行われ、それに伴って、複数の新情報が発表されました。

45枚目は、やはり8月31日(水)に発売されるようです。

SKE48の20th「金の愛、銀の愛」は、8月17日(水)のリリースがすでに告知されており、7月27日(水)に乃木坂の15枚目、2週間後の8月10日(水)に欅坂2枚目「世界には愛しかない」、1週間後のSKE48で、さらに2週間後にAKB48と、7月から8月に掛けてのスケジュールが大体、出揃いました。


一方、予想外だったのは、NGT48のデビューです。

ソニー・ミュージック系のレーベルからメジャーデビューすると発表されましたが、CDをいつ発売するのか、まだ確定していないようです。

しかも、ORICON STYLE のニュース記事は、関係者が、「年明け早々には」デビューさせたいと述べたと、伝えている。


NGT48は、欅坂46とほぼ同じ時期である、2015年夏に結成され、すでに1年が経とうとしているので、新潟での開票イベントにおいて、8月か9月、遅くとも年内のCDデビューが、日付と一緒にアナウンスされるのだと思っていました。

東京の地上波キー局が生中継する地元開催の大イベントなので、デビューシングルの表題曲を披露し、選抜メンバー、タイトル、CD発売日を一気に発表すれば、NGT48の華々しい船出をアピール出来た筈ですが、何か予定通りことが運ばず、先延ばしになってしまったんでしょうか。

『日経エンタテイメント!』が発表した、2016年度のタレントパワーランキングによると、女性アイドルは、乃木坂を除いて、グループ、個人ともに、ほとんどがスコアを下げており、アイドルを取り巻く環境は厳しさを増しています。

あるいは、NGT48のデビュー日が、なかなか決まらないことは、女性アイドルが直面するシビアな現実を、反映しているのかもしれません。


小嶋陽菜の「近いうちに卒業する」発表(笑)と指原莉乃の1位は、あまりに想定内感が強過ぎて、何の感慨も湧きませんでした。

ただ、地上波の生放送はインパクトがあるようで、YouTube公開の「翼はいらない」MVは、土曜日に、再生回数が急上昇しています。

(表1) AKB48「翼はいらない」MVの再生回数推移

凡例
日付(曜日) : 24時間換算の平均再生回数 (累計再生回数)

# YouTubeに公開されているMVが対象
#「24時間換算の平均再生回数」は、その日深夜に計測したYouTube表示の再生回数から前日深夜に計測したものを引き、経過時間で割って、24時間換算した数値。「万回/日」単位で、小数点以下2桁目を四捨五入
#「累計再生回数」は、その日深夜に計測したYouTube表示の再生回数

06/10(金) : 1.4万回/日 (92万回)
06/11(土) : 1.7万回/日 (94万回)
06/12(日) : 1.8万回/日 (95万回)
06/13(月) : 1.5万回/日 (97万回)
06/14(火) : 1.1万回/日 (98万回)
06/15(水) : 1.5万回/日 (100万回)
06/16(木) : 1.0万回/日 (101万回)
06/17(金) : 1.3万回/日 (102万回)
06/18(土) : 2.5万回/日 (104万回) ← 「総選挙」開票イベント

#「翼はいらない」の公開は2016/04/28(木)で、06/13(月)〜19(日)は公開8週目


今週はMV公開の8週目に当たり、1.0〜1.5万回/日の再生数で推移していましたが、土曜深夜に行った計測では、金曜深夜からの24時間換算再生回数が2.5万回/日と、1万回/日ほどアップして、明らかな「総選挙」効果が認められます。

しかし、その一方、「支店」グループのMVは、以下のように、ほとんど変動がありませんでした。

(表2) SKE48、HKT48、NMB48の最新曲MVの再生回数推移

# 表示仕様は(表1)と同じ

SKE48「チキンLINE」

06/10(金) : 0.2万回/日 (44万回)
06/11(土) : 0.2万回/日 (45万回)
06/12(日) : 0.2万回/日 (45万回)
06/13(月) : 0.2万回/日 (45万回)
06/14(火) : 0.2万回/日 (45万回)
06/15(水) : 0.2万回/日 (45万回)
06/16(木) : 0.1万回/日 (46万回)
06/17(金) : 0.2万回/日 (46万回)
06/18(土) : 0.2万回/日 (46万回) ← 「総選挙」開票イベント

#「チキンLINE」の公開は2016/03/06(日)で、06/13(月)〜19(日)は公開15週目

HKT48「74億分の1の君へ」

06/10(金) : 0.2万回/日 (50万回)
06/11(土) : 0.2万回/日 (50万回)
06/12(日) : 0.2万回/日 (50万回)
06/13(月) : 0.2万回/日 (50万回)
06/14(火) : 0.1万回/日 (50万回)
06/15(水) : 0.2万回/日 (50万回)
06/16(木) : 0.1万回/日 (51万回)
06/17(金) : 0.2万回/日 (51万回)
06/18(土) : 0.2万回/日 (51万回) ← 「総選挙」開票イベント

#「74億分の1の君へ」の公開は2016/04/04(月)で、06/13(月)〜19(日)は公開11週目

NMB48「甘噛み姫」

06/10(金) : 1.0万回/日 (162万回)
06/11(土) : 1.1万回/日 (163万回)
06/12(日) : 0.8万回/日 (163万回)
06/13(月) : 0.7万回/日 (164万回)
06/14(火) : 0.6万回/日 (165万回)
06/15(水) : 0.7万回/日 (165万回)
06/16(木) : 0.7万回/日 (166万回)
06/17(金) : 0.8万回/日 (167万回)
06/18(土) : 0.8万回/日 (168万回) ← 「総選挙」開票イベント

#「甘噛み姫」の公開は2016/04/02(土)で、06/13(月)〜19(日)は公開12週目


今回の『総選挙』では、指原莉乃が断然の1位を獲得したものの、HKT48「74億分の1の君へ」MVの再生数は、上昇する気配がありません。

さらに、松井珠理奈が3位、山本彩が4位と躍進したそうですが、二人が主役と言っていい、SKE48「チキンLINE」とNMB48「甘噛み姫」のMVも、今のところ、目立った再生数の上昇は見られない。

開票イベントによって、AKB48のMVは再生数がアップしているのに、中心メンバーがTOP5に入った、HKT48、SKE48、NMB48のMVは、そういった恩恵を受ける様子がない。

『総選挙』は、AKB48本店への注目度を上げる一方、「支店」メンバーが票を集め、上位にランクインしても、所属グループへの関心は高まらないようです。

松井珠理奈と山本彩は、所属グループへの危機感から、最近、AKB48との「兼任」を解除して、SKE48とNMB48の活動に専念すると宣言しましたが、『総選挙』こそ、ファンの目を「支店」から「本店」に向けている、最大の装置である可能性があって、そこで活躍すればするほど、足元の人気が揺らいでしまう、皮肉な構図になっているかもしれません。


ところで、開票イベントが終わったあと、深夜に放送された、テレビ朝日の『総選挙』特番に、乃木坂メンバーが出演したことには驚きました。

2ndアルバムの個別握手会が、京都で開催される日なので、関連番組への出演を含め、乃木坂は『総選挙』に、一切関わらないと思っていたんですが、どうやら帰京の新幹線を品川駅で降り、バス内に作られた簡易セットを背景に、スタジオと中継を結んで、松村沙友理、白石麻衣、生駒里奈、橋本奈々未、西野七瀬がインタビューを受けるという、凄まじいスクランブル登板でした(笑)。

しかも、ここまで強引に乃木坂を差し込んでおきながら、コーナーの時間が短く、しかも、このメンバーに、こんな質問が行くといった、事前打ち合わせのほとんどない、フリートークに任せた作りになっている。

そうなると、疲れている上に、開票イベントの中継を、観る暇のなかったメンバーが、突っ込んだコメントを言えるわけもなく、ごく当たり障りのない一般論がひらひらと宙を舞い、西野七瀬と橋本奈々未に至っては、結局、質問ゼロ、発言ゼロで、いつ自分に振られるか警戒して、キョロキョロと目を彷徨わせるだけで終わってしまった(笑)。

一体、何のために、無理無理、スケジュールをこじ開け、乃木坂を呼んだんだろうと、大いに疑問を感じるインタビューで、大人のみなさん、乃木坂ちゃんを、早く家に帰してあげて下さい、と心底、言いたくなりました(笑)。


ただ、AKB48の『総選挙』に対してコメントを求められたとき、かりにスケジュールに余裕があり、開票イベントをじっくり観ていたとしても、乃木坂メンバーは、なかなか突っ込んだ感想は言えない気がします。

松井玲奈との「交換留学」によって、乃木坂で唯一、AKB48「兼任」となり、『総選挙』に立候補した生駒里奈が経験した握手会人気の変遷は、多くのメンバーにとって、強烈な教訓になっている可能性がある。

(表3) 各シングル個別握手会セールスにおける、生駒里奈の最終的な完売状況

凡例
シングル番号 [推定売り上げ枚数による順位] 完売部数/担当部数 (完売率; 全完売した次数_その部数を全完売した人の中での完売速度による順位/その部数を全完売した人数)

# 個別握手会応募の最後1つ前受付が終了した時点での完売状況を載せている
# 3枚目「走れ!Bicycle」」から14枚目「ハルジオンが咲く頃」までの成績を示している

03枚目 [04位] 10部/18部 (0.56)
04枚目 [11位] 03部/23部 (0.13)
05枚目 [08位] 05部/23部 (0.22)
06枚目 [12位] 05部/28部 (0.18)
07枚目 [11位] 19部/28部 (0.68)
08枚目 [13位] 07部/30部 (0.23) ←「兼任」発表 (04次応募週)
09枚目 [12位] 04部/29部 (0.14)
10枚目 [18位] 04部/29部 (0.14)
11枚目 [21位] 04部/22部 (0.18) ←「解除」発表 (10次応募週)
12枚目 [18位] 14部/22部 (0.64)
13枚目 [20位] 17部/19部 (0.89)
14枚目 [22位] 18部/18部 (1.00; 11次_1位/1人)

# 参考資料
(シングル番号 CD発売日 タイトル名)
03枚目 2012/08/22 走れ!Bicycle
04枚目 2012/12/19 制服のマネキン
05枚目 2013/03/13 君の名は希望
06枚目 2013/07/03 ガールズルール
07枚目 2013/11/27 バレッタ
08枚目 2014/04/02 気づいたら片想い
09枚目 2014/07/09 夏のFree&Easy
10枚目 2014/10/08 何度目の青空か?
11枚目 2015/03/18 命は美しい
12枚目 2015/07/22 太陽ノック
13枚目 2015/10/28 今、話したい誰かがいる
14枚目 2016/03/23 ハルジオンが咲く頃


生駒里奈の握手会人気は、3枚目「走れ!Bicycle」で18部中10部完売と5割を越える率を出したものの、4枚目「制服のマネキン」で23部中3部完売、5枚目「君の名は希望」は23部中5部完売と、伸び悩んでいました。

握手会セールスの低空飛行が、6枚目「ガールズルール」におけるセンター交代の一因かもしれませんが、その後、生駒ちゃんは、7枚目「バレッタ」で、28部中19部完売という良好な成績を叩き出します。

7th選抜センターに大抜擢された堀未央奈に対し、多くの1期メンバーが複雑な気持ちを抱く中、生駒里奈は、「自分が支えていく」と最初から宣言して、ファンの注目を集めますが、秋田出身の純朴な「不動のセンター」から「頼れる先輩」への、こういったイメージチェンジが、生駒里奈への評価を高め、完売部数を押し上げた可能性がある。

そして、2期メンバーの指導役と目されるようになった生駒ちゃんは、グループのことを何より第一に考える、乃木坂「愛」の強いメンバーとして、キャラを再構築していく。


7枚目個別握手会での好調な成績を受けて、8枚目「気づいたら片想い」では、担当部数が最高である30部にアップされます。

3枚目以降、生駒里奈が最高部数を受け持ったのは、このシングルだけで、運営の期待感が伝わってくる。

しかし、8枚目個別握手会の第4次応募が行われている週に、AKB48との「兼任」、そして松井玲奈との「交換留学」が発表されます。


「兼任」の活動内容がよく分からなかった8枚目は、30部中7部の完売を出し、7枚目の勢いを維持していた節がある。

しかし、『総選挙』へ立候補し、14位として37th選抜メンバーとなり、AKB48の活動がクローズアップされるのと軌を一にして、風向きが変わっていき、9枚目「夏のFree&Easy」と10枚目「何度目の青空か?」では、29部中4部の完売率14%という低い水準に、2作続けて陥ってしまいます。

AKB48で活動する以上、外から来た自分が、選抜の椅子をオリジナルメンバーから奪ってしまうこともあるわけで、ことあるごとに、そのグループの素晴らしさをコメントするのは当然のことです。

ただ、乃木坂への誰よりも強い「愛」を謳って、7枚目でキャラを再構築した直後、8枚目から、公式ライバルである筈のAKB48を称賛する姿は、松村沙友理のように、「生駒ちゃん、乃木坂捨てるんや」(笑)と受け取る人を、少なからず生み出したかもしれない。


11枚目「命は美しい」個別握手会の第10次応募週に、ようやく「兼任」解除の発表があり、生駒里奈は乃木坂に戻り、松井玲奈は2015年の『総選挙』辞退を経て、SKE48卒業へ進んでいきます。

そして、再び、センターに抜擢された12枚目「太陽ノック」では、22部中14部を売り切り、「兼任」発表直前の7枚目以降、5作ぶりに完売率が60%を越える水準に回復します。

生駒里奈が個別握手会セールスを落としていた時期は、AKB48の「兼任」時期とピッタリ重なり、両者に因果関係があるとする説は、相当な説得力を持っています。


少なからぬ乃木坂ファンが、AKB48との「コラボ」に対して、強い反発を示すことは、もはや否定のしようがなく、生駒里奈「兼任」の顛末を通して、運営だけでなく、個々のメンバーも、公式ライバルとの関係は、慎重にならざるを得ないデリケートな件として、認識したんじゃないでしょうか。

自分の発言がそのまま流れる生放送特番において、『総選挙』の結果に対して、どう思うかという質問は、答え次第では、ファンから、想像以上に強い反響を呼んでしまうおそれがある。

ボロボロに疲れている出演メンバーが、生駒里奈本人を含め、緊張しながら、慎重に言葉を選び、その結果、当たり障りのないコメントになってしまうのは、無理からぬことで、こういう企画を、こういう形でセッティングすること自体に、問題があると思います。


そんな中、松村沙友理だけは、昨年の18位から、7位へのランクアップで選抜入りした、SKE48の須田亜香里を取り上げ、ファン目線を主軸に、さゆりんご流に、『総選挙』を語っていました(笑)。

これほど厳しい状況でも、ちゃんと面白いコメントを返してくるのは、さすがと言うべきで、なぜ松村沙友理が呼ばれるのか、大いに頷けるインタビューになっていて、正直、感心しました。

ただ、自分の感じたことを言葉にして、生放送であっても、果敢に面白いコメントを目指すキャラが、松村沙友理の握手会人気を、あと一歩、伸び悩ませているという見方もある。

(表4) 各シングル個別握手会セールスにおける、松村沙友理の最終的な完売状況

# 表示仕様は(表3)と同じ

03枚目 [1位] 19部/20部 (0.95)
04枚目 [1位] 25部/25部 (1.00; 05次_01位/02人)
05枚目 [1位] 25部/25部 (1.00; 06次_02位/02人)
06枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 12次_03位/04人)
07枚目 [5位] 28部/30部 (0.93)
08枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 08次_03位/04人)
09枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 12次_07位/08人)
10枚目 [5位] 35部/35部 (1.00; 10次_05位/07人) ← 文春記事 (10次応募週)
11枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 16次_09位/09人)
12枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 15次_11位/11人)
13枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 13次_14位/14人)
14枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 10次_13位/17人)


松村沙友理の握手会人気は、白石麻衣と並ぶほど、もともと圧倒的なトップクラスだったけど、2014年10月の文春記事を境に急落して、未だに、十分には回復していないというイメージがあります。

ところが、白石麻衣と人気を二分するほど握手会人気が高かったのは、5枚目「君の名は希望」までで、初めてフロント入りした6枚目「ガールズルール」から、最高部数を売り切るものの、完売速度がなかなか上がってこない悩みを抱え続けてきました。

例えば、9枚目「夏のFree&Easy」では、全完売を達成したのが12次で、速度による順位では、30部全完売8人中7位の成績。

当時の最高部数である25部を、白石麻衣より早く全完売し、速度と枚数の両方で、乃木坂No.1の握手会人気を誇っていた、4枚目「制服のマネキン」の頃に比べると、最高部数の全完売は変わらないものの、グループ内における相対順位が下がってきた印象は否めない。


文春記事を受けて、文化放送『レコメン』において、説明と謝罪を述べたとき、「煮詰まっていた」という言葉があったと思います。

確かに、7枚目「バレッタ」、8枚目「気づいたら片想い」、9枚目「夏のFree&Easy」は、他のメンバーが握手会セールスを伸ばす中、完売スピードがなかなか上がらず、2列目以上の福神はキープしていたものの、ジリジリした気分を抱えていても不思議ではない。

そして、10枚目個別握手会の第10次応募週に、例の記事が出てしまう。


しかし、文春「スキャンダル」は、こうやって振り返ってみると、個別握手会セールスに対して、致命的なダメージには、ならなかったように見えます。

11枚目「命は美しい」では、30部全完売達成が16次となり、最終応募が19次であるので、ギリギリまで掛かってしまった感はあるけど、その後、12枚目は15次、13枚目は13次、14枚目は10次と、30部を全完売する次数は、徐々に少なくなっている。

最近、握手会人気を急速に上げるメンバーが何人も出て来たので、相対順位は上昇していないけど、6枚目と9枚目の30部全完売次数は12次なので、完売の絶対速度としては、文春「スキャンダル」前の水準に戻っています。


松村沙友理の完売スピードが伸びてこない原因は、文春記事の影響以上に、初期の頃から模索し続けている、お笑い系キャラと関係している気がします。

さゆりんは、何かイベントがあったとき、前後に行われる囲み取材で、「総選挙」に出たい!、自分が一番!といった、パンチのある本音発言をぶっ込んでくることが多かった。

記者としては、優等生的なコメントばかりだと、記事が面白くならないので、「爆弾発言」は有り難い筈で、さゆりんは、そういったニーズに応えるべく、自分を鼓舞しながら、本音をやや誇張したキャラを演じてきたのだと思います。


また、好評だった『初森ベマーズ』の「ユウウツ」役にしても、コミカルながら、アリに名前を付けて飼うなど(笑)、どこかに狂気を感じさせるキャラになっている。

若干の行き過ぎ感を持たせた、お笑い系キャラが、まっつんのはまり役で、ドラマ、取材、インタビューにおいて、存在感を発揮し、乃木坂を対外的にアピールする、一つの強力なツールとなってきました。

ところが、このキャラには、「非常識」や「攻撃性」が、絶対必要な基本成分として潜んでいるので、個別握手会という空間では、ほんのちょっとだけ、ファンから避けられる可能性があって、そのため、30部全完売ながら、白石麻衣や西野七瀬に比べると、完売速度が遅いという結果を招いているのかもしれません。


井上小百合と伊藤万理華は、松村沙友理と同じ方向性の問題に直面している気がします。

二人とも、かなり当たりの強い、Sっ気を含んだキャラを持っていて、ひとたび舞台に上がると、強烈な輝きを放っていく。

そして、さゆにゃんが、コミカルで陽性な成分を、キャラに含ませているのに対して、まりっかは、シリアスな成分がほとんどで、そこに面白い個性の違いがある。

ただ、お笑い系をこなせるキャラは、オファーを受ける確率が高くなるようで、実際、井上小百合は、コントグループ「大人のカフェ」による舞台『飲みかけで帰ったあの娘』にゲストヒロインとして招かれ、テレビ朝日の戦隊シリーズ『動物戦隊ジュウオウジャー 』の第13話に出演するなど、数多くの外仕事が舞い込んでいます。

パンチのあるキャラだからこそ、色んな人の目に留まり、仕事の依頼が来るのでしょう。


もし、井上小百合と伊藤万理華のキャラに、「癒し」や「甘さ」の成分がもっと混入していれば(笑)、握手会人気はさらにワンランク上がって、2列目や福神が視野に入ってくるかもしれない。

ただ、それは、今のキャラが内蔵し、外仕事を呼び込む原動力になっている「S性」や「狂気」の割合を薄めることになる。

自分が培ってきたキャラが、グループの内においても、外においても、同じように有効に機能すれば、これ以上素晴らしいことはないのだけど、握手会という大きな「内仕事」を抱える乃木坂メンバーにとって、両方を満足させるキャラを身につけるのは、至難の業なのだと思います。


深川麻衣の聖母キャラは、「癒し」成分100%で、グループ内では、メンバーに慕われ、ファンを呼び込み、極めて有効に機能してきました。

ただ、聖母キャラによって、外仕事のオファーが来るかとなると、かなり厳しいものがある。

松村沙友理、井上小百合、伊藤万理華のように、どこかに「狂気」や「攻撃性」を宿すキャラでないと、外からなかなか目に留まらないかもしれない。

(表5) 各シングル個別握手会セールスにおける、深川麻衣の最終的な完売状況

# 表示仕様は(表3)と同じ

03枚目 [9位] 03部/14部 (0.21)
04枚目 [7位] 07部/19部 (0.37)
05枚目 [6位] 09部/21部 (0.43)
06枚目 [7位] 21部/28部 (0.75)
07枚目 [8位] 25部/28部 (0.89)
08枚目 [5位] 29部/30部 (0.97)
09枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 08次_04位/08人)
10枚目 [4位] 35部/35部 (1.00; 08次_02位/07人)
11枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 05次_03位/09人)
12枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 04次_02位/11人)
13枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 06次_07位/14人)
14枚目 [1位] 30部/30部 (1.00; 03次_03位/17人)


高橋みなみは、AKB48に在籍していたとき、「総監督」というキャラを持っていて、それによって、メンバーからも、ファンからも、高く評価されてきました。

しかし、卒業すると、芸能界に「総監督」枠はないので、行き場を探しつつ、新しいキャラを模索する必要に迫られる。

取り敢えず、近い雰囲気のある「ご意見番」的役割を任されることが多いようですが、次々と俎上に載せられる話題に、気の利いたコメントを発するのは、「総監督」とやや違った仕事なので、上手くいくかどうかは、やってみないと分からない。

そして、「聖母」枠となると、「総監督」枠より、さらに観たことがない役割で、卒業後は、新しい方向性を一から探すことにならざるを得ないでしょう。

高橋みなみは、AKB48にいる限り、「総監督」であることを求められ、深川麻衣も、乃木坂に留まる限り、「聖母」であることを求められる。

グループ内では、重要で意味のあるキャラであり、本人も手応えを感じてきたと思いますが、一方で、卒業後も、それを背負って、ずっと歩き続けられるようなタイプのものではない。


深川麻衣がなぜ、乃木坂を卒業する決心をしたのか。

随分と時が経ち、本音を言える環境が整い、本人に当時を振り返ってもらう日まで、本当のところは、誰にも分からないでしょう。

ただ、今の場所では積み上げられない何かを、どこか別の場所に行き、新たに積み上げる時期に来ている、そう判断したのかなと、感じるものはあります。


小嶋陽菜のように、天然セクシー系という、グループの内でも、外でも通用するキャラを持っているなんて、ごく稀にしかない幸せなケースで、だからこそ、彼女は、AKB48を卒業する気持ちが起きなかったのだと思います。

多くのメンバーは、かなりラッキーな場合でも、内仕事と外仕事のどちらか一方で機能するキャラしか持てません。

そして、どちらで機能するキャラが欲しいかとなると、グループに加入した最初は、内仕事であっても、卒業を意識する頃になると、外仕事になるのは自然なことです。

いや、むしろ、自分のやりたい外仕事を呼び込めていないからこそ、卒業を意識するわけで、内仕事が上手く回っていようがいまいが、年齢がいくつだろうが、実は、あまり関係ないのかもしれません。

まあ、乃木坂の場合は、最大の内仕事である握手会で結果を出さないと、なかなか外仕事が回ってこないことが、一番シビアなんですが(笑)。


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