夜の部に行ってきました。
土曜だからか、夜だからか、お若い方&お着物の中年女性が多い!
《熊谷陣屋》初見
松嶋屋+山城屋の座組。
寺子屋同様主筋のお子の身代わりに我が子を差し出す・・・ありえない設定でも、相模の秀太郎さんが良くて、涙を誘う・・・。
山城屋の義経、若々しくてびっくりなんですけど、お衣装の色と体型で、まるで桃太郎のお人形・・・失笑を誘う・・・。
《黒手組曲輪達引》もちろん初見。なんと言っても元の助六も生で観たことがない(・・;)
こちらは菊五郎劇団。
若い方たちはがんばってらしてよかったんですけど・・・権九郎と助六の二役に菊五郎さん、文左衛門に田之助さん、鳥居新左衛門に左團次さん、揚巻に魁春さん・・・暑さのせいでお疲れもあるのでしょうけどねぇ。
トラッキーとカーネルサンダースを出したのは完全にすべってましたし、権九郎はアホの坂田でした。
(見たことのない)助六が関西で人気がないのがわかったような気がします。
ストーリーがあらすじ通りで、なんのふくらみもないんですね。
だったら役者の花だけで見せてもらった方がいいように思います。
海老蔵さんの助六に、菊之助さんの揚巻で決まりです(勝手に!!(笑))
《羽衣》初見
天女が天に昇っていくのはどう見せるのだろうと思ったら、なるほど!
菊之助さんがきれいと言いたいところですけど、少々お疲れかな。
昼の部を見たのが5日前ですけど、真夏日&熱帯夜が続いているせいか、さすがの美貌も踊りもちょっと陰りが・・・。
松緑さん、久しぶりに見ましたが、この方が出ると途端に大衆演劇になってしまうというか~(大衆演劇の方に怒られそうですけど。見たこともないのに。)
《団子売》
孝太郎さんがいいですねぇ。
市井のおかみさん役か踊りのとき、いいと思うことが多いんですけど、これは両方を兼ねている! 実に楽しそうに自信たっぷりに踊られて、見ているこちらも楽しくなる! こんな団子売のおかみさんが色っぽいんです。面白い方です。
一方の愛之助さん、言われたとおりにきちんとなさっているんでしょうけれど、手の先、足の先、目線の先・・・それぞれに表情が乏しい、自分の物になっていない・・・これは踊りだけじゃなく、すべてに思うことですが。
【演目・配役・見どころ】~
歌舞伎美人より~
一、一谷嫩軍記
熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実 仁左衛門
白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 我 當
藤の方 孝太郎
堤軍次 愛之助
相模 秀太郎
源義経 藤十郎
熊谷次郎直実の陣屋に、初陣の我が子小次郎を案じた直実の妻・相模が、続いて平敦盛の母・藤の方が現れます。戻ってきた熊谷は敦盛を討った様子を語って聞かせますが、首実検の場に供されたのは熊谷の息子小次郎の首。実は陣屋の桜の木の制札には「一枝を折れば一指を切るべし」と記されており、そこに託された義経の意を汲んだ熊谷は我が子を犠牲にして後白河院の落胤である敦盛を助けたのでした。救われた敦盛が無事落ち延びたことを見届けた熊谷はあらかじめ用意の僧形となり小次郎の菩提を弔うため旅に出るのでした。
平家物語に名高い敦盛の最期を題材に意外な真相が描かれます。武将にふさわしい大きさ、剛毅さと共に戦乱の世の無常を感じさせる熊谷に仁左衛門、義経に藤十郎、弥陀六に我當、相模に秀太郎という顔合わせでご覧頂きます。
二、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき)
浄瑠璃「忍岡恋曲者」
花川戸助六/番頭権九郎 菊五郎
三浦屋揚巻 魁 春
牛若伝次 松 緑
新造白玉 菊之助
朝顔仙平 亀三郎
三浦屋女房お仲 家 橘
俳諧師東栄 團 蔵
鳥居新左衛門 左團次
紀伊国屋文左衛門 田之助
「黒手組曲輪達引」は河竹黙阿弥が世話の助六として四世小團次の為に書き下ろした作品と伝えられています。従って至る所に助六のパロディが散りばめられた世話狂言となっています。
三浦屋の新造白玉は、間夫の牛若伝次と図って自分に入れあげている番頭の権九郎をだまして廓を抜け出し、あげくに権九郎は池に突き落とされてしまいます。一方新吉原仲之町では鳥居新左衛門の門弟たちが白酒売りの親父新兵衛をなぶり、商売ものを駄目にしてしまいます。それを救ったのは花川戸の助六。新兵衛はこの助六の馴染の花魁揚巻の父と知れます。実は助六は父の敵を探して吉原で武士と見ると喧嘩を吹っかけ刀を抜かせていたのでした。新兵衛から敵の手がかりも得た助六に影から助六を援助する紀伊国屋文左衛門は短気を起こさぬよう戒めるのでした。
権九郎と助六の二役に菊五郎、文左衛門に田之助、鳥居新左衛門に左團次、揚巻に魁春の配役で趣向に富んだ三幕をお楽しみ下さい。
三、上 羽衣(はごろも)
天女 菊之助
伯竜 松 緑
浜辺にやってきた漁師伯竜は、松の枝に美しい羽衣が掛かっているのを見つけ持ち帰ろうとします。そこへ天女が現れ、その羽衣を返して欲しいと頼むのでした。
「羽衣伝説」をもとにした舞踊で、天女を菊之助、漁師伯竜を松緑が幻想的に踊ります。
下 団子売(だんごうり)
お臼 孝太郎
杵造 愛之助
屋台を担いでやってきた団子売のお臼と杵造という夫婦が、評判の団子を作っていく様子を面白く賑やかに踊る人気舞踊です。
女房お臼の孝太郎と、杵造の愛之助が息の合った踊りをみせます。