英語と書評 de 海馬之玄関

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再出発の英文法:前置詞の語法(1)

2008年05月28日 12時29分36秒 | 英文法の話題

今回は頻出の前置詞の語法や前置詞を含むイデオムを紹介します。例えば、

in the corner:at the corner(部屋の隅:街の道路と道路が交わる角)
call at:call on (ある場所にちょこっと立ち寄る:人をちょっと訪ねる)
look up to: look forward to+動名詞(~を尊敬する:~を楽しみしている)

これらは、「前置詞+・・・」の組み合わせの意味を知らなければ、そこで(それらを含む)英文の理解は「ゲームオーバー(game over)」になる類いの知識しょう。TOEFLやTOEICによくでるそんな前置詞に関する知識を紹介したいと思います。而して、 「前置詞+・・・」を含む難解な英文に出会ったときには、是非、今回の記事のやり方に立ち戻って(come back to)みてください。必ず、道は開けると思います。

ところで、前の記事(「 再出発の英文法:前置詞 」)で説明したように、前置詞の用法は次の3種類しかありません。


(1)述語動詞+「前置詞→名詞」
(2)名詞+「前置詞→名詞」
(3)「前置詞→名詞」


つまり、今回の記事で紹介するのは、代表的な(1)「述語動詞+前置詞」の熟語、そして、(3)の副詞的な慣用句です。よろしければ、前の記事も併せて読んでいただければ一層理解は深まると思います。今回の説明は「get+前置詞」、および「something+前置詞」の慣用表現から始めます。


[1]「get+前置詞」と「前置詞+something」

◆get+前置詞
get in/get on:(乗り物などに)乗り込む
get out/get off:(乗り物などから)降りる

get to:~に到着する
(cf. 到着地が名詞でなく「there」「here」等の副詞の場合toは不要)
get back to:後で連絡する
get along with:~とうまくやっていく


After I got in the car, Kei said to me that she got along with her new boss.
(私が車に乗り込んだ後で、ケイさんは新しい上司とうまくやっていると言った)

At what subway station does Mr. Zombiepart get out ?
He gets on at ABC and gets off at CBA .(ゾンビエパルトさんはいつもどの駅で地下鉄を降りますか? 彼はABCで乗りCBAで降ります)

We are arriving at the Shinjyuku station, so I will get back to you on that as soon as I get to the Sinjyuku office of our client.(もうすぐ新宿駅に到着するから、それについては、顧客の新宿事務所につきしだい連絡しますよ)


辞書によっては、「get in, get onは自動詞であり、「車に乗り込む」は“get in the car”ではなく”get into the car”と言うべき」と書いてあるものもあります。けれども、”the car”を目的語に従えるget inやget on は最早インフォーマルとは言えず、TOEICでもTOEFLでも極普通に登場しています。

ある動詞が他動詞か(目的語を従えるタイプの動詞か)それとも自動詞かの区別は一つずつ覚えるしかない。例えば、「~に到着する」の arrive at, get to のarrive と get は(後に前置詞が来ているから)自動詞であり、reach は reach the Hotel「ホテルに到着する」のように後に直ちに名詞が来るので他動詞になるという具合に一つずつ覚えるほか手はないです。

それと同様 、「動詞+前置詞」(あるいは、動詞+副詞)という群動詞の自動詞・他動詞の区別もstep by stepで覚えるしかない。ちなみに、上に紹介した「get+前置詞」では、最初の4個は自動詞にも他動詞にも使われ次の3個は他動詞として使われます。

ポイントは、get inのように伝統的に自動詞として使われてきた「動詞+前置詞」が他動詞に使われる際には、「動詞」と「前置詞」の部分が分離しない傾向があること。例えば、”He puts a hat on.”(彼はいつも帽子を身につけている)は put on が分離可能な「動詞+前置詞」なので正しい英語ですが、”He gets the car in. “は間違いなのです。


◆前置詞+動名詞
on Ving:~するやいなや(= as soon as)
in Ving:~する際に
worth Ving:~する値打ちがある
besides Ving:~するだけでなく

On getting there, Jody wrote to the SEINO TRANSPORTATION staff.
(そこにつくとすぐ、ジョディさんは西濃運輸の担当に手紙を書いた)

Ms. Tarismanaspect slipped in crossing the road.
(タリスマンスペクトさんは道路横断中にすべって転んだ)

Nara is truly worth paying a visit to by the time that you leave for US.
(奈良は、アメリカに出発する前に一度は訪問しておく価値がある)

Besides making plan, Ms. Fukufuki carried it out.
(計画倒れに終わらせることなく、フクフキさんは計画を実行した)

Besides being reasonable in price, KABU method e-learning tool is very effective in vocabulary building.(KABU方式のe-ラーニング教材は価格が手頃なだけでなく、単語力増強に極めて効果的だ)





[2]「give+前置詞」と「第4文型→第3文型」の書き換え

◆give+前置詞
give in, give in to:(書類などを)提出する
give over, give over to:(物などを)引き渡す/~に充当する
give up:降参する/あきらめる

Could you please give the weekly schedule in to the Ground Self-defense Force Middle Army through the Internet?(インターネットで週間予定表を陸上自衛隊中部方面隊に提出してください)

The first day of the boot camp for civilian applicants (conducted by Japan's Self-Defence Force) will be given over to marching practice.(自衛隊が運営している体験入隊の初日は行進の訓練に充てられることになっている)

You always give up too easily, don’t you?
(もう、いつもあきらめるのが早すぎるんだから!)


◆「第4文型→第3文型」の書き換え
giveと言えば「与える」あるいは「だれだれに→なになにを与える」という意味が一般的です。中学校の英語の授業でも、giveは「~を与える」という意味では第3文型(S→V→O)の文を作り、「人に物を与える」という意味では第4文型(S→V→O→O)の文を作ると習ったのではないでしょうか。

第4文型を導く動詞を「だれだれになになにを与える」という意味で「授与動詞」といいますが、giveこそ授与動詞のチャンピオンと言っても過言ではありません。

さて、前置詞の話しからなんで「授与動詞」に話題が飛んだかというと、この第4文型と第3文型の書き換えの際にどの前置詞が使われるかは日本人の苦手な英語語法の一つであり、TOEFLやTOEICでスコアを伸ばすTipsだからです。基本の確認。中学校以来、次の二つの文は「同じ意味」だと習ってきませんでしたか。

▲「第4文型→第3文型」の書き換えに「to」を使う動詞
Mr. Dune gave her a dictionary.
Mr. Dune gave a dictionary to her.
(デュンさんは彼女に辞書をあげた)

☆授与動詞のチャンピオンのgiveのほか、hand(手渡す), lend(貸す),sell(販売する), send(送る), teach(教える), tell(話す)などtoを用いるこのタイプは「第4文型→第3文型」の書き換えにおける保守本流です。


▲「第4文型→第3文型」の書き換えに「for」を使う動詞
Ms. Shiho bought me a laptop PC.
Ms. Shiho bought a laptop PC for me.
(しほさんは私にラップトップのPCを買ってくれた)

☆「人のために」という親切や利益供与のニュアンスを含む動詞ではforが使われます。例えば、buy(買ってあげる), choose(選んであげる), cook(料理してあげる),make(作ってあげる)などが「for+人」を従えます。


▲「第4文型→第3文型」の書き換えに「of」や「with」を使う動詞
MOCS informed me how to use the e-learning system.
MOCS informed me of how to use the e-learning system.
(海上自衛隊の幹部候補生学校[Maritime Officer Candidate School ]でeラーニングシステムの使い方を教えてもらった)

☆実は、上の二つの例文のうち(me の直後に「how to use・・・」が来ている)最初のセンテンスの用法は「正しくない」とされ、辞書などでは、下の例文 もしくは、 Maritime Officer Candidate School informed me (about)how to use the e-learning system.でofやaboutが省略された形と説明されています。しかし、この第4文型形式の上の例文のような英文も英字新聞などで見かけることも稀にある。ならば、この例も「第4文型→第3文型」の書き換えに「of」が使われるケース」と分類できるでしょう。このタイプでTOEICの必須単語は、

The CEO provided the press with very crucial information.
The CEO provided very crucial information for the press.
(その会社の最高経営責任者は報道機関に極めて重要な情報を提供した)


[3]「第4文型と第3文型」のセンテンスの意味の違い
以下少し「アカデミック」な話しをします。抽象的な話しには興味がありませんという読者の方は「読み飛ばして」いただいてかまいません(笑)。

さて、第4文型と第3文型のセンテンスが前置詞を使って書き換えられた場合、それが「本当に同じ意味」と言えるかというと、実は疑問なのです。もちろん、大体は同じ意味だが、しかし、微妙にせよ意味が違うからこそ異なる形式(文型、前置詞の有無や選択される前置詞の違い)を取るとも言える。

現代の言語学では、(文型などの)「形式が異なれば意味も違う」とする立場が有力。そこでのキーワードは「情報の新しさ」(=そのセンテンスが話され書かれる相手方にとって「既知の情報」かどうかということ)です。つまり、英語では相手方が詳しくない情報ほどセンテンスの後にくる。そりゃーそーです。あんまり知らないことをいきなり言われたら誰だって「ビックリ」ですからね。つまり、次の二つのセンテンス、

(A)Mr. Akira gave her a dictionary.
(B)Mr. Akira gave a dictionary to her.

この二つのセンテンスのうち(A)の方では、アキラさんが彼女に何かをあげたことは聞いては知っていたが、何をアキラさんがあげたかはよく知らない読者に対して、「おいおいおい、知ってるか。なんとアキラさんは彼女に<辞書>をプレゼントしたんだぜ」という意味になり、

(B)ではアキラさんが辞書を誰かにあげたことは知っている聞き手に対して、「ちょっとちょっとちょっと、アキラさんが辞書を誰かにあげたのは知っているよね。な、なーんと、アキラさんは<彼女>にプレゼントしたんだよ。もう、超ビーックリ」というニュアンスになる。

こう考えると文型の違い、そして、その違いを演出する前置詞の働きは隅に置けないと思いませんか。







<確認演習>
この記事で説明したことを例題で確認しましょう。尚、前置詞は他のどの論点にもましてパターン認識が重要ですので、説明は簡潔に問題数をできるだけ多く収録することにしました。

▼例題1:
He has looked < > his little brother since their mother passed away.
(A) at
(B) for
(C) into
(D) after


訳:母が亡くなって以来、彼は幼い弟の面倒を見ている。
正解:(D)
説明:「動詞 + 前置詞」(=述語動詞)の群動詞はTOEIC730点以上を目指す上での最重要ポイントです。look forは「~を探す」, look into 「~を調査する」, pass away は die の婉曲な表現です。


▼例題2:
When a new sales representative is sent to a remote area which he/she is in charge of, the employer will pay shipping expenses < > their belongings (up to $1,000)as well as one-way transportation from the site where they receive their initial training session to the remote area.

(A) in
(B) for
(C) to
(D) with


訳:新任の営業担当者の担当地域が遠方の場合、当該の営業担当者が研修を受けた場所から担当地域までの片道の交通費はもちろんのこと、(1000ドルを上限にして)身の回りの物品を郵送する費用もまた雇用者が負担します。
正解:(B)
説明:「~に関する費用」はfor で表します。TOEICのパート6同様、課題文が長くても恐れず解答するのに必要な箇所だけ読む訓練を積んでください。優秀な自衛官の要領ですよぉー。


▼例題3:
Never turn the printer < > while printing.
(A) off
(B) of
(C) in
(D) into


訳:印刷中にプリンターをオフにしてはなりませぬ。
正解:(A)
説明:turn off 「~をオフにする(電源を切る)」。「電源を入れる」のは turn on です。


▼例題4:
The funding deal is expected to < > in the next month or so.
(A) go for
(B) go in
(C) go through
(D) go beyond


訳:その資金取引は来月あたりにはまとまるものと予想されている。
正解:(C)
説明:be expected to「~するものと思われている」の後にくる群動詞が求められています。選択肢は皆goの群動詞で、後につく副詞/前置詞の違いにより、go for「~しに行く」、go in「中に入る」、go through「~を通り抜ける」、go beyond「つなぐ、かける」、と意味も多様。而して正解は go through「~を完了する」。


▼例題5:
Government approval ratings fell again < > June.
(A) next
(B) on
(C) in
(D) the


訳:政府の支持率は6月に再び下がった。
正解:(C)
説明:in は時を表す前置詞で、月、四季、年などの比較的長い期間と一緒に用い、onは特定の日を表したいときに用います。尚、approval ratings は「支持率」。 


▼例題6:
Asahi Rockets experienced another drop < > net profits.
(A) to
(B) from
(C) in
(D) with

訳:アサヒ・ロケッツ社は再び純利益が下落した。
正解:(C)
説明:名詞 drop の後にくる適当な前置詞が求められています。物価・株などの下落、温度などの降下は、drop の後にinをつけ、a drop in prices(物価の下落)、a drop in temperature(温度の下降)と表現します。尚、net profitsは「純利益」。


▼例題7:
Men are paid < > rate as women in this NGO.
(A) at same
(B) at the same
(C) same
(D) same

訳:このNGOでは、男性は女性と同じレートで給与を支払われています。
正解:(B)
説明:at the same rate で「同じ値で」という意味。(D)の構文だと、as の後に(asが導く節の)主語になる名詞類がこなければなりません。


▼例題8:
The figures suggest that the West European economies have finally turned < >.
(A) back
(B) around
(C) down
(D) forward


訳: 数値は、西ヨーロッパの経済がやっと改善したことを示している。
正解:(B)
説明:述語動詞 have turn につながる前置詞を選ぶ問題です。ここでは turn around「改善する」が適切。


▼例題9: Since I was away < > business, I didn't know about the seminar.
(A) on
(B) over
(C) for
(D) with


訳: 出張していたのでセミナーのことは知りませんでした。
正解:(A)
説明:文脈からbusinessと組んで「ビジネスで」を表す前置詞が求められます。


▼例題10:
The Chief Cabinet Secretary announced that Japan would have nuclear weapons < > three years.
(A) almost
(B) for
(C) during
(D) within


訳:日本は3年以内に核武装をすると官房長官が発表した。
正解:(D)
説明:「~以内に」はwithin, over, inなどで表すことができます。Duringは「夏休み」などの「明確な期間の間中」という意味を、forは特定されない「期間の間中」という意味であり、活動等の納期を決めた表現とは併用できません。


▼例題11:
We learned that the Constitution of Japan was newly established and independently enacted without the former constitution, with using it, that is, using the Constitution of the Empire of Japan < > a ritual for the constitution-building process.

(A) with
(B) on
(C) in
(D) as


訳:私達は、日本国憲法は、憲法制定のプロセスにおいて、その儀式の式次第として大日本帝国憲法を使用しつつも、旧憲法とは無関係、かつ、全く新しく制定されたことを学びました。
正解:(D)
説明:asは「~として」という意味の前置詞としての用法もあります。TOEICのパート6同様、課題文が長くても恐れず解答するのに必要な箇所だけ読む訓練を積んでください。これ優秀な自衛官諸君の要領です。


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