軽井沢ル・ボン・ヴィボン

背水の陣

おそらく「自分を変える」というのは、不可能なんだと思っています。
自分からは離れられない。
では「自分を変える」とは何を変えるのか?まるで哲学のような命題です。

以前に書いたかもしれませんが、僕は自分を変えたくて
20年目(5年ほど前)にある事を実行しました。
それは、その時点から過去5年ほど遡ってそれ以前のレシピ本を全て捨てる
というもの。

取捨選択とか断捨離ではなく、惜しい物も思い切ってバサッと。
過去に拠り所を求めず、現在から未来に拠り所を求めるために。
もうこれで後戻りできないぞ、という決意を込めて。
捨てた本はかなりの量で
古本屋さんなどに出せば相応の価値があったかもしれませんが、あっさり捨てました。
アイデンティティごとひっくり返したかった。

あれから5年。
カッコ付けて「背水の陣」のつもりでしたが失敗でした(汗)
ちょっと本が多過ぎたので保管場所の整理にはなりましたが
喪失の重みの方が勝ってしまいました。

人間は「習慣の生き物」なので、習慣というのは変えにくく
仕事も手に染み付いてしまっているから
本を失うくらいでは何も捨てる事はできませんでした。

ここで話が冒頭に戻るのですが
「なんで変わりたかったのか?」
単純にお客様に喜んでいただきたいからです。
何度もお越しくださるお客様が飽きないように、できるだけ違ったお料理をお出ししたい。
そんな気持ちから自分を追い込んできましたが
あまり突き詰めると息苦しくなるので、もう少し肩の力を抜いて
どうやったらお客様に楽しんでいただけるのか?
と、思考の方向を変えた方が良さそうです(なんか哲学みたい)

なので、この先も自分らしさ(アイデンティティ)は色濃く残るんだと思います。
「努力をやめる」という意味ではなくて
その辺を受け入れて姿勢は前向きのままで。

でも、少しでも「今」を拾っていきたいな。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「お店のこと」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事