昨日のアクセス。なぜか時間が30分くらい延びていて、内容も面白かったので簡単にフォロー。
まず、企業が一人採用するのには一千万近いコストがかかっていて、切りたくて
切っている企業なんてありえない。だから、問題の本質は、
・もっとも低賃金の新人候補だけを切ることに、意義や意味はあるのか
・新卒至上主義の日本で、新卒時にこけると後々まで響く
という2点だ。
となると、内定取り消しだけを規制するというのは対症療法であり、それをやると
恐らく企業は
・正社員採用をきわめて優秀な人間のみに限り、後は非正規雇用にシフト
・“内定”が雇用契約化し、辞退も難しくなる
のどちらかになるはずだ(多分、両方)。
特に、内定制度というのはある意味グレーな存在だからこそ学生も助かっていたわけで
仮に厳格な契約にシフトしてしまうと、学生は本命企業と一発勝負、辞退なんて
したら違約金なんてことになりかねない。
まあ海外はそうなんだから、それでもやれなくはないだろうけど、当の学生にとっては
選択肢が大幅に狭まると思われる。
根本的な原因療法としては、流動化を進めて年齢給を無くし、内定者だけが切られる
ことのないようにすること。仮にやはり内定取り消しを優先するにしても、一定の
流動化が進んでいれば、新卒中心主義も薄まるので、そうそう悲観的になる必要も
なくなるだろう。
余談だが、民主党の「合理的な理由の無い内定取り消しは無効」
という規制法案は、一見学生に優しそうに見えるが、上記の観点からすると
まったく本質に触れないアドバルーンなのがよくわかる。
スポンサー様の既得権との絡みで大変なのだろう。
最後、三人のリスナーの意見は興味深かった。
①“内定”なんてものがあるのは日本だけ。ヨーロッパにいたが、年齢や学歴
だけでなく、現時点での能力を見るようにすべき
②(内定式なども廃止して)いつでも学生が辞退できるようにすれば、
実質的に企業は通年採用せざるをえなくなり、新卒中心主義は消える
③新卒以外からの採用も義務付ける
三名とも、問題の本質が年齢にあると気づいている。
特に③は僕が言っている意見とほぼ同じで、大手には新卒以外、できれば非正規雇用労働者
からの採用枠を義務付けるべきだ。
これなら労組も反対しないし、実質的な職務給コースが組合員の中に生まれることに
なるから、一定の流動化は進むだろう。
「フリーターや女性、老人なんて雇えるか」
というような企業は反対だろうが、あそこも大赤字でしおらしくなっているので
今なら大きくは反対しないだろう。
まず、企業が一人採用するのには一千万近いコストがかかっていて、切りたくて
切っている企業なんてありえない。だから、問題の本質は、
・もっとも低賃金の新人候補だけを切ることに、意義や意味はあるのか
・新卒至上主義の日本で、新卒時にこけると後々まで響く
という2点だ。
となると、内定取り消しだけを規制するというのは対症療法であり、それをやると
恐らく企業は
・正社員採用をきわめて優秀な人間のみに限り、後は非正規雇用にシフト
・“内定”が雇用契約化し、辞退も難しくなる
のどちらかになるはずだ(多分、両方)。
特に、内定制度というのはある意味グレーな存在だからこそ学生も助かっていたわけで
仮に厳格な契約にシフトしてしまうと、学生は本命企業と一発勝負、辞退なんて
したら違約金なんてことになりかねない。
まあ海外はそうなんだから、それでもやれなくはないだろうけど、当の学生にとっては
選択肢が大幅に狭まると思われる。
根本的な原因療法としては、流動化を進めて年齢給を無くし、内定者だけが切られる
ことのないようにすること。仮にやはり内定取り消しを優先するにしても、一定の
流動化が進んでいれば、新卒中心主義も薄まるので、そうそう悲観的になる必要も
なくなるだろう。
余談だが、民主党の「合理的な理由の無い内定取り消しは無効」
という規制法案は、一見学生に優しそうに見えるが、上記の観点からすると
まったく本質に触れないアドバルーンなのがよくわかる。
スポンサー様の既得権との絡みで大変なのだろう。
最後、三人のリスナーの意見は興味深かった。
①“内定”なんてものがあるのは日本だけ。ヨーロッパにいたが、年齢や学歴
だけでなく、現時点での能力を見るようにすべき
②(内定式なども廃止して)いつでも学生が辞退できるようにすれば、
実質的に企業は通年採用せざるをえなくなり、新卒中心主義は消える
③新卒以外からの採用も義務付ける
三名とも、問題の本質が年齢にあると気づいている。
特に③は僕が言っている意見とほぼ同じで、大手には新卒以外、できれば非正規雇用労働者
からの採用枠を義務付けるべきだ。
これなら労組も反対しないし、実質的な職務給コースが組合員の中に生まれることに
なるから、一定の流動化は進むだろう。
「フリーターや女性、老人なんて雇えるか」
というような企業は反対だろうが、あそこも大赤字でしおらしくなっているので
今なら大きくは反対しないだろう。
私は新卒採用に関してはすべてインターンシップや研修生、非正規雇用から入るというのが理想かと思います。そこで半年くらいの業務経験を経てから正式に雇用されるというのはどうでしょう。これなら、新卒でない既卒でもチャンスが生まれます。
最も雇用流動化が前提ですが。上が詰まっている時に入り口だけフラットにしてしまうと、派遣問題と同じことになっちゃいますからね。
>>企業が一人採用するのには一千万近いコストがかかっていて
内訳はどんな感じでしょうか?大雑把でいいので。
失礼しました。
教育の現場に市場主義を入れるな!とかいって利用者の利益を無視した「全人格教育」で次から次へと被害者を生み出している制度こそ癌でしょう。
日本のいかれた学歴差別主義は自分で自分の首を締めているだけですしね。
中卒、高卒、短大卒、専門卒、大卒、大学院卒ってそれ自体はまったく企業活動と無関係でしょ(笑)
今のこの国は江戸時代に士農工商えたという架空の秩序をつくって上手く支配している気になっていたナントカ幕府と同等ですよ。
まぁ、これが「日本人の限界」なのでしょうが。
内定制度と言う日本的な曖昧な決まり事のせいで、企業も学生も振り回されてますね。雇用契約化すれば内定辞退の『歩留まり』を気にせず企業は必要数だけ獲ることが出来ますし、学生側も突然の内定取り消しにガッカリすることもなくなりますね。早く法制化して貰いたいものです。
基本的に年間契約で年俸制もしくは時給制を取っており、昨年の業務実績によって年俸は決まります。そして、掛け持ちや移籍もざらなので、流動性も非常に高い。それゆえに引き抜き、移籍、さらには独立もありました。時給換算で、正社員よりも高い給料をもらえましたが、保障はほとんどありませんでした。
ただ、この制度は雇用主には不利なシステムとも言えます。おそらく一般企業のいわゆる正社員を雇うほうが、楽な気がします。まず、来年その講師に残ってもらうために、企業が努力する必要があります。非常に日本的な話なのですが、結果的に40過ぎの正社員の方が、20代の私に頭を下げざるを得ないのは、日本人的価値観からは、辛いものがあったと思います。
そして、一方で将来や収入が安定しないという点も、労働者としては厳しかったような気がします。年収が1千万からゼロになることもあるので、複数年契約などの様々な契約ほうが取り沙汰されていました。
雇用の流動化の際に重要になるのは、おそらく長期契約者のインセンティブをどのように提示するのか、ということになるのでしょうね。
オーダーで中途採用しているので、現状でも「新卒以外の枠をとること」
は十分満たせているような・・・。
(もちろん経験者の即戦力採用ですから、フリーターは入れません。
じゃ、「経験者でない新卒以外の枠をとること」となると、何をもって
経験なのか、(たとえば他業種からの転職ならいいのかダメなのか、
同業でも経験のない職種ならいいのか)という議論になり、非常に企業
活動の自由を束縛することになるとおもいます。)
年齢制限が厳しいとか、中途採用のほとんどない業種の代表格といえば、
公務員ですね。まずはここをなんとかしてもらわないと。(毎度の
公務員叩きで申し訳ないですが。)
ちなみに内定問題ですが、日本的雇用とは全く無縁に見える外資金融
なんかが日本企業以上に内定を出す次期が早かったりしますよ。
早く内定を出しても学生から切られない自身があるのと、きられたら
切られたで、企業側も学生側もまあいいや、ってことなんでしょうけど。
最近の学生側の大手企業志向にも、内定切りされるリスクを低くする
ため、という合理性は見えるように思います。
それができるのは、最終的な顧客である受験生(とその親御さん)が、真剣に成果を求めるからではないでしょうか。なにしろ一生を決める(かもしれない)受験です。良い講師になら倍の金を払ってもおつりが来るけれど、たとえ半額でも駄目教師に教わって受験で失敗すれば元も子もない。だから真剣に講師の善し悪しを判断するし、駄目な教師や予備校は淘汰されていく。中にはいい加減な評価しかしない受験生もいるかもしれないけれど、そういう人は受験で失敗することにより、手痛いしっぺ返しを受けるでしょう。
これに対して、日本の企業の多くは「なあなあ」で済ますことが多いですからね。
F痛などのSIerなどは、その最たるものです。設計ミスがあろうと、コストが倍かかろうと、大規模トラブルでブログが長期間サービス停止しようと、データが数ヶ月分消えようと、「契約通り」でさえあれば顧客も特に問題視しませんから。これではSIerは頑張れば頑張るだけ損なので、いかに手抜きをするかが重要になってきます。もちろん社員などは「残業手当を払う必要のない、安くて使い捨てにできる派遣社員」みたいなものですから、若くて生きが良くて「頭が良くない」ことが最も重要視されるようになるのです。
そりゃあ自分で手を汚す代わりに、そういう仕事も下請けに押し付けてますからね。
例えばF痛やトヨタ自体は斬り捨てて無くても、下請け派遣会社への受注を無くして、下請け会社で100人単位の内定取り消しを発生させて、本社は知らぬ存ぜぬ、「それは下請けの自己責任」で押し通せばいいわけです。
古い手ですよ。人事関係者なら、知らないわけないですよね?