Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

「本当にダメな子なんていないんだ、みんなやればできるんだ」を証明してくれた自民党

2010-07-20 10:21:34 | その他
知り合いの経営者で、ずっと自民党支持だったのに、昨年から支持をやめたという人がいる。
なんでも支部の新年会で挨拶に立った元閣僚が、10分間すべて使って民主党の悪口しか
言わないのを見て「こりゃダメだ」と思ったからだそうだ。
こういうライトな支持層の失望こそ、政権交代の本当の理由だろう。
個人的な経験からも、雇用問題の特集番組でのこのこ出てきて
「同一労働同一賃金て共産主義ですか?」と言ってのける石原センセイのような人は、
与党時代の自民党にはゴロゴロいた。

ところが、その自民党のフットワークがえらくよくなっている。
(ややまとまりに欠けるものの)若者マニフェストによるマニフェスト採点では最高評価
だったことからも、少なくとも方向性については認識しているようだ。
一見迷走しているように見える民主党にしても、埋蔵金依存のような空論から地に足の
ついた政策にシフトするための過渡期に過ぎない。
「何やっていいのかわからない」的な迷走というのは自民末期の頃のことであって、
現在の状況は、なんだかんだ言いつつも前進していると言えるだろう。

政治の成長を引き起こしたものは、言うまでもなく政治の流動化である。
長く居座った与党から落ちることで、自民党は何を求められているのか真剣に考えるように
なり、民主党は与えられた状況の中で、出来ることと出来ないことの線引きを学んでいる
最中だ。この繰り返しこそ、政治のレベルを底上げするのだろう。
要するに、流動化なくして、人も組織も成長しないということだ。

ところで、日本全体で流動化を進めれば、どんな未来が待っているだろうか。
ただポストに胡坐をかいているだけの人が交代させられ、必死になって、市場から求められ
ているものを学び身につける。新たに組織に入った人は、現状で最適の答えを出そうと
努力する。官にせよ民にせよ、日本全体の新陳代謝は一気に進むに違いない。

ダメだダメだと言われ続けていた自民が、たった一回の流動化でこれほど前進したことを
考えれば、大いに期待せずにはいられない。
日本の地力というのは、まだまだ捨てたものではないのだ。
今の日本に必要なのは、その地力を縛りつけている規制の撤廃である。

最新の画像もっと見る

23 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
政権交代を支持 (cadez)
2010-07-20 13:10:35
昨年の衆院選で民主に入れた人の中でも、
ある程度見識のある人は「政権交代」を支持(「民主」を支持ではなく)だったんだと思います。

でも自民党自身がここまで短期で雰囲気を変えてくるとはちょっと思ってなかったです。

老害が減ったから?
返信する
Unknown (tip)
2010-07-20 17:52:29
労働市場の規制緩和を100%支持していますが、具体的に始めるとすると、緩和すべきところと緩和すべきでないところを分けるべきなんでしょうか。
例えば、ホワイトカラーは規制完全撤廃、ブルーカラーはある程度規制を残す、とか。(この例が可能かどうか分かりませんが)
もしそうであれば、小役人達はすべきではない事しかしないDNAが持っているので、そうさせないように注意が必要かと。
返信する
あと10年早ければ… (皇帝ペンギン)
2010-07-20 19:37:04
個人的には参院選の結果は考えられる中で最も望ましい結果になったと漠然と思っています。
自民党では片山さつきや佐藤ゆかりといった(常識的な)経済通が復活したことだし、今後さらに健全な議論が行われることを期待します。しかし民主党に規制緩和は出来るでしょうか。それが出来ないが為に公共事業でも規制緩和でもない「第三の道」なるものをひねり出した様に見えるんですが。。。しかも内容を見る限り公共事業の業種が建築から福祉に変わって財源は借金できないから増税で賄うというだけで、どう考えても「第一の道」の異業種版としか思えません。野党に何とか説得して欲しいものです。しかしまあ私が言うのもなんですが、日本の政治家のレベルって何でこんなに低いんですかね。

しかしこういう動きがあと10年早ければ良かったかも知れませんね。
近頃は「リフレでもやって早く破綻した方がいい。」と言う意見もある様です。それは正に新自由主義の権化として有名なミルトン・フリードマンが言うところの「クリエイティブ ディストラクション(創造的破壊)」を意味するんでしょうが、前提として回復するための余力が残っている必要があります。そして日本が破綻したら当然日本だけの問題じゃ済まないでしょう。しかもギリシャやアルゼンチンの比ではないでしょう。大前研一は「破綻すれば日本が保有する米国債を売却せざるを得ない。」と言ってるけど、それはとんでもない事を意味しています。米国債、ドルも大暴落して破綻の連鎖となり、正に世界恐慌の可能性が出てきます。下手をすれば、或いは下手をしなくても戦争になりかねません。いずれにしても何らかの世界的大惨事は避けられないでしょう。日本とアメリカ抜きのIMFなど機能しないだろうし、ヨーロッパも微妙だし。「日本はメガトン級の時限爆弾だからそっとして置こう。」というのがG20の暗黙の了解だったのではないでしょうか。

そういう意味では日本の財政問題・リフレ派問題は世界の問題。外圧が働いても良さそうなもんですが。。。

ブログの趣旨から大分はずれて恐縮ですが、平和が続くことを心から祈ります。
平和さえ続いてくれればこつこつと改善されていくことでしょう。
返信する
Unknown (自民党が本気かは大いに疑問)
2010-07-20 19:54:18
残念ながら、
「いちばん」とか「中途半端な努力では~」とか全く中身がある主張とは思えません。

マニフェスト全体に目を通せば多くの人は「総花的」という印象を持つんじゃないでしょうか。
総花的ということは即ち責任政党になったら実現不可能な公約ということであり、「選挙で票を得る為だけの口約束」以外の何者でもありません。

主張の方向をより絞っていただきたいものです。
敵を作らないで改革ができるとでも思っているのでしょうか。
それとも改革ってつぶやいてれば与党になれるのかな。
まあ、せいぜい頑張ってもらいたいものです。
たいして期待も信用もしてませんけどね。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-07-20 20:59:33
自民の片山さつきあたりの人たちも、最初の時期が違えば民主党議員だったかも知れません。
土建的自民党議員、労働貴族民主党議員が消えれば日本の政界は変わると思います。
返信する
流動化こそ (タカ)
2010-07-20 21:34:02
10kぐらい前かな、まだ自民党の与党の地位がゆるぎなかったころ、高校のときの若い政治に興味がある先生が言ってたのは、鳩山には期待してないけど、ひとつの政権が力を牛耳っているのは健全ではないってこと。それが今すっごい良く分かる。
返信する
外部との競争は必要、というか当然 (LB4)
2010-07-20 21:36:04
cadezさんに同感です

二大政党制に対して疑問だという声もよく耳にしますが、
自民が万年与党として「他党との」競争がほとんど無かった一党優位制の時より現在の方が、
確実に政治的な前進の可能性が感じられます
返信する
連合万歳 (労働者)
2010-07-20 21:42:54
医師会と農協潰してから言ってください。
個人的には、連合はあと50年は与党側に居て欲しい。でないと自民支持連中に利権で差別された恨みは消えねえからよ

ところで世代間格差ってさ、今じゃ没落気味のイタリア人が「ローマ帝国時代の祖先はヨーロッパを支配していた。今では先進国最下位だ。このような格差は許せない!!!」と言うようなものでしょうか?

世代間格差を信じる人々は、本気で解決したいなら親を殴って「階級闘争」すべきかと。
返信する
Unknown (epi)
2010-07-20 21:47:47
自民の今回の選挙の顔は小泉jrでしたね。
若くてさわやか、しゃべりも上手い。
後は中身でしょうか。
ちゃんと政策の討論が出来るかどうか、まだ未知数なところがあります。

逆説的に言うと、20代の新人議員に頼らなければならなかった自民党は大丈夫か?とも言えますね。
バブル世代の人材不足は気になりますね。この年代は民主の方が層が厚い。
団塊世代が抜けた後の自民党の再編が面白くなってきたような。
返信する
自由があるのが「自由民主党」 (1970年生まれ)
2010-07-20 22:36:10
自民党も、森元首相に代表される総理経験者、派閥の長を次の選挙で引退させれば、世代交代を印象付けた上に新陳代謝が進むでしょう。

「自由があるのが自由民主党。自由がないのが民主党」と小泉進次郎氏はうまいことを言っていましたが、いずれ日本の政党は「大きい政府」か「小さい政府」かを軸足に中道の票を取り合う、アメリカの民主党VS共和党のようになるでしょう。その過程で、自民党の中から民主へ鞍替えする人もいるでしょうし、民主から自民へ鞍替えする人も出るでしょう。

従来は自民党の支持基盤であった日本医師会などの職能団体(労組ではありません)、経済界も是々非々で対応するようになり、政界の「がらがらぽん」が起きるでしょう。そして、社民・共産・国民新などは自然消滅へ。
後は2大政党にプラス地域分権や個別政策を掲げる第3党がどれだけ成長するかです。英国のように第3党が連立で入ってもあれだけしっかりした政策を矢継ぎ早に打ち出しているのですから、第3党の可能性はリーダー次第でしょう。

問題は、日本の財政悪化と政界の再編・再建のどちらが早いかです。ここは超党派の合意で財政悪化に歯止めを掛けて、5年~10年で政界の再建ができればと思います。

考えてみれば、自民党はかつて三角大福中などと言われた派閥争いが一種の疑似政権交代であったと指摘する識者もいます。自民党内でオール主流派体制になったのが新陳代謝を妨げていたのかもしれません。

次は民主党の代表選挙が注目ですね。民主党が「ダメな子」なのか「やればできそうな可能性のある子」なのかの試金石です。今までの民主党は評価できませんが、日本の将来を考えると、自民党を切磋琢磨してほしいものです。

返信する