最近、なぜかあちこちで「モリタクの二枚舌」について質問されるので、
簡単にまとめておきたい。
昔からそうだが、この人は登場するメディアによって言ってることが180度変わる。
サンプロやテレビタックル等の地上波では「正社員の賃下げなんてもってのほか」
と言っているものの、日経BPだと「正社員の既得権にメスを入れろ」という
当たり前の正論をこっそりと吐く。
彼はいつも「経営者報酬は倍に増えた、だから労働者は貧しくなったんですよ」
という階級闘争史観的ロジックを口にするが、もちろん今時こんなバカ丸出しの珍説
を本気で言っているわけではない。日本の経営者報酬が激安であること、そして
そんなもん削ったって何の解決にもならないことくらい、しっかり理解している。
ちなみに倍に増えたといっても、
①単に00年前後の不況時と比べた結果にすぎない、
②株式持合いが崩れ、一定の経営責任が要求されるようになった(その結果、
役員退職慰労金のような曖昧なものを廃止して報酬に上乗せする上場企業が増えている)
といった事情からだ。
余談だが、いまだにこういう意見を信じてるのは、左翼の中でも相当頭の悪い人
だけなので、若い人は相手をしちゃダメだ。
他にもまだまだあるのだが、要するに森永さんという人は、メディアごとに、視聴者
読者の多数が喜ぶものを見抜き、提供しているに過ぎないわけだ。
日経でこっそり既得権問題に触れたのは、
少なくとも日刊ゲンダイや毎日新聞よりは日経読者の知的水準が高く
「100%経営者が悪い」的な論法では相手にされないと見抜いたからだろう。
氏のことを「一貫性がない」と言う経済学者もいるが、そもそも本人は一貫させる
意志など最初から持っちゃいないはずだ。
一方、使う側のメディアにとっては、モリタクはとても使い勝手の良い人ではある。
バラエティから政治討論まで何でもソツなくこなしてくれ、しかもメインの視聴層
である中高年を喜ばせてくれるのだから。彼が“経済学者の代表”として
メディアジャックしていけるのは、これが理由だ。
“正論”しか言わない学者は、正論であるがゆえに既存メディアの真ん中に
出てくることは今後もないだろう。
そういう意味では、モリタクはきわめて優秀なビジネスマンだ。
顧客のニーズを見抜き、営業トークを巧みに使い分け、顧客満足度を高めて連日の
ようにメディアに登場する。そして知名度を引っさげて執筆、講演を手広く行い、
彼が批判するトヨタの経営陣などよりずっと豊かな収入を得ているのだから。
だが、彼は断じて学者ではない。
とまあいろいろ書いてみたが、彼に悪気は無いのかもしれない。
事実、カメラの回っていない場でのモリタクは、気さくなどこにでもいるオッサン
である。
「オレは単純に視聴者が求めるものを提供してあげてるだけだ。一々かたいこと言うな」
くらいに思ってるはずだ。
だが、彼の展開するポジショントークは確実に改革を遅らせ、既得権を温存してしまう。
我々の世代にとってはとうてい看過できるものではないし、
特に立場の弱い非正規 雇用労働者はこのまま行けば十数年後、
地獄を見ることになるだろう。
貧困ビジネスという言葉が話題となっているが、日本社会に与える負の貢献度で言うなら、
僕は森永卓郎こそ最凶の貧困ビジネスマンだと思っている。
この男が嬉しそうに語るインチキ経済学によって、どれだけ世論が歪められたことか。
テレビで彼の温和な笑顔を見るたび、僕はいつもある諺を思い出すのだ。
「地獄への道は善意で舗装されている」
簡単にまとめておきたい。
昔からそうだが、この人は登場するメディアによって言ってることが180度変わる。
サンプロやテレビタックル等の地上波では「正社員の賃下げなんてもってのほか」
と言っているものの、日経BPだと「正社員の既得権にメスを入れろ」という
当たり前の正論をこっそりと吐く。
彼はいつも「経営者報酬は倍に増えた、だから労働者は貧しくなったんですよ」
という階級闘争史観的ロジックを口にするが、もちろん今時こんなバカ丸出しの珍説
を本気で言っているわけではない。日本の経営者報酬が激安であること、そして
そんなもん削ったって何の解決にもならないことくらい、しっかり理解している。
ちなみに倍に増えたといっても、
①単に00年前後の不況時と比べた結果にすぎない、
②株式持合いが崩れ、一定の経営責任が要求されるようになった(その結果、
役員退職慰労金のような曖昧なものを廃止して報酬に上乗せする上場企業が増えている)
といった事情からだ。
余談だが、いまだにこういう意見を信じてるのは、左翼の中でも相当頭の悪い人
だけなので、若い人は相手をしちゃダメだ。
他にもまだまだあるのだが、要するに森永さんという人は、メディアごとに、視聴者
読者の多数が喜ぶものを見抜き、提供しているに過ぎないわけだ。
日経でこっそり既得権問題に触れたのは、
少なくとも日刊ゲンダイや毎日新聞よりは日経読者の知的水準が高く
「100%経営者が悪い」的な論法では相手にされないと見抜いたからだろう。
氏のことを「一貫性がない」と言う経済学者もいるが、そもそも本人は一貫させる
意志など最初から持っちゃいないはずだ。
一方、使う側のメディアにとっては、モリタクはとても使い勝手の良い人ではある。
バラエティから政治討論まで何でもソツなくこなしてくれ、しかもメインの視聴層
である中高年を喜ばせてくれるのだから。彼が“経済学者の代表”として
メディアジャックしていけるのは、これが理由だ。
“正論”しか言わない学者は、正論であるがゆえに既存メディアの真ん中に
出てくることは今後もないだろう。
そういう意味では、モリタクはきわめて優秀なビジネスマンだ。
顧客のニーズを見抜き、営業トークを巧みに使い分け、顧客満足度を高めて連日の
ようにメディアに登場する。そして知名度を引っさげて執筆、講演を手広く行い、
彼が批判するトヨタの経営陣などよりずっと豊かな収入を得ているのだから。
だが、彼は断じて学者ではない。
とまあいろいろ書いてみたが、彼に悪気は無いのかもしれない。
事実、カメラの回っていない場でのモリタクは、気さくなどこにでもいるオッサン
である。
「オレは単純に視聴者が求めるものを提供してあげてるだけだ。一々かたいこと言うな」
くらいに思ってるはずだ。
だが、彼の展開するポジショントークは確実に改革を遅らせ、既得権を温存してしまう。
我々の世代にとってはとうてい看過できるものではないし、
特に立場の弱い非正規 雇用労働者はこのまま行けば十数年後、
地獄を見ることになるだろう。
貧困ビジネスという言葉が話題となっているが、日本社会に与える負の貢献度で言うなら、
僕は森永卓郎こそ最凶の貧困ビジネスマンだと思っている。
この男が嬉しそうに語るインチキ経済学によって、どれだけ世論が歪められたことか。
テレビで彼の温和な笑顔を見るたび、僕はいつもある諺を思い出すのだ。
「地獄への道は善意で舗装されている」
「学生の評価が高い(つまり、満足度の高い)講義が、必ずしも質の高い講義とは限らない。なぜなら、厳しい講義をするよりも、質が低くとも「わかりやすくて」耳障りの良いことを面白おかしく話して学生を満足させたほうが、評価が高くなることもあるからだ」
モリタクもきっと大学で、学生を「学んだ気にさせるだけ」の授業をしているのでしょうね。大学教育にすら、資本主義のシステムが入り込み、それに満足する「顧客」が存在するような世の中(モリタクに限らず、耳障りの良い「インチキ」に洗脳される人は確実に増えていると感じます)においては、歪められた世論そのものが破綻をしない限り、物事は前に進まないのかもしれないですね。
どういう評価軸を用意するかにもよりますな・・・異様にわかりにくい講義をする先生もいますから。
評価の仕組みは、あっていいかと。
大型メディアには国民を考えさせ、啓蒙する義務があると思います。もしそれが出来ないなら、放送業を自由化すべきかと思いますね。
大衆迎合になればなるほど、若者は不利になります。なぜなら若者は大衆の中での割合が少ないのですから。
森永卓郎氏に限らず、テレビ・ラジオで見聞きしたことを「鵜呑みにするな!」という戒めの代表ですかねw?
正社員の既得権にメスも然ることながら、中央・地方の財政赤字が1,000兆円と言われる現在の日本で、効果が薄そうな景気対策に更に税金を投入して、国が持ちこたえるんでしょうか?
『地獄への道』は、日本国全体?