備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム226.古代備中国の中心部(その3・備中国總社)

2009-12-04 21:45:37 | Weblog
備中国總社(びっちゅうのくに そうじゃ)。
場所:総社市総社2-18-1。JR吉備線「東総社」駅から徒歩約5分。国道180号線に面して駐車場入口がある。
古代において国司の重要な任務の1つが神社の巡拝だったが、平安時代になると、国府の近くに総社宮を設置して巡拝の手間を省くようになった。このため、国司の力が弱まると総社宮も廃れ、中世には多くが廃絶したとされる。「備中国総社宮」も何度か焼失しているようで、変遷はよくわからないところもあるが、池泉のある前庭など古代の様式を伝えているという。なにより、総社市の名のもとになったほど、尊重された神社なのである。ちなみに、当神社はJR「東総社」駅前にあるが、もとはこの駅が「総社」駅だった(昭和34年(1959年)に「総社」駅を「東総社」駅に、「西総社」駅を「総社」駅に改称。)。
「備中国総社宮」(写真上・中)は、「伝備中国府址」の西、約2kmの距離にあり、どちらも国道180号線沿いにある。境内にある「沼田神社」(写真下)が式内社「野俣神社」であるとされ、どうやら、もともと「野俣神社」があった場所に総社宮を設けたらしい。神社の社殿は一般に南を向いているが(「沼田神社」は南面している。)、「備中国総社宮」は東、すなわち、国府のほうを向いている。
「備中国総社宮」の現在の主祭神は大己貴命で、総社としては備中国304社の神を合祀している。うち18社は式内社であろうが、それ以外の具体的な神社名は残念ながら不明。


岡山県神社庁のHP(總社):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=19056

玄松子さんのHPから(總社(総社市)):http://www.genbu.net/data/bicchuu/soujya_title.htm


写真上:備中国「総社宮」正面。鳥居の扁額は「惣社」。


写真中:備中国「総社宮」本殿


写真下:備中国「総社宮」境内にある「沼田神社(沼田天満宮)」。これが式内社「野俣神社」だという。