晴れて「睡眠時無呼吸症候群」と診断されたわけですから、今度は治療方法の検討をしなければなりません。
治療方法にはいくつかありますが、ごく一般的に採用されている
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)を採用することになりました。
これは、寝ている間に鼻から一定の圧力で空気を送り込み、気道が塞がるのを防いで無呼吸状態を無くそうとする方法です。
写真にあるのがそのCPAPの本体です。
ここから掃除機のホースみたいなのが出ていて、その先は人工呼吸器みたいな感じになっています。
これを鼻に被せて寝るわけですが、見た目は戦闘機のパイロットみたいになります。
検査用の電極を付けたときには頭にネットを付けるため、パイロットを通り越して冷凍ミカンになったような気分です。
あの、赤いネットに入ったおいしいミカン。
最近はまったく見かけなくなりましたが、いまでもどこかで売られているのでしょうか。
検査技師さんがちょうど同世代らしく、この話題で大いに盛り上がりました。
この装置の装着練習と、効果があるかどうかを検査するため、三泊の入院をしてきましたが、電極を体中に付ける、おそろしく寝苦しい検査ももちろん含まれていました。
そのうえ、昼間は病院にいても仕方がないので、仕事に行ってもいいと医師から言われ、せっかく休めると思っていたのがとんでもない方向に進んでしまいました。
幸いなことに、自宅も職場も病院からわりと近いので、毎朝6時に起床していったん帰宅し、風呂に入って着替えを鞄に詰め、そのまま仕事をしに行って夕方には病院に帰るという日々を送りました。
こう書くとハードに見えるかもしれませんが、病院に帰って詰所の前を通るときにおもわず「ただいま~」と言ってしまうぐらい、これがなかなか快適な生活でした。
昔はテレビを見ようと思えば業者に頼んで持ってきてもらったものですが、私が入院していた病院は各ベッド脇に液晶テレビが備え付けてあって、プリペイドカードを買えばすぐ見られるようになっています。
もっとも、私はあまりテレビを見ないタイプの人間なので、入院期間中には一度もテレビを見ませんでしたが。
さらに、病院の食事はマズいのが常識と思っていましたが、これがなかなか旨かったので驚きました。
ただ、やはり病院の食事というだけあって、量はすごく少なかったですけど。
ま、それは仕方のないことですね。
看護師さんも親切な方ばかりで、そこが病院でなくマンションだったら契約しているところです。
さて、話をCPAPに戻します。
初めて装着した日、まず思ったのは「鼻が痛い」ということでした。
鼻から勝手に空気が入ってくるので、ものすごく違和感もありました。
はっきり言ってなかなか寝付けません。
結局、三日とも夜中に無意識のうちに装置を外していたようです。
治療の一環とはいえ、これはなかなかの苦痛です。
最終日に主治医と相談した結果、専用の加湿器を付けようということになりました。
そんないいものがあるなら、最初から言ってほしかった。。。
この加湿器については後日談がありますので、それはまた別の機会に披露したいと思います。
退院後は自宅でCPAPを使用していますが、月に一度外来で診察を受けることになっています。
装置のなかに状態を記憶する部分があって、呼吸の状態なんかが分かるようになっているらしく、本体を持って行くとデータを抜き取って分析してくれるそうです。
なかなかの優れものです。