ソウルの空の下

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紅葉の便り

2017-09-27 11:41:33 | 日記

きのう、江原道の雪岳山で紅葉が見られたそうです。毎年一番先に紅葉の便りが聞かれるところです。「紅葉前線」がソウルの北漢山までやってくるのは10月29日だそうですから、10月に入ればすっかり秋らしくなっていることでしょうね。地下道に貼ってあったポスターですが、秋の雰囲気、まもなく始まる秋夕のイメージですね。日曜に京都から友人が来てくれたので、江南のオリンピック公園で行われていた「漢城百済文化祭」を訪ねました。百済と言えば日本の古代国家や文化に大きな影響を与えた国ですが、忠清道の公州や扶余が首都だったというイメージです。でもそもそもの国の始まりは高句麗の王子だった兄弟が漢江のほとりに都を定めたところからなので、ソウル市内にも遺跡が残っているわけです。高句麗が南下してやむなく都を捨て、忠清道に移っていきましたが、60年余り続いたといわれるソウル(かつては漢城と呼ばれました)の百済文化を思い起こすという趣旨の文化祭でした。でも時間が遅くなって、しかも5号線のオリンピック公園駅から降りて歩くと公園の端の方に会場があったので30分くらいかかってしまいました。最終日だったのでほぼイベントは終わっていてやむなく露店の集まるグルメコーナーへ。チヂミとムックを買うのに7-8分かかり、ようやく着席。それにしてもこの人波の多さにはビックリ。食べ終えて舞台に向かうとたいまつショーのようなものが…。それも終わると松坡区の主催なので区長さん(女性)が韓服姿で挨拶などがあり、フィナーレと思いきや、ゲスト歌手の歌の公演がまだまだ続いたのでした。舞台を見守る人たちの数の多さ。これだけ見ると、去年のキャンドル集会を思い出しますが、雰囲気は和気あいあいです。朝鮮半島の情勢は厳しさを増していますが、ここに住む人たちのパワーは健在です!

222年ぶりの行幸

2017-09-24 07:39:45 | 日記

昨日は正祖(イサン)が母の還暦を祝い、父・思悼世子の墓参りをするために、222年前に実際に行われた「陵行次」という行事が再現されることになったということで、昌徳宮に行きました。朝8時30分に正門である敦化門の前にマウルバスで到着。マイクロバスみたいに小型のバスは短い区間を循環することになっていて、停留所の名前も「鐘路サウナ」「クリーニング店」「ボーリング場」などと生活感あふれる所が多いです。行列は昌徳宮から水原の華城まで60kmの距離を徒歩と馬で進みますが、全区間の参加人数は4400人(前もって希望者を募集)、馬も700頭という大規模なもので、今日の午後4時ころに華城に着く予定です。正祖の母、ヘギョン宮が輿に乗ります。正祖は馬に乗って群衆に手を振ってこたえます。都心の道路にこれだけたくさんの馬が闊歩するというのもなかなかの眺めですね。重い荷物を背負わされていますが、出発前にちょっと休憩している様子。黄色い衣装に身を固めた音楽隊。以前朝鮮通信使の行列を再現する催しがありましたが、やはり規模が違うので、本当に映画の一場面に立ち会っているような感じです。女性たちも結構馬に乗っていますし、中には外国人の姿も。途中、漢江を渡るときは漁船をつなぎあわせた「舟橋」を作って渡ることになっているとか。天気は少しくもっていて、暑くないので昔の衣裳を着ていても、そんなに苦にはならないかもしれませんね。ニュースではトランプと金正恩の「幼稚園児同士のような」口撃合戦のことや、国会議員の暴言などで騒がしいですが、別世界のような時代絵巻を楽しんでいると俗世のことも忘れられそうです。

仁寺洞など

2017-09-23 07:35:17 | 日記

ソウルに短期語学研修に来た知人と仁寺洞で食事をしました。平日の夕方はそれほど観光客があふれていることもなく、落ち着いて散歩ができます。食事をした店もあまり客が入っていないし、二階の席から下を見下ろすと夕方のさわやかな風が入ってきて、のんびり夕涼みという雰囲気でした。カルビのサイコロステーキのような料理や、蓮の葉ご飯は最近人気があるメニューのようです。京都の新風館のような「サムジキル」も一回りしましたが、雑貨などを売る若い店主の人たちは、誰も商売熱心ではなくて、客が入って来ても放っておいてくれますから、冷やかしで時間つぶしをするのにはいいですね。ギャラリーが多いのもこの街の特徴ですが、白岳美術館では書道展が始まるところでした。館長のあいさつ、グループ展の会長さんのあいさつなどがあってなかなか作品を見られませんでした。別の画廊に行くとそこでも展示会の切り替え日なのか、集まって挨拶をしたりしていて、この日はそんな行事が重なっていたようです。清渓川には飛び石に灯りがともって、カップルもあちこちで仲良く腰かけていました。橋の下のスペースでは写真展。最近は韓国でもネコの人気が高く、写真のモデルにもよく登場しますね。

ストーリーコンサート「火花」

2017-09-21 09:39:06 | 日記

昨日はストーリー・コンサート「火花」を見に行きました。弘大入口駅2番出口のすぐそば、カトリック青年会館の小劇場です。ポスターには日本語で「全泰壹(チョンテイル)のコンサート花火」と書いてありました。日本人が観ることも予想しているんでしょうか。韓国語のプルコッという言葉は花火とも、火花とも翻訳されますが、「花火」というと、どうも打ち上げ花火を連想してしまうので「火花」のほうがいいような気がします。1970年11月13日に東大門近くの零細な縫製工場で働いていたチョン・テイルという青年が、小学校を卒業したばかりの幼い女工たちが、一日15時間も陽の差さない、半地下の作業場で、ほこりまみれで働いている様子に胸を痛めて、「労働基準法」を守れと焼身抗議した事件がテーマです。舞台の進行と登場する曲のほとんどを作った歌手でもあるキム・ヒョンソンさんの「秋、郵便局の前で」の弾き語りから舞台が始まりました。「ストーリー・コンサート」と翻訳したのはチョン・テイルの思いや、自分の身を炎に包んでまで言いたかったことを「全泰壹評伝」という本の一節を朗読しながら、歌を織り交ぜて進めていくという構成から思いついた言葉です。こういう形式は初めてだったので、とても新鮮に思えました。舞台の開始前にゲストして来場したチョン・テイルの友人、イ・スンチョルさん、全泰壹財団のイ・スホ理事長、正義党という革新野党の院内代表であるノ・へチャンさんといった人たちが挨拶をすることになっていましたが、集会などでよく見かける、壇上での堅苦しい挨拶ではなく、椅子に腰かけて、キム・ヒョンソンさんがインタビューしながら話を引き出すというやり方で、これも楽しく、退屈しない方法だと思います。70年代から80年代にかけて民衆歌謡といわれた歌が多く作られて、全泰壹に関する歌もいろいろありましたが、やはり2017年の現在はそれにふさわしい歌の情緒というものがあるようで、いわゆる闘争歌のような勇ましいメロディではなくバラード的な、それでも感情がオーバーにならないように、時には軽快な感じで表現されているのに感心しました。朗読は時々寸劇風になったり、工夫をこらして重いテーマを素直に受け止められるようにしてくれます。47年前に比べれば、非人間的な職場環境はずいぶん改善されてきたのは確かかもしれませんが、電通の女性社員が自殺せざるを得なかったような過酷な状況は、形を変えてまだまだ残っていますし、世界を見渡せばその頃と変わらない労働の現場はたくさん残されているという風に考えるからか、コンサートの内容は少しも古くなく、充分に共感することができました。すっかり満足して帰る道。地下鉄2号線の車内でつり革に何かくっついているのを見かけました。よく見るとチキン!隣りの白い四角の箱のようなものは何だと思いますか?チキンの出前を頼むと必ずついてくる、大根の酢の物ですね!なぜ、いつからこんな飾りをつけるようになったのか、よくわかりませんが、1年住んでいてもまだまだ不思議なことがたくさんあるソウルの街です…。

米寿

2017-09-17 19:41:34 | 日記

朝、向かったところは花屋さんでした。実は今日、義理のお母さんの87歳の誕生日で、韓国の数え方としては88歳になるので日本でいう米寿になりますね。この世代の方たちはあらゆる苦労をしてきたわけですから、本当によくぞ長生きされたという思いがします。で、花束を作ってもらったわけですが、これがちょっと変わった花束で、拡大してみるとわかると思いますが、一輪ずつ花を紙幣で巻いてあるんです!「お金花束(そのまんまで身も蓋もない表現ですが)」といって、多分最近出てきたアイデアだと思いますが、インターネットで「ハルモニ 誕生祝い」で検索したら出て来たので試してみました。花はバラでなくてはならず、紙幣は新札でなくてはならないそうで、それで一昨日韓国銀行まで行ったのでした。この誠意(!)が通じるか、ということですが、結果は大正解。お母さんは涙を流して喜んでくれました。訪ねてきた孫と機嫌よく遊んでくれています。そのお嫁さんが作った手作りケーキが披露され、帽子をかぶって火を消すところ。肉三昧のパーティでしたが、やはり親戚一同がこうして集まってひと時を過ごすことが韓国の人にとっては楽しいイベントであるようです。食欲の秋ですから、皆さんも美味しいものをたくさん食べて、夏バテから回復されますよう…。