ソウルの空の下

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南座の夜は更けて

2011-06-14 20:27:51 | インポート

Photo 歌舞伎公演場として由緒深い京都・南座で先週の土曜日から韓国のミュージカル「宮(クン)」を上演しています。韓国がもし立憲君主制だったら…という仮定で繰り広げられる青春コメディという話らしいですが、もともとは韓国のマンガが原作で、パンフレットに紹介されている絵を見ると、いかにも少女マンガ風なタッチですから、韓国版ベルばらという雰囲気だったのでしょうか。その後テレビでドラマ化されて、新人だったチュ・ジフンなどが一躍脚光を浴びることになりました。さらに舞台でミュージカルとして公演を行ったのが昨年のこと。主人公を東方神起のユノが演じたことで、日本を始めとする外国のファンが大挙ソウルの劇場に押し寄せるという盛況ぶりだったといいます。今回はキャストを大幅に変更して日本公演となりましたが、「京都で」というのがおもしろいですね。初日に行って来た人の話では、大きなスーツケースを持った観客もいたといいますから、東京やその他の地域からも大勢のファンが詰めかけたようです。出演者はすべて韓国人でその数30名ほど。他にスタッフが40名余り来ているようですから、いったい京都のどこに泊まっていることやら、ちょっと気になりますね。セリフや歌はすべて韓国語で、字幕が映し出されるそうですが、タイミングが合わなかったというのが見た人の指摘でした。それがわかるほど聞き取りができたということですから、グッドジョブです!おもしろいのは主人公たちが高校生という設定なので、普通の女子高生だったヒロインが「ギャル言葉」をポンポン使って皇室の人たちを唖然とさせるという話です。韓国では携帯やインターネットなどでの書き込みに、辞書に頼っていては到底解読不能な言葉があふれているのは周知のこと。かつて日本でも女子高生言葉が話題になりましたが、知りたい方はパンフレットをお求めください。(2000円と高めですが)巷では缶入りの「ソウルマッコリ」が人気を呼んでいる昨今、いよいよ韓色に染められていきそうですね…。


昨日は端午の節句

2011-06-07 18:03:14 | インポート

Photo 端午の節句というと、日本では鯉のぼりや武者人形を思い浮かべる「男の子の祭り」というイメージがあると思いますが、中国から伝来した端午節にはそんな意味はなかったようです。韓国ではやはり陰暦で数えて、今年は6月6日が陰暦の5月5日だったそうです。写真は菖蒲水というもので、菖蒲の葉を水につけてからゆでるとやや黒っぽい水になりますが、これで髪の毛を洗うと艶が出て、頭皮も丈夫になるとか。葉の緑が季節感を映すようでみずみずしいですね。食べ物としてはよもぎ餅に似た餅を蒸して食べるといいますが、中国では粽を食べるそうです。一年の内でも最も陽気の良い時期で、一年を健康に過ごし、豊作の年になることを祈願するところに節句の由来があるようです。日本では東北地方で土壌の放射能汚染が心配されているように、この良い季節にも先行きの見えない不安に包まれて、豊作、豊漁祈願をするどころではないという人も多いでしょう。それなのに不信任案や大連立などと言って被災地の願いを顧みない政治家は一体何を見ているのでしょうか。それも「一日も早く復興するために」と、震災復興をダシにして自分たちの行動を正当化するような言葉を聞くと、怒りを通り越して情けなさに涙が出てきます。韓国ではその昔、独裁政治に反対した人たちの中に在野人士というのがあって、既成の政党などには属さない、宗教人、法曹人、ジャーナリスト、市民運動のリーダーなどが、問題ごとに集まっては、時の政治にモノ申す行動を果敢に繰り広げた歴史があります。数年前のロウソクデモなどはその流れをくむものだったと思います。「お上」のやることがあまりにも度を過ごしたときには、日本にもそれを正そうとする自発的なムーブメントは何度もあったと記憶していますが、自然の生命の発露にしたがってあふれだす清流を、汚染された人たちがいくらガレキを積んで防ごうとしても無理なことだろうと改めて思った次第です。