ここにいると、時の流れが恐ろしくゆっくりと感じることがある。
大学の同期なんぞはまっとうな企業のちゃんとした役職に就いた、とか、
名刺をもらったら3つのセクションのトップだったりと公私含めて忙しいらしい。
教員になった友人たちも、クラスの生徒一人一人を思いながら、日々を過ごしている。
いろんな事情がなければ、その中でぶつかりながらも生きていけたのかもしれない。
鮮やかな色の実。でも根元は折れていて、これから朽ちるのみ。
少しは「深く」物事を考えられるようになりたい。
若いときは「反射神経」だけで物事を対応してきた。悪い物は悪い、と徹底的にぶつかってきた。相手が誰でも。
今年は「その結果」が痛いほど身にしみた時期で、たとえ相手が全面的に悪いとしても、仕事のつながりや人間としてのつながりを
100%閉じてしまうと、結局後悔するんだなと感じる事がある。
「徹底して」「完膚なきまで」が身についていた私にとっては、一方の考え方だけでは物事は決まらない、と言うことを知るきっかけになる。
知ってはいたが、痛感したのは最近。
と同時に、軽いタッチでやり過ごすことも必要と知った。
気持ちの切り替えが下手なので、この辺は今後の課題なのかもしれない。
小太郎君のお出ましはなかった。
震災についても、感じることが多かった。
正確には、震災によって変わってしまった人々の心の傷があらわになってきた気がする。
東北人は、思ったことを思った通りに言う習慣がない。
我慢強いんじゃなくて、我慢してるだけ。
泣いて叫んで愚痴ってスッキリすることは出来ない。ただ黙々と、淡々と。
頑張ると、たたかれる。頑張りすぎて、心を壊す。今、東北に必要なのはメンタルケアが出来る医療機関の人たち。
除染を急いだところで、政府の許可なんぞ下りはしない。みんな知ってる。
ジャパネット・タカタの「黄色い高圧洗浄機」、売れた県の上位に福島県。
とある道を通ったら、どこの家にも黄色い高圧洗浄機。そう、自宅の除染のため。
汚水は側溝に流れ、川を下って海にでる。そのあとは何も出来ない。
I know. I Know. 分かってるんだ。みんなは、分かってるんだ。
だから心の奥でしまい込んでしまう。誰も傷つけないように。傷つかないように。
外は吹雪。