ジェイクのひとりごと

ハッセル、ライカ、コンタックスなどで撮った写真と、日々の雑感

路傍の石

2013-10-31 05:17:21 | Weblog


でもこのくらい大きな石(コンクリート片)ならば、人々一目置かざるを得ない。
毎日見ても、この石の表情は毎日変わる。
見る方のココロが毎日変わるから、だと思う。

今、NHKで「南相馬市の中学校、吹奏楽部が全国出場へ」というニュースをやっている。12年ぶり。
震災当初は避難その他で部員数は半分以下に。古豪という歴史を、今の3年生はどう受け止めたんだろう。
仮校舎(小学校の体育館)で授業・クラブ活動。ほかの学校が3年生主体なのに対し、この学校は1年生主体。
全国では「銅賞」。先生は「ここに来れただけで金賞」と。
負けずに頑張ってほしいなと思う。(原町第一中学校)

11/5、ニコンから歴史を感じる「Nikon Df」が発表予定。
伝統の「Fマウント」であれば、ほとんどのレンズが装着可能だという。すごい英断。
大学生の時、新宿のアルプス堂で入手した「従軍した」85mmF1.8も装着可能なんだ・・・。

現物は友人に譲った。持っていれば彼と一緒にNYのスタジオにいるはず。
今、どんな画を切り取るんだろう?




新聞などで騒がれた「運送会社」の友達と話す。意地悪なお客さんから嫌みを言われたり、荷物を別の会社に取られたり、と
わずか数日間で大きなダメージが(全国的に)あったという。
当社は冷凍専門なので、彼ら現場の人間の気持ちがよく分かる。
通常の価格に100円オンするだけで、まっとうな冷蔵品を運ばせるなんて無理。それをこなしてきた。
夏場のクレームはすさまじい。でも、会社がやれと言えばやらなきゃいけない。
私の義兄が拠点間配送(大型車)をやっているけど、コストを抑えるためにできることはすべて、できないことも会社から
強要される。ここ数年で給料もだいぶ下がったし、出勤日数も上限がある。稼げない。

「新聞テレビで報道が消えた理由、分かる?百貨店業界から お歳暮商戦に影響が出るから という力が働いたらしいよ」と。

正も邪も、カネの動きで変化するらしい。




なので、力なき省庁に統括されると、生き残るためにいろんなことを考えなければいけない。
ここ数年で、一番注目されたのは震災の時。トラック業界の底力を見た気がする。
当たり前の「生活インフラ」だからこそ、もっと社会に貢献しなきゃと思うけど、まずは自分の生活で手一杯。

今もココロに残るのは、道なき道を必死に走る黒いネコが描かれた緑色の車、白とブルーとシルバーのドット模様のトラック、
がんばろう東北、がんばろう宮城、福島、岩手、青森・・・と書かれた九州、四国、北海道など、遠方ナンバーのトラックたち。
普段当たり前すぎる光景の中で埋もれてしまいがちだが、あのときトラックたちにどれだけ勇気づけられただろう。
被害のひどかった地域の人たちに言われた。
「あのときのトラックは、神様仏様に見えた。全国のあったかい支援のココロを運んでくれたんだもの」

完全復興のその日まで、走り続けたい。

だったら、期待を持たせるな

2013-10-30 11:23:57 | Weblog

絶対に帰る。その希望はチェルノブイリの例を引けばすぐに分かったはず。
希望と気合いでは、放射能は消えません。
さらに言えば、除染も無理です。
人々を「放射線管理区域内」(病院・工場等)に住まわせることが、最善だと思いますか?

憲法違反です。

日本国民には、安全に暮らす権利がある。

立法府がメンツだけでそれを破ろうとした。福島の人をどこまで騙すつもりだったんだ。


そして、今日になって・・・

*** 以下、毎日新聞より引用 ***

<政府・与党>福島「全員帰還」断念…困難区域「移住を」
毎日新聞 10月30日(水)7時30分配信


 政府・与党が検討している福島復興加速化案の全容が29日、分かった。年間積算放射線量が50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」について、帰還まで長期の時間がかかることを明確にした上で、移住先で住宅を確保できるよう賠償金を手厚くする。政府が事実上、「帰還できない」との見通しを示し、移住による生活再建を促すことにつなげる。避難した被災者の「全員帰還」を原則としていた対策を、大きく転換させることになる。

 東京電力福島第1原発事故の被災地の避難区域は、線量に応じて、帰還困難区域(対象住民2.5万人)▽居住制限区域(2.3万人)▽避難指示解除準備区域(3.3万人)--に分類される。政府・与党は、これらの地域ごとに、帰還までどれだけの時間がかかるかの見通しを示すことを検討。特に、帰還困難区域は長期になりそうで、これらの区域の住民には、何年後にどの程度の放射線量になりそうか、今後何年間は帰宅が難しいか、といった見通しを政府が明確に示し、住民の判断材料にしてもらう。移住による生活再建も新たに選択肢として示す。

 同時に、困難地域以外に除染などの資金を集中させ、早期帰還を後押しする。早期帰還ができる区域は、除染とインフラ復旧に全力をあげ、病院の診療再開や商業施設の整備など生活再開の基盤も整える。

 東電による賠償額の引き上げも検討する。東電は現在、住んでいた住宅の価値を基に住宅の賠償金を算出しているが、新居購入には足りないケースが多い。このため、新居を確保できる水準に賠償額を引き上げるほか、賠償の終了時期(終期)を決めると同時に一括で支払って生活資金の確保につなげたり、賠償総額の見通しを示したりすることで、自立を促す。

 一方、除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設は「費用の確保を含め国が万全を期す」として1兆円規模の建設費に国費を投入する。財源については「復興財源は使わず、エネルギー施策の中で追加的・安定的な財源確保に努める」とし、電気料金に上乗せされている電源開発促進税を軸に検討する。事故処理費用を東電に負担させるとしてきた方針の転換となり、議論を呼びそうだ。

 除染については、国が立て替えて実施し、東電に費用請求する現行枠組みの抜本的な変更は見送った。ただ、計画中の除染(約1.5兆円)を上回る分は、生活環境整備や地域再生に向けた公共事業を検討するとし、除染費用を一部国庫負担する余地を残した。

 福島原発の廃炉については「東電が主体となって行うべきだ」とした上で、廃炉部門の社内分社化など体制整備を要請。事故処理費用の国費投入に対しては「東電救済」との批判も予想されるため、東電に対し「徹底した合理化や厳しい自己改革」など、一段の対応を求めた。

 復興策は、自民党の東日本大震災復興加速化本部が復興庁や財務省、経済産業省など関係省庁と調整して策定。来週をめどに自民、公明両党が提言として政府に正式提出する。【清水憲司、高本耕太】


カタチアルモノ

2013-10-29 18:35:14 | Weblog


毎年、ここの1本だけひまわりを残す農家さん。
厳しい冬も耐え、春が来て自分の子供が育つ頃になると、自然と朽ちてゆく。
その子もまた、同じように1本だけ残り、厳しい冬を過ごし、自分の子供が自分の背丈の半分ぐらいになると、朽ちてゆく。
真冬、マイナス20度近くになり地吹雪が吹き荒れる頃、この「ひまわり」を見るときに、
「このひまわりは生きているのか、それとももう死んでしまったのか」
ということを考え込んでしまう。

生きとし生けるもの、有情無情に関わらず形あるものは必ず「終わり」を迎える。
それがどういう形なのかは、それぞれによって違う。千差万別。
では、どの時点をもって「終わり」とするか?
日本で臓器移植の賛否がわき上がったとき、誰もが「生きると言うこと、死ぬと言うこと」を直視したことだと思う。

人々のバックボーンが哲学(倫理、宗教)で出来上がっている国は、人の死についてはその国の哲学によって決まる場合が多い。
国民の意見集約も、意外に早い。
八百万の神がいて、歴史に「神代」という歴史を抱える我が日本では、そう簡単ではなかった。

さて・・・この「ひまわり」は、生きているのだろうか?それとももう「終わり」を迎えたのだろうか。
難しい難題を毎朝(会社の近所なので・・・)突きつけられる。
自分の子供の成長を見てから朽ちてゆくというタイミングも、悩むべき大きな要因の一つ。

必然的に、自分のありようも再考することになる。

自然に学ぶことは、本当に多い。

治水?自然保護?

2013-10-29 10:51:10 | Weblog


水辺の鳥と普通の鳥が共存する「貴重な場所」が、治水のためのすべての木が伐採され、このあと掘り下げられ、新しい川になる。
川の水深が浅くなれば、東北有数の天然鮎の釣り場も消滅する。
手前の池のような場所は自然のダムで、水が多ければ今よりもっと深く水をたたえ、水流が戻れば自然にこの状態に戻る。
水の流れがあまりないので、フナやコイ(60センチ級)、ナマズにハヤなどの絶好の釣り場であった。
よくここで釣りをしていた。

ここから10キロほどの場所が、よく大雨で決壊・床下浸水する。この夏秋もそうだった。
でもそれは、決壊する場所の補修と工事を後回しにしてきた隣町の行政の問題が大きい。
上流に責任を求めるのは・・・

野鳥の会の人が双眼鏡片手によく来ていた。こちらは「うき」を見ながら座っていた。
「おい、ボウズ、あそこ見てみろ」と双眼鏡を渡されることもあった。きれいな鳥がいた。
本来は近づくことのないコサギが、うきから5mぐらいのところでドジョウをついばんでた。
冬は白鳥の一時休憩所にもなる。
マイナス15度以下になれば、霧氷が木々に付き、そこに太陽が昇って・・・素晴らしい眺めだった。

その一切は、チェンソーの音と重機の音にかき消された。

もう戻ることはない。