横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

FOSS4G Korea訪問報告(本編)

2011年10月29日 23時07分53秒 | OSGeo/FOSS4G
朝8時にホテルを出て、昨夜空港まで迎えに来てくれたPark氏らのクルマで、約30キロ離れたカンファレンス会場(KINTEX)に向かう。
都心から郊外方向であるが、平日の朝なので、少し渋滞があったが、9時前に到着する。

会場となるKINTEXという展示会場は、インチョン空港とソウル市街の途中にあり、日本で言えば幕張のような位置関係にある。しかし、会場の規模は幕張よりもずっと大きく、国内最大のビッグサイトよりも3割規模が大きい。しかも、さらに増築計画があり、アジア有数のハブ空港となったインチョンとあわせ、展示会場も東アジア最大クラスの規模になるらしい。産業振興に国が明快な戦略を持ち、強い実行力を行使しているのがわかる。停滞どころか衰退を続ける日本と否が応でも比べてしまう。

FOSS4G Koreaは、ここKINTEXで開催されるスマートコリア(デジタル国土エキスポ)の一つのシンポジウムとして開催される。昨年、日本でもパシフィコ横浜でG空間エキスポが開催されたが、コンセプトはそれとよく似ている。しかし、規模は日本のよりもかなり大きい。いろいろ話を聞いてみると、韓国では、この分野は重点的な投資対象となっていて、予算は増加傾向にあるという。ここも、財政難から縮小均衡策しか打ち出せない日本と比べて、正直うらやましい。
 スマートコリアの一つのシンポジウムとしてFOSS4G Koreaが開催される
(指さしているのはGRIDAのCTOであるPark氏)

 これがOSGeo韓国のブース(隣はGRIDAのブース)

スマートコリアは、4日間開催されるそうだが、FOSS4G Koreaそのものは、28日金曜日のみ開催である。
FOSS4G Korea会場に行くと、代表のShin氏がスライドの準備をしていた。彼は来週日曜日の東京大学でのFOSS4G Tokyoで、基調講演をしてくれる。

FOSS4G Koreaは、予定通り午前10時に開催されたが、会場となった部屋への集まりは20名くらいで、今ひとつ良くない(FOSS4G系の人は朝に弱いのか、結局午後から倍くらいの来場者で賑わった)。OSGeo財団プレジデントであるArnulfによる基調講演 "An Introduction to OSGeo"に続き、私の講演"An Overview of OSGeo Japan Activities"、そして吉田さんの"Response of OSGeo Japan with other communities to the Great East Japan Earthquake"が続く。

 開会を宣言するOSGeo韓国代表者のShin氏

 日韓両代表による固い握手です!

 OSGeo財団プレジデントのArnulf

 私の講演(10時半くらいから)はまだこれだけの参加者・・

私の講演は、まだ歴史が浅い韓国支部の人たちにも何らかの参考になればと思い、現在の活動内容とあわせて、日本支部の歴史を説明することにした。そして、そういう長い積み重ねがあり、コミュニティとしての幅と厚みができてきたからこそ、3月11日の震災後の様々な支援活動を行うことができたのだ、というストーリーにした。

吉田さんの講演は、実際の震災後の対応がどうなったか、というもので、デンバーでも好評を博した発表である。震災後のコミュニティの対応は、国内でも学会、講演会等の様々な場所で、いろいろな人が発表しているので、既にその活動はかなり知られている。しかし、英語での発表はあまり数が多くないため、今回の発表でも、来場者に大きなインパクトを与えたようだ。

 発表をする吉田さん

韓国語ができない私たちは、いずれの講演も英語で行った。幸い、来場者の多くは英語を理解できるようで、アジアでもどこでも、英語は共通語として重宝だ。しかし、韓国人による韓国内向けの講演は、スライドも韓国語のみの場合、ごくわずかに出てくる「GIS」とか「FOSS4G」とかのアルファベット以外は全くわからない。解説図も、その説明に英語が書かれていないと意味がわからない。海外から来日するゲストが、日本国内向けの発表がちんぷんかんぷんなのと同じだ。しかし、FOSS4G Koreaの講演内容を翻訳して見てみると、この国でも様々なFOSS4Gツールを実際に活用していることがわかる。

午後は、代表者のShinさんが経営しているGRIDAという会社の人に、スマートコリア展示会場の案内をしていただいた。主として、GRIDAが提供しているアプリケーションを説明してもらう。バックエンドの地図描画にGeoServer、フロントにはFlashやActiveXを使ったものがあるなど、私が日本国内で体験している状況とは少々異なっている模様だ。顧客は圧倒的に官公庁(日本で言うと国交省系が多そう)のようだ。

展示会場でも、英語の説明は少ない。幸い、「ビジュアル系」の展示会なので、”見ればわかる”ものも多い。来場客には、欧米系や、南アジア系はほとんど見あたらず。全員韓国人に見えてしまうが、あとから話を聞くと、日本からも一定の来場者がいたようだ。あと不思議に感じたことは、展示会場の来場客がまばらなことだ。会場が広いし、4日間も開催するので、分散してしまうのかも知れない。

 広大な展示会場

一日の日程を終え、市内のレストランでの親睦会に向かう。片側4~5車線のとても広い高速道路なのだが、その渋滞がとてもひどく、到着までに2時間くらいかかった。クルマの中でShin氏が、「ソウルから東京まで行けてしまう・・」と叫んでいたが、本当にそうだ。

ようやくたどり着いた懇親会場、普通の人が普通に楽しめる居酒屋だ。

 懇親会はこの店です。

金曜日の夜なので、サラリーマン達が多数集っている。おいしい韓国料理がずらりと並ぶ。参加者と話してみて韓国支部には、企業経営者、研究者、エンジニア、プロジェクトマネージャ、そして相当ギークな人もいたりで、多士多彩であることがわかる。しかし、日本と同じで、女性の比率はやはりとても低い。規模はFOSS4G Osakaくらいであるが、とても良くまとまっているように見え、今後が楽しみだ。

 韓国焼酎とビールを混ぜて、なにやらエンジニアリングをしている・・・

 韓国焼酎で乾杯!

 私はこの料理が一番おいしく感じた

 かなりギークな人、ドラえもんというニックネームを進呈

 まさかのZOO(WPSフレームワーク)一族発見。吉田さんも感激。

今回の機会によって、日韓両国の交流が始まった。飛行機でわずか2時間の位置関係で、文化的にも共通性も多い。今後も定期的な交流を行っていきたいと思う。


p.s. 円高ウォン安のおかげで、日本からの買い物ツアーが熱いようだ。大きな買い物袋を持った若い女性達で、朝9時発の帰りの便は満席であった。

 金浦空港の免税店は搭乗間際まで大賑わい

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