横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

オープンソースツールはカローラか?

2008年08月24日 01時10分44秒 | OSGeo/FOSS4G
 「著名商用製品がクラウンなら、オープンソースツールはカローラ」と説明している某社の人がいるらしい(私は直接聞けなかったので、その場で論陣を張れなかったのが残念...)。

 ふ~ん、ならそのクラウンはなぜGDAL/OGRを使っているのだろうか?GDAL/OGRは、OSGeoのプロジェクトで、ベクトルやラスター合計数十種類の地理空間データにアクセスできる優れモノのオープンソースツールである。世の中Shapeファイルだけで出来上がっているわけではないので、こうしたデータアクセスライブラリが果たす役割はとても重要である。その肝の部分にオープンソースツールを使っている著名商用製品はクラウンなのだろうか。

 OGCのWMS、WFSなどのオープンスタンダードについて、MapServerは私の会社が取り組み始めた時には既にWMSに対応していたが、その製品はいつ対応しただろうか?2006年のWhere2.0でのブーイングに懲りて、ようやく最近になって「オープンでスタンダード」と言い始めても、事情に疎い一部の人をごまかせるかもしれないが、一番オープンでスタンダードを避けていたのは誰だったのだろうか。

 そのベンダーが最近好きなGoogleだが、そこがとりわけ大好きなGoogle EarthもGDAL/OGRを使っているのを知っているのだろうか?

 オープンソースであろうと、商用製品であろうと、優れたツールであれば世間は認めるのだ。優劣はソースコードの提供形態とは次元の異なる話であり、それをごまかしてオープンソースは劣っているかのようなプロパガンダを繰り広げるのは、シアトルの某M社がアンチLinuxキャンペーンに膨大な資金を投入した(ものの、結局Linuxは普及し続けている)やりかたの真似なのだろうか。

 Googleはオープンソースツールを活用しているし、逆に様々な形でオープンソースコミュニティを支援している。例を挙げれば、Googleは昨年のFOSS4G2007でも、今年の2008でもスポンサー会社である。Summer of CodeでもFOSS4Gツールに大きな支援をしている。

 AutodeskはMapGuideのとFDOのソースコードをコミュニティに提供し、最近では、地理座標変換ライブラリのCS-Mapをオープンソースとして新にコミュニティに提供した。さらにOSGeoの長期維持スポンサー(訳がどうもしっくりこないけど)として、財政的にも多大な貢献をしている。

 一方、某社はそういう支援をしているのだろうか。オープンソースツールを使って多大な恩恵を受けておきながら、どんなコントリビューションをコミュニティに還元したのか? いろんなメーリングリストを読んではいるが、その種の話は結局聞けなかった。

 それどころか、ここ日本では、オープンソースツールはカローラで、自らはクラウンらしい...(でも”カローラ”が無いと走れないみたいだけど、それにクラウンは燃費効率めちゃ悪いよね)。そのやり方は誠にフェアではないと思う。

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3 Comments

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放っとけばどうでしょう? (玉置三紀夫)
2008-08-27 12:22:19
いまどき自社製品をクラウンに例えるようなセンスの無い会社は早晩へこんでいくと思います。moriさんの貴重な時間を割いて反論するほどの値打ちがあるのでしょうか?
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Unknown (☆ミ)
2008-08-27 21:34:08
どちらもトヨタなので、GDAL/OGR=トヨタということで。。。

某社の日本法人様も、良く解っていっているかと言うと、自社製品の理解さえ怪しいわけで、そんなところと張り合ってもね。

それはそうと、FDOももう少し完成度を高めて欲しいと思っている昨今です。あれはどうやってテスティングしてるんだろう・・・
興味が湧きます。
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FOSS4G 2008 TOKYO (マンハッタン無宿)
2008-09-22 23:36:51
そろそろプログラムの詳細、公開されないかな。
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