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Jariaの玉手箱【更新終了】

鉄道ニュースについて管理人のツッコミ、そして時に自論を展開するブログ(※このブログは既に更新を終了しています)

小田急 ロマンスカーHiSE車を長野電鉄に譲渡へ

2005年08月06日 00時11分30秒 | 鉄道ニュース(総合)
関連:
小田急電鉄ホームページ:ニュースリリース
レールファン長電:What's NEW

先日から一部ネット上で噂となっていた小田急HiSE車の長野電鉄移籍計画ですが、本当の話だったことが判明しました。

で、関連のリンク先によると、譲渡されるのはVSE車の投入によって運用を離れていたHiSE車3編成の内の2編成。
これを4両編成に短縮して、2006年秋頃から長野~湯田中間の特急運用に投入されるとのこと。
ある意味、グランドひかりが4両編成になるくらい(良くも悪くも)ショッキングです。(良く分からん例えだな)

とりあえず歯医者…じゃなかった廃車にならないだけ鉄的には良かったと言ったところですが、問題は連接車であるHiSEを維持するのには結構な手間がかかるということ。
小田急がEXEという失敗作を出した背景には、こうした点もあったのではないかと個人的には考えています。

そうなると、果たして長電に維持が可能なのかということは当然の疑問な訳で、多くのネットコミュニティでも議題に上っていました。

過去にJRや大手私鉄の現役車両が中小私鉄に移籍した例としては、富士急のフジサン特急(旧JR165系)や会津鉄道のAIZIマウントエクスプレス(旧名鉄「特急北アルプス」用車両)がありますが、どちらも通常連結の車両の為、連接車の移籍は長電が恐らく初めてとなります。(※8月6日補足:コメント欄でのS7さんの御指摘によると、大井川鐵道にSSE車が移籍する前例があったとのこと。お詫びして訂正致します。)

個人的な考えを言わせて貰えば、私は別に長電に技術力がないなどとは露ほども思っていませんし、手間はかかるものの車両の維持自体は可能であると考えられます。

しかし、この問題の本質は保守の手間云々といった表面的なものではなくて、保守その他に多額の費用を払うことに見合うだけのリターンを得られるか、即ち費用対効果という点なのです。

とりあえず、長電に営業投入されてから暫くは、鉄や沿線住民の方もある程度は集まるでしょう。
が、人間は飽きやすい生き物ですから、ただHiSEを走らせておけば済むというわけではありません。
実際、HiSEの実家である小田急ですら、箱根観光に結構な宣伝広告費を使用していますし、先程挙げた中小私鉄の先行例では会津鉄道が積極政策を展開しています。
そう考えた場合、長電にもそれなりの方策が必要となってくることは確かでしょう。

結局、これらのことから言えるのは、長電はそれなりのリスクを背負った上でHiSEを引き取ったということです。
そして、リスクにはそれ相応の覚悟というものが必要なのは言うまでもありません。

そうした意味で、今後の長電の動向は注目に値すると言えるのではないでしょうか。

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5 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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気になったので。 (S7)
2005-08-06 12:44:10
>連接車の移籍は長電が恐らく初めて



連接車の移籍については、かなり前に小田急から大井川鐵道へSSE車が行った事例があります。

従って、大手私鉄からの連接車の移籍は「初めて」ではありません。



>保守の手間云々といった表面的なものではなくて、保守その他に多額の費用を払うことに見合うだけのリターンを得られるか、即ち費用対効果という点



今回の譲渡については「無償譲渡」で行われます。

長野電鉄も企業である以上、改造費やその他諸々の経費と車両更新による集客増(貴方が見下して言う所の「鉄」を含む)を比較した費用対効果を見込んで今回の判断に至ったことは指摘するまでもないと思います。



>リスクにはそれ相応の覚悟というものが必要なのは言うまでもありません。

企業の「投資」にはリスクが伴います。先の話とも重複しますが、それは言うまでもないことです。



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Unknown (ケンチャナヨ@管理人)
2005-08-06 23:35:08
S7さん>

厳しいご指摘ありがとうございます。

言われて見ると、確かに…。



S7さんの仰るとおり、今更書く必要はない文もある訳で、省略しても良かったとは思うのですが、正直なところ、それだと上手く説明できる自信がなかったもので。(結果として、余計に分かりづらくなるという大失態を犯した訳ですが。)



以下は本文の補足も兼ねて。



今回は無償譲渡ということなので、これが元で長電が大きく傾くということは考えづらいと思います。

ただ、本文中にも書いたように、過去の例なども見る限りでは、単なる中古車両として導入するのであればリターンは一時的であって、それ程大きいとは言えないでしょう。

そう考えると、維持費等で通常車両と比べて不利なHiSEはその分を補う必要がある訳で、それには何らかの方策が必要になってくるのです。(勿論、そんなことは長電さんは百も承知でしょうし、わざわざ書くことではありませんが。)

その上で、実際にどうやって売り込んでいくのか。

また、それが他の中小私鉄(個人的には、特に近隣のしなの鉄道)へどういった影響を及ぼすのか。

こういった点は、なかなか興味深いことだと思います。



要は、長電だってあれだけの覚悟を決めてやった(はず)だから、今後の動きは要チェックかもね、ということです。

で、先程も書いたように、それを書くために、バカな私はわざわざ指摘するまでもないことを書かざるを得なかった訳でして。(もっと、他の視点から切り込めれば良かったのですが。)

まだまだ勉強が足らんな、私は。

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HISE譲渡 (もこてん)
2005-08-07 17:36:28
今回のニュースには驚きました。というより私が取り残されていただけなのかもしれませんが・・(笑)



長野電鉄としては特急車として運用していた2000形が老朽化が進んでいたことも導入の一因だったのかもしれません。(ちなみに現特急料金は100円。この特急料金なら乗る気になるかも?)



この車両の生かし方としては、やはり1企業の力のみならず、地域の協力も必要でしょうね。終点の湯田中には温泉もあり、過去には国鉄から直通急行が走った実績もあります。

今まで専用車両で有料特急を走らせたことからも、前向きに特別車両の需要があったと考えています。



もちろん維持費などの懸念はありますが、今までの長野電鉄自作車両の先進性や営団・東急からの車両を次々と物にしている技術力など考えれば、あまり深くは考えていません(気楽すぎ?)。ファンとしてはまずこの車両が長く活躍できることと、地域の活性化につながればいいかなと思います。



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長野でも温泉特急! (S.WATANABE)
2005-08-07 19:59:05
趣味者としては嬉しい限りです。廃車とせずに使い続けてくれることもありますが、積極経営の姿勢がいいですね!



もこてん様も仰せのように、名車であるOS形・OS10形を世に送り出した長野電鉄のことです。車両の保守を担当する長電テクニカルサービスの技術水準は、連接車であるHiseを使い続けるに足るということでしょう(しなの鉄道の検車・修車業務も引き受けていることからも、技術水準が信頼のおける物だと思います)。4連×2のほかに、8500系のように部品取り用の車両も譲渡されるでしょうから、保守の面は大丈夫ということでしょう。



既出の通り、大事になってくるのは経営戦略だと思います。シーズン中には軽井沢への直通だって考えられます。JRとタイアップした首都圏でのPR作戦もアリでしょう(JRとしても、長電へのアクセス路線として、「あさま」や「しなの」の乗客増を見込めます)。そして、いかにしてリピーターを多く獲得できるか、いかにして沿線自治体からの協力をとりつけるか。今後が楽しみです。



最後に、同じ世代(私はひとあし先に10代を卒業しちゃいましたが…)としてのエールをば…。

若人の、己が心身に抱ける可能性は、無限大であります。ブログを開設している以上、厳しいコメントにも出会うでしょうが、これとて成長の糧になります。共に頑張り、共に成長しましょう!
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Unknown (ケンチャナヨ@管理人)
2005-08-08 22:39:32
もこてんさん>



>この車両の生かし方としては、やはり1企業の力のみならず、地域の協力も必要でしょうね。終点の湯田中には温泉もあり、過去には国鉄から直通急行が走った実績もあります。



温泉というのは、やはり重要な観光資産ですからね。

仰られるように、地元の協力さえ得られれば、そこそこの実績は出せるのではないかと思います。

また、S.WATANABEさんも仰っていますが、地元とJR、更にはしなの鉄道とその沿線自治体あたりを巻き込んで一大キャンペーンを行えば、長電単体や長電とその沿線自治体だけでアピールをするよりも、より大きなことができるかもしれません。

特に、しなの鉄道は民間出身の社長さんが居ますし、JR東日本はマーケティング能力に定評がありますからね。



S.WATANABEさん>



>若人の、己が心身に抱ける可能性は、無限大であります。ブログを開設している以上、厳しいコメントにも出会うでしょうが、これとて成長の糧になります。共に頑張り、共に成長しましょう!



何か、感動的な言葉をありがとう御座いますです。

私も正直なところ、厳しいコメントを頂くと結構凹んだりもします。

しかし、己が不完全であるということを知り、至らぬ点を改善していくということは、S.WATANABEさんも仰るように自身の成長にも繋がるのですから、結果的には自分にとって非常にありがたいことだと思います。

また、こうした"良い"批判をオフラインよりも多くの方から実質タダで頂けるという点も、ブログというツールの良さのひとつかも知れませんね。
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