最近,司法研修所で開催された「債権法改正」の研修に参加しました。何年か前から債権法(民法)改正の検討が進められているという話を聞いたことはありましたが,詳細についてはほとんど理解していませんでした。しかし,研修を受けてびっくり。民法の総則(法律行為,期間,時効等),債権について,かなりの手直しが予定されているようです。
目につくところを,順不同で拾い出してみると,消費者契約法の民法への取込み,錯誤の効果は無効から取消しへ,債務不履行に関する過失責任主義の転換,不安の抗弁権・事情変更の立法化,約款規制,法定利息を固定方式から変動方式へ移行,中間利息控除の場合の法定利息2段階方式の採用,債権時効の整理(10年と3年),合意による債権時効期間の設定の許容,債権譲渡の対抗要件変更(第三者には債権譲渡登記),契約における危険負担の廃止(反対債務からの解放は解除に一本化),瑕疵担保責任における契約責任化(原始的不能契約も有効,特定物ドグマの放棄等),ファイナンス・リースの立法化,下請負人の注文者への直接請求権の新設等々。他にも,重要な改正が提案されているようです。
私も研修で触れたばかりで,理解が十分ではないのですが,この改正の方向性がどの程度実務に影響するのかまだ図りかねるところです。ただ,法律家にとって,民法の学習は基本であり,おそらく,法律家になる前に,ほとんどの法律家が最も学習の時間を費やしているのは民法だと思います。その法律について,かなり頭を切り換えていかなければならなくなるかもしれませんね。年を取るとつらいものですが,民法や民法理論を改めて学習する楽しみもあります。
今のところ,学者が中心になって改正の提案をされているのですが,今後どのような手順で進むのかも興味あるところです。法制審議会等を通じて,本格的な改正作業に入るのはいつ頃なのでしょうか。また,そもそも改正作業に入るのでしょうか。
なお,今回の改正案を作った学者中心の改正検討委員会の議論の過程は,ホームページを参考にして下さい(http://www.shojihomu.or.jp/saikenhou/indexja.html)。また,同委員会の成果は,別冊NBL No.126「債権法改正の基本方針」(438頁,3675円)にまとまっています。
目につくところを,順不同で拾い出してみると,消費者契約法の民法への取込み,錯誤の効果は無効から取消しへ,債務不履行に関する過失責任主義の転換,不安の抗弁権・事情変更の立法化,約款規制,法定利息を固定方式から変動方式へ移行,中間利息控除の場合の法定利息2段階方式の採用,債権時効の整理(10年と3年),合意による債権時効期間の設定の許容,債権譲渡の対抗要件変更(第三者には債権譲渡登記),契約における危険負担の廃止(反対債務からの解放は解除に一本化),瑕疵担保責任における契約責任化(原始的不能契約も有効,特定物ドグマの放棄等),ファイナンス・リースの立法化,下請負人の注文者への直接請求権の新設等々。他にも,重要な改正が提案されているようです。
私も研修で触れたばかりで,理解が十分ではないのですが,この改正の方向性がどの程度実務に影響するのかまだ図りかねるところです。ただ,法律家にとって,民法の学習は基本であり,おそらく,法律家になる前に,ほとんどの法律家が最も学習の時間を費やしているのは民法だと思います。その法律について,かなり頭を切り換えていかなければならなくなるかもしれませんね。年を取るとつらいものですが,民法や民法理論を改めて学習する楽しみもあります。
今のところ,学者が中心になって改正の提案をされているのですが,今後どのような手順で進むのかも興味あるところです。法制審議会等を通じて,本格的な改正作業に入るのはいつ頃なのでしょうか。また,そもそも改正作業に入るのでしょうか。
なお,今回の改正案を作った学者中心の改正検討委員会の議論の過程は,ホームページを参考にして下さい(http://www.shojihomu.or.jp/saikenhou/indexja.html)。また,同委員会の成果は,別冊NBL No.126「債権法改正の基本方針」(438頁,3675円)にまとまっています。
本論とは関係ないのですが、「学者が中心になって」「今回の改正案を作った学者中心の」という「学者」の表現が気になりました。
例えば医療の世界では、「医者」ではなく「医師」と呼べ、「医者」は見下したり批判したりする文脈で使われると主張する人がいます。
「学者」も実務家との対比で否定的な(一線を画した)意味があるとしたらあまり気持ちのよいものではないでしょう(もちろん学者自身が学者と口にするのは何も問題ない)。
私独自の感覚かもしれませんが、「法学者」とか「研究者」がよいのではないかと思います。
同じ「者」なのに違和感がないのは、説明できませんが。
コメントありがとうございます。今後表現について参考にさせていただきます。
ただ,今回はそこまで難しく考えなくとも・・と思います。紹介したHP
(http://www.shojihomu.or.jp/saikenhou/indexja.html)では,設立趣意書をはじめとして,委員会側が「学者」という表現を度々使っておりますので,違和感はないと思うのですが。