ただの映画好き日記

観た映画と読んだ本の自分用メモ。

空気人形

2011-01-07 | 映画 カ行


古びたアパートで、持ち主である秀雄と暮らす空気人形。空っぽな、誰かの「代用品」。ある朝、本来持ってはいけない「心」を持ってしまう。秀雄が仕事に出かけると、洋服を着て靴を履いて、街へと歩き出す。初めて見る外の世界で、いろいろな人間とすれ違い、つながっていく空気人形。ある日、レンタルビデオ店で働く純一と出会い、その店でアルバイトをすることに。密かに純一に想いを寄せる空気人形だったが、彼の心の中にどこか自分と同じ空虚感を感じてしまう。

空気人形 2009年/日/是枝裕和





う~ん、是枝監督のメッセージって、地面に根が這うような独特な強さというイメージがあり、見逃すことはないと思うのですが、これはちょっと複雑でした。
私には登場人物たちの孤独が理解できなくて、だから、伝わってこなかったんだろうなと思います。

ある日、人形が心を持ち・・・というそのまんまのファンタジーであれば、是枝監督も遊んじゃうんだな~と広い心(笑)で笑い飛ばせもしましたが、どっちつかずな感じがどうしても残ってしまいました。
やはり、孤独のはけ口が私には理解できないからなんでしょうね(留守電に自分で自分の話相手役を・・・っていうのは強烈でした)。
それと、いきなり板尾創路っていうのが引いちゃったからかな~?とも思います。苦手なんですよね~。

そして、純一が人形の空気を抜くシーンがイマイチ解らない。。
彼も孤独だったのだろうし、生花をドライフラワーのように奇麗なまま残すという趣味にも通じるように、生命への支配欲が強いんだろうなと感じ、自分の息でもって人形を生かしたり殺したり(?)して得る満足感は高尚でも美しくもなく、私には危険としか感じられませんでした。

心を持ってしまった人形の行動は素直なものだったと思うので、それについては不思議なものは感じませんでしたし、演じるペ・ドゥナもとても可愛かったと思いました。
ただ、ヌードを披露する程の作品だったかな~?と、正直なところ、いえいえ、失礼ながら、体を張ってまでの役でも作品でもないんじゃないかな~と思いました。

私としては、是枝監督は好きな監督で、大いに期待している日本人監督だと思っているので、やはり、これはちょっとした趣味でありお遊びだったと思いたい、かもしれない。。

この記事についてブログを書く
« ヴィクトリア女王 世紀の愛 | トップ | 恋するベーカリー »

映画 カ行」カテゴリの最新記事