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虚ろな十字架 / 東野圭吾

2017-08-21 | 本 東野圭吾


  虚ろな十字架

  東野 圭吾 著     光文社文庫 / 2017.5



  中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。
  数年後、今度は小夜子が刺殺されるが、すぐに犯人・町村が出頭する。
  中原は、死刑を望む小夜子の両親の相談に乗るうち、
  彼女が犯罪被害者遺族の立場から死刑廃止反対を訴えていたと知る。
  一方、町村の娘婿である仁科史也は、離婚して町村たちと縁を切るよう母親から迫られていた。





死刑制度…、難しいですねー。
私の家族が殺されたら…、犯人には死んで詫びてほしいって思うかなーと思います(詫びる気持ちを持てるのなら人は殺さないでしょうけど)。
犯人が死刑になったからといって、殺された命が返ってくるわけではないけど、でも、命を奪っておいて、のうのうと生きているのは我慢ならないかなーと思います。
犯人が死刑になったとしても、もしかしたら、辛い気持ちが増えることになるのかなーとも思いました。
その立場にならなければわからないことで、それくらい、本当にありえない出来事なのだと思いました。
第三者の立場としては、死刑にならずとも、殺人犯には外に出てきてもらいたくないというのが本音です。

印象的だったことが2つありました。
1つ目は、被告は、結局、自分のことしか考えないということです。
裁判中、死刑だの極刑だのという言葉が出ると、諦めの気持ちになり、「どうせいつかは死ぬのだから、誰かが死ぬ日を決めてくれるのもいいと思う」という被告の言葉に驚きつつも、そういうものかーと納得してしまいました。
死んでお詫びします…という意味で死刑を受け入れるのではなく、自分の将来を諦めたから…ということでは、死刑が無意味になってしまうと思いました。

2つ目は、死刑制度に反対の考えについてです。
死刑判決が出された事件には、それぞれ事件も遺族も違うのに、結論は死刑という一言で片付けられるのがおかしいという考え。
でも、そうでしょうか?死刑が最高刑ならば、それぞれの事件の刑が最高刑の死刑に至った…ということなので、その過程までが同じではないと思いました。

このように、死刑制度がテーマだろうと思っていたのですが、そこは東野さんなのでミステリーです。
ひたすら考えさせられながらも、事件の真相を解き明かす過程はミステリー小説だということを思い出させてくれます。
そして、ラストにもう一つ印象的な言葉がありました。
中絶は殺人ではないのか…。

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