ただの映画好き日記

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ザ・クリミナル 合衆国の陰謀

2014-02-03 | 映画 サ行


大統領暗殺未遂事件が勃発。大統領はCIA報告を受けベネズエラの暗殺計画への関与を断定した。ジャーナリストのレイチェルは、あるルートから情報を入手し、この事件に関わるCIAスパイの身元を暴露する記事を書いた。政府からその情報の提供の開示依頼がきたが、拒んでいた。ある日、息子を学校へ送っていたところFBIに同行を要請され、検察官のパットンに尋問されるが、頑なに拒否したため刑務所へ。疑惑は晴れないまま、刑務所に入ることで妻として、そして母としての権利をはく奪されながらもジャーナリストとしての権利を守るレイチェル。執拗にパットンが守ろうとする国家秘密とは?そして情報提供者はいったい誰なのか?

ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 2008年/アメリカ/ロッド・ルーリー






面白かったです。
緊迫感があってなかなか見応えのある映画でした。

レイチェルが政府に屈したのは、懲役5年や裁判で悪者に仕立て上げられることなどではなく、裁判でニュースソースが明かされることを回避したということなんですね。
偶然、聞いてしまったことを、記者魂がどうしても黙っていられず記事にしてしまったことと、ソースの存在と、それを利用した自分を恥じる気持ちもあったのではないだろうかと思いました。

このお話は、そもそも、口の軽い政府職員と、重要な任務を家庭で会話してしまう政府職員、こういうお粗末な政府職員がそもそもの問題じゃないでしょうか。
そういう職員の教育のまずさが招いたことであり、これは、政府の責任だと思いました。
もちろん、CIAの身元が明かされることはあってはならないですし、ベネズエラの件が無ければ明かされることはなかったとも思いますが、報道関係もそのCIAの存在と意味をもっと深く考えてほしいとも思いました。

国家の危機を招く行為を阻止するために…ということは1番重要なことだと思います。
この場合、大統領暗殺未遂の報復と、CIA職員の秘密を保護するということですが、それは解りますが、あの脅し方はやっぱり許せないと思いました。
ですが、それが記者自身の主義だと言われても、表現の自由と言われても、全ての記者に対する信頼の為だと言われても、あの場合、CIAの身元を明かすのは間違いだと思います。
ベネズエラへの関与を明らかにすることは間違いではないと思いますが、だからといって、CIAの身分を明かすことはなかったと思いました。

記者として、何でもかんでも暴けばいいというのは違うと思いますし、スクープのために、子供の将来を左右してしまうかもしれないということに考えが及ばないというのも責任がないように思いました。
レイチェルが必死に少女を守ろうとしていたことは褒められる行為だと思いますが、そもそも、その少女のおしゃべりを利用(使用)したことは褒められないと思いました。
いろいろと考えさせられる映画でした。

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