龍臥亭幻想 上・下
島田 荘司 著 カッパノベルス / 2004.10
石岡和己、犬坊里美、そして加納通子――。
雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。
雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫女の謎!
貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符合は、何を意味するのか?
幻想の「龍臥亭事件」が、いま、その幕を開ける!
「この頭部、足部を森孝の具足中に葬れ」――血溜まりに浮かぶ生首と切断された片足。
発見された第三の死体が、龍臥亭を恐怖の底に叩き落とした。
そして、旧日本軍の研究所で行われていた肉体縫合の悪魔的な実験!
百年の時空を超えて甦った伝説の魔王は、何処に向かうのか?
ファン待望! 御手洗潔と吉敷竹史の推理が、いま初めてクロスする!
積ん読本コーナーの中に、島田荘司氏御著書発見(笑)。
まだ読んでいない御手洗シリーズがあったんだ?と思いきや、たぶん、御手洗メインじゃないからと読まずに積んどいた…と思われ。。
でも、これの前の『龍臥亭事件』は読んでいるので、はて?
しかも、単行本ではなくノベルスというのがなんとも“差”が感じられる次第です…(御手洗メインじゃない、から?)。
と、いつもの長い前置きはサテオキ。
久しぶりの本格ミステリーはやはり面白かったです。
殺人事件とトリックと謎解き、これぞミステリーですね。
前の『龍臥亭事件』はあまり覚えていませんが、石岡くんが一人で奮闘するという珍しい設定で、御手洗ファンとしてはちょっと寂しくもありますが、不思議なことに俄然石岡くんを応援したくなるんですね。
ガンバレ、ガンバレ~と石岡くんへの応援の気持ちがメインで読み進めた記憶が残っています。
今回も、御手洗抜きで石岡くんのみ事件遭遇&解決(?)なのですが、前回とは違い、随分と男らしさを感じました。
しかも!後半、吉敷竹史刑事が登場し、なんとも豪華な展開でした。
御手洗は電話で、残念ながらほんの少しだけの登場でしたが、まぁ~、いいかな(笑)。
でもって、石岡くんのヤキモチは里美ちゃんに?御手洗に?とそこが結構気になりました。
結局、というか、当然、森孝魔王の仕業ではありませんが、事件の解明は、犯人からの石岡くんに宛てた手紙で告白されるという、ちょっぴり寂しい終わり方ではありました。
でも、菊川の仕出かした悪事の数々を思うと、その寂しさがマッチしていたかもしれません。
殺人事件が好きなワケではありませんが、トリックや謎解きの醍醐味はやはり面白く、特に、島田荘司さんならではの醍醐味は格別です。
やはり、御手洗ものはドキドキさせられ、普通に驚けるのが楽しいですね。
いやぁ~、面白かった!