みちのくレースのおたのしみ

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3回水沢前半の売上げ動向

2007年05月08日 | 岩手競馬
 恒例になりつつある売上げ動向。今回は3回水沢前半です。
 始めにお断りを。今年はこの開催は5月3~6日の4日間で行われましたが、昨年は5月4~8日の5日間で行われました。また、昨年は盛岡開催でした。条件が微妙に異なるのですが、G1発売日を揃えた方がわかりやすくもあり、同じ曜日で比較しております。以下、今年の売上げ/対前年比です

5/3 1億6365万7900円(81.9%)
5/4 1億7124万4500円(86.3%)
5/5 2億1678万3800円(107.7%)
5/6 2億3173万1100円(94.8%)

この4日間トータルの対前年比は92.8%、金額で約6059万の減となっています。



 3日の不振は前回も触れたような「配列の良い連休・天気の良いときは前半の売上げが伸びない」にはまったと思われます。昨年は連休初日の3日に開催を入れなかったのですが、それは他の事情があったっぽいけれど、結果的には正解だったのかもしれません。
 また、昨年は開催替わりに加えて盛岡本場でイベントをぶつけたりして、2005年の5月連休初日の開催日より若干増えていました。今年は大きな目玉がなかった分伸びなかったのでしょう。



 いや、目玉があっただろう、と言われるかもしれません。3連単発売レースの拡大です。
 5月3日から岩手競馬では3連単発売レースを2レース増やし、5レースからの発売としました。これが一応連休の目玉だったわけですが。
 売上げが増えなかった、という点で“効果がなかった”と断じてしまう事もできるのですが、それだけではつまらないのでもう少し違う視点から分析してみました。

 まず、3連単非発売レースと発売レースの1レースあたり平均売上げの比較です。非発売レース(1~4):発売レース(5~11)です。

5/3  886万9700円:1831万1300円
5/4  976万6180円:1888万2830円
5/5 1184万9830円:2419万7790円
5/6 1252万9630円:2594万4660円

 3連単発売レースと非発売レースでほぼ倍以上の差があり、確かに3連単効果はありそうですが、これを2回水沢前半の同様の値(1~6R:7~11R)と比較してみると、

4/21 1032万2720円:2176万8720円
4/22 1367万 970円:2676万7840円
4/23 1133万8030円:2708万2220円

 拡大後、3連単発売レースの平均値が下がっているのが分かります。
 で、もう一つ。新たに3連単発売レースになった5R・6R、それと11Rの平均売上げの比較なんですが、

2水前半(4/21~/23)・・・1468万1800円/1596万5800円/2970万8600円
2水後半(4/28~/29)・・・1241万8700円/1651万8300円/2780万6667円
3水前半(5/ 3~/ 6)・・・1601万5650円/1856万4750円/2422万4550円

 5・6R分は確かに増えているけれど、最終レースが凹んでいます。4/30にメインの売上げが1億を超えたので今回は比較しませんでしたが、10Rでも「いつもより売れてない」という傾向が出ています(10Rが2100万円台は今季最低。それが3・4日と2日続いた)。

 いろいろ細かい条件の違いがあるのでこれだけで結論は出せませんが、あえてこの数字から推測すると、「お金が回らなくなって後半息切れしている」という状況が出ているのではないでしょうか。



 数字のお話しは、今回はひとまずここまでで。以下、個人的な意見。
 3連単発売レースの拡大、1レースから売って欲しいという声が多いのは存じていますが、私はこれ以上する拡大するべきではないと思います。

 現状の3連単の問題は、他の賭式の売上げを喰ってしまうという事です。
 3連単発売レースでは3連単の占める割合が30%以上、メインや最終では40%ほどにもなります。その分売上げがオンされれば問題ないですが、現状では3連単発売レースと非発売レースでは馬複や馬単、3連複の売上げがざっと3~4割違う(単複や枠は意外と変わらないです。固定客が根強いからでしょう)。
 売上げが減れば配当が下がるし、穴目の時の配当が伸びなくなる。当てても配当が低いとなればおのずと買い目を絞る。するとまた売上げが下がる。悪循環なんですね。

 いや、ある程度売上げがあれば問題ない事なんですよ。だいたいの感触ですが、岩手の場合1レース3000万あればどの賭式も幸せになれるでしょう。2500万くらいあればそれなりに。
 でも今の岩手の1レースみたいに1千万ないような時は、3連単を入れて売上げが割れてしまうと馬複や馬単の妙味が壊滅的になる可能性が高い。
 もし入れるなら、何らかの売上げ底上げ策と同時にやらないとダメではないでしょうか。今のままでは「何を買っても面白くない」という共倒れになりかねないです。



 とはいうものの、“とにかく買う・当たれば大きい方がいい”というタイプの方には3連単がベストなのは確かでしょう。ハイリスク・ハイリターンだけど、とにかく網を張って高配当を拾おう、という買い方ですね。
 場外や他県とか特に、“絞って買うには判断材料がない。だったらいっそ3連単”という事になりがちで、だから他県や電投・ネット対策には3連単発売が多いほどいい、という可能性はある(昨年度いくつかの主催者で対前年比プラスになりましたが、それらがいずれも1レースから3連単発売している事・場外・電投の伸びが大きい事、まさにこれだと思うのですが、どうでしょうか?)。
 
 いや、売上げがある程度大きければみんな幸せになれるわけで、それにこした事はないんですけれども・・・。

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