諏訪の「真澄」は分かりやすい。諏訪ICから国道を市役所方面に向かい、霧ヶ峰への分岐の交差点が7号酵母発祥の真澄の宮坂醸造だ。古い佇まいは現在は試飲のできるショプになっている。まずは「真澄」を仕入れて奥蓼科温泉に向かうのが第一の目的である。 利き酒は300円の持ち帰りグラスを渡され、大吟醸からシャーベット酒まで店の女性から注いでもらうシステムだ。気に入った酒があれば2杯でも3杯でもお代わりは可能だ。一通り試飲して、気に入ったのを2~3回試飲?する内いい気持ちになる。いつもアキバのガード下の「真澄酒造」で飲んでいる酒ばかりなので目新しさはないが、安心して飲める。
さて、真澄を後にして霧ヶ峰高原経由で奥蓼科へドライブ。生憎の曇り空だがそこは雲海の上。南アルプス、鳳凰三山、富士山まで雲上に水墨画の趣で絶景である。
白樺湖経由で着いた温泉宿は、明治からの風情漂う老舗宿「明治温泉旅館」。滝の傍らの崖の上に立ち、渓流の紅葉と相まってロケーションは抜群である。近くには東山魁偉のおとぎ話の世界のような白い馬が佇む緑の中の湖を描いた「緑響く」に描かれた湖「御謝鹿池(オシャカと読む)」が旅館の入り口にある。
旅館の設備は昔のまま。旧来の湯治場の雰囲気が漂う。共同の流しで顔や歯を洗うのも納得できる。温泉はというと、源泉は鉄炭酸泉の25度、加水はしていないが加温はしている掛け流しの湯である。ぬるいが源泉そのままの鉄炭酸泉の赤い湯とフィルターを通す加温がやや強い大風呂の2つがある。どちらもいい湯だ。
食事は山菜を中心としたバラエティに富む料理で山菜の天麩羅に混じって紅葉の天麩羅もあった。趣向である。宿の燗酒は「真澄」だそうだ。持ち込みも「真澄大吟醸」やはりメジャーだなと思う。
さて、翌日は麦草峠を越えて日本最高所の湖という白駒池へ。峠を越えるあたりから雪がチラホラと舞い散ってきた。白駒池の駐車場から20分くらいという。傘を差して原生林の中へ。苔むす森の中は青木ヶ原を彷彿とさせる。暫し歩くと森の先に雪に煙る白駒池が見えてきた。凍えきった体で湖畔のロッジに飛び込む。駐車場でロックした車の鍵はポケットにある。駐車場で待っている連中のことなどすっかり忘れて、。「ホットコーヒーと野沢菜のおやき!」と即座に注文。雪に煙る幻想的な白駒池を結露のガラス越しにコーヒーをすする。
駐車場に戻り、売店のお姉さん相手に時間を潰し、ブツクサ言っている仲間を乗せて出発。雪も止み売店のお姉さんから聞いた松原湖の「八峰(やっほー)の湯」へ。役所直営で休憩所や食事処もあり、なかなか繁盛している。村興しだろう、このご時世で頑張っているほうだ。八ヶ岳が一望に見渡せる窓の大きな内風呂と露天風呂が素晴らしい。天気がよければ言うことはない。帰りの運転があるので酒抜きで仲間のビールを横目に食事を摂る。機会があれば又来たいと思う。
清里高原経由で中央道へ。関越経由にすればと後の祭り。渋滞に巻き込まれるも何とか6時前後にアキバに到着。