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放送大学 ヨーロッパ政治史 飯田芳弘 学習院大教授 第7回 変容する政治社会と体制変動 まとめ

2013-03-06 16:44:40 | 閉講・ヨーロッパ政治史(放送大学)

第7回 変容する政治社会と体制変動


19世紀末以降、ヨーロッパ各国では社会の組織化と組織を通じた政治的動員が進んだ。政治の組織化・大衆化は国家に対する社会の政治的圧力を高め、各地で国家と社会の関係に変化がもたらされた。19世紀的な議会政治の変容や議院内閣制化問題を検討した後、市民社会における軍事的価値や急進的なナショナリズムの広がりに注目し、総力戦を準備した各国社会の変容について考える。


自由主義の退潮

自由主義では排除されていた財産と教養なき大衆を組織的に動員

政治的カトリシズム、社会主義

非妥協的な対立


社会主義

社会的亀裂は、資本と労働の対立

平等を、政治領域のみならず経済領域でも貫こうとする

労働者の組織化

手段は政党に限られず、労働組合運動が先行

全国レベルでは政党が優位

選挙か革命か

議会参加は、当初プロパガンダにすぎなかった

ゼネストの失敗

議会での社会立法めざす

暴力を否定、投票箱を通じた革命

社会民主主義

議会の多数派を占めるために、労働者以外の支持と他党との連携が必要

 

政治的カトリシズム

社会的亀裂は、国家と教会のあいだ

イギリスと北欧を除く

カトリック教会は反教権主義的改革に反発

ただし、教会は当初カトリック政党結成に反対

自由主義の基礎は、自律的個人と自己決定

カトリックは、個人は社会のつながりのなかで存在する者と考える

倫理・道徳上の保守性

政治経済に対する国家介入を認める

社会をさまざまなコミュニティから成り立つと考える

国家の役割の補完性

教会が政党結成に反発したのは、ヒエラルキーが崩れるのを恐れたため

反カトリック政策の請願運動が凝集

社会主義台頭以前、教会と保守主義の連携は、選挙で勝利

大衆社会に根差したカトリック政党の結成

教会は次第に容認

 

社会の軍事化

国家の強制なき、社会の自発的な戦争動員

組織を持たない自由主義をまとめるイデオロギーとしてのナショナリズム

植民地戦争は、以前は対岸の火事だったのが、死活問題として認識される

軍備拡大競争

非妥協的な対立

 

体制の議院内閣制化

19世紀後半、ヨーロッパ各地で政府と議会の一体化

しかし、ドイツは数少ない例外

政府と議会の二元体制

議会第一党は、カトリックの中央党

第二党は、社会民主党

その他のブルジョア政党は、政府と連携

議会は、各勢力の政府に対する利益政治の舞台

統一的な国策は、議会政治には期待できない

ナショナリズムの高まりは、議会政治の発展を妨げた

二元主義的なドイツ国制へのナショナリスティックな自信

仮想敵国フランスの議会制は、社会対立が政府に入りこみ、国家の中立性を損ない、統治能力が欠如していると認識



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