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#放送大学 事例から学ぶ日本国憲法 岡田信弘 北大教授 第2回 象徴天皇制と平和主義 まとめ

2013-04-02 20:27:38 | 事例から学ぶ日本国憲法(放送大学)

放送大学 事例から考える日本国憲法 岡田信弘 北大教授 第2回 象徴天皇制と平和主義

日本国憲法が定めている天皇制と平和主義の法的内容について検討する。具体的には、天皇の地位および権限、平和的生存権、戦争放棄などについて考察するが、その際、歴史的観点と国際的観点を視野に入れることによってより深い理解を試みる。

【キーワード】
国民主権、象徴天皇制、皇室典範、国事行為、公的行為、平和的生存権、戦争放棄


国会開会式での天皇の「おことば」は、憲法上の国事行為として列挙されていない。


ジャック・マリタン『人間と国家』(1951年)

「主権」という概念ほど、多くの紛糾した問題を引き起こし、19世紀の法学者や政治理論家たちを絶望的な迷路に引き入れた概念はない。


国民主権

「国政のあり方を最終的に決定する権力または権威が、君主といった特定の個人にではなく、すべての人からなる国民に存する」

 

憲法前文

代表民主制

直接民主制 憲法改正、地方自治特別法に関する住民投票

 

国体変革をめぐる、尾高・宮沢論争

 

尾高朝雄

ノモス主権論「ノモスこそ王の上にある王、神々に対してすら王として君臨する。主権はノモスにこそある」

国民主権と天皇主権は両立可能

国体不変更論

 

宮沢俊義

主権はどこにあるか、この問題にノモス主権は答えていない

主権の担い手は、jedermannすべての人

国体変更論

 

日本国憲法における天皇制の位置付けのために、宮沢の議論は有効だった

 

象徴天皇制

天皇は「君主」「元首」か

共和制か君主制か

 

君主制の標識

1独任機関である

2その地位が世襲である

3統治権の担い手である

4対外的に国を代表する地位・権限を持つ

 

日本国憲法では1と2を満たすが、3と4は満たしていない

日本政府が外国に対して、日本国は立憲君主制であると説明

天皇が「元首」であるためには3と4を満たす必要があり、米仏の大統領と変わらなくなるが、それなら政治的責任が生じる

 

皇位継承

世襲の原則

特定の系統

男系男子に限る

直系=長系主義

詳細を定める皇室典範は、国会の議決で変更可能

 

国事行為(6条、7条)

内閣総理大臣の任命

憲法裁判所長官の任命

憲法改正、法律、政令および条約の公布

国会の召集

衆議院の解散

国会議員の総選挙の施行の公示

国務大臣および法律の定めるその他の官吏の任免ならびに全権委任状および大使および公使の信任状の認証

恩赦の認証

栄典の授与

批准書およびその他の外交文書の認証

外国の大志および公使の接受

儀式を行うこと

 

国事行為は内閣の助言と承認が必要で、内閣がその責任を負う(3条)

 

国事行為の代行

摂政、国事行為の臨時代行

 

日本国憲法下の、天皇の行為の性質分類

 

二分説

公的行為=国事行為、私的行為

否定説 国事行為以外の公的色彩を有する行為を一切認めない

肯定説 「国事行為」に関連付けて正当化

 

三分説

国事行為、公的行為、私的行為

象徴行為説

公人的行為説

 

実務・学説では、三分説の象徴行為説が有力

おことばは、象徴としての公的行為

 

平和主義

平和のうちに生存する権利(平和的生存権)

 

国際社会における平和的生存権の議論 right to peace, right to live in peace

1976年 人権委員会決議

1978年 平和的生存への社会的準備に関する宣言(国連総会)

1984年 人民の平和への権利に関する宣言(国連総会)

法的拘束力はなし

 

平和的生存権は、日本に特殊な議論ではない

 

9条1項

戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、

国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する

限定放棄説 侵略戦争のみ

完全放棄説 自衛戦争含む

 

9条2項

前項の目的を達するため

芦田修正

陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない

 

日本政府の解釈

あらゆる主権国家は他国からの侵略に対して自国を防衛する自衛権を有している

「自衛のための実力組織」は認められるはず

絹布が保持を禁ずる「戦力」とは

「自衛のための必要最小限度の実力」を超えるもの

自衛隊は違憲ではない=自衛力合憲論

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#放送大学 事例から学ぶ日本国憲法 岡田信弘 北大教授 第1回「憲法」とは何か まとめ

2013-04-02 00:29:33 | 事例から学ぶ日本国憲法(放送大学)

放送大学 事例から学ぶ日本国憲法 岡田信弘 北大教授 第1回「憲法」とは何か


日本国憲法もその系譜に連なる近代立憲主義の基本原理として、どのようなものがあり、それが日本国憲法のなかにどのように組み込まれているのかについて検討する。

【キーワード】
立憲主義、実質的意味の憲法、形式的意味の憲法、近代的意味の憲法、憲法の法源、権力分立

 

18世紀において憲法を持っていたのは世界のうちでイギリスだけであった。

19世紀の文明諸国で憲法を持っていないのはイギリスだけである。

 

実質的意味の憲法

憲法の内容に着目

国家統治の基本構造、根本の秩序にかかわる法規範全体

 

形式的意味の憲法

憲法の形式に着目

憲法典、成文憲法という特別の法形式

 

イギリスには、形式的意味の憲法は無いが、実質的意味の憲法はある

 

近代的意味(立憲的意味)の憲法

フランス人権宣言16条

「権利の保障が確保されず、権力分立が定められていない社会は、憲法を有するとはいえない。」

人権保障と権力分立、成文法、硬性憲法の性質を有する

 

硬性憲法=憲法の改正手続について通常よりも厳格な手続きが必要

軟性憲法=通常の法律制定手続と同じ手続きで改正可

 

憲法の法源

法源=法の存在形式

 

日本国憲法の基本原理

国民主権

基本的人権の尊重

平和主義

 

日本国憲法の構成

第一章 天皇

第二章 戦争の放棄

第三章 国民の権利及び義務

第四章 国会

第五章 内閣

第六章 司法

第七章 財政

第八章 地方自治

第九章 改正

第一〇章 最高法規

第一一章 補則

 

憲法付属の法律

第一章 天皇 皇室典範、皇室経済法、恩赦法

第三章 国民の権利及び義務 国籍法、請願法、人身保護法

第四章 国会 国会法、公職選挙法

第五章 内閣 内閣法、国家公務員法

第七章 財政 財政法、会計法、会計検査院法

第八章 地方自治 地方自治法、地方公務員法

 

 

98条2項により、条約、確立された国際法規=国際慣習法も憲法の法源

 

成文法だけでなく、不文法も法源ととして重要

 

憲法上の習律 ダイシーの議論

裁判所で強行されるものと強行されないもの、後者が習律

閣議の全会一致は、憲法にも内閣法にも定めはないが、習律として認められている

統治機構の運用において重要

 

判例は憲法の法源かどうか、議論がある

反対論は、成文法主義だからという理由

しかし、裁判所の違憲審査があるので、判例法を認めるのが有力

 

権力分立とは

国家権力を

立法・行政・司法の各権力に区別し、

その各々を異なる機関に担当させ、

更に互いに他を抑制・均衡させることによって、

国家権力の集中や濫用を排除し、

もって個人の自由を擁護しようとするものである

 

権力分立の要素

権力の区別、権力の分離、権力の抑制・均衡

全二者が形式的権力分立観、後者が機能的権力分立観

 

モンテスキュー『法の精神』の三権分立(第11篇第6章)

立法権、万民法に関する事項の執行権=行政権、市民法に関する事項の執行権=裁判権

 

アメリカ合衆国憲法は三権分立に忠実

1条立法権=連邦議会、2条執行権=大統領、3条司法権=最高裁判所と連邦議会が設置する下級裁判所

 

19世紀に、民主主義の発展と国民主権原理の深化による議院内閣制の確立

アメリカ的な大統領制=抑制と均衡 厳格な権力分立

イギリス的な議院内閣制=融合と協働 柔軟な権力分立

 

権力分立の変化

執行権・行政権が国家意思の形成において中心的役割

政党国家化の深化

違憲審査権を含む裁判所の役割

中央と地方の間の権力分立

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