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放送大学 ヨーロッパ政治史 飯田芳弘 学習院大教授 第8回 第一次世界大戦の衝撃と遺産 まとめ

2013-03-07 16:44:42 | 閉講・ヨーロッパ政治史(放送大学)

第8回 第一次世界大戦の衝撃と遺産


第一次世界大戦が国家の発展に与えた影響を考察する。まず、大戦が19世紀の民主化の課題を完成させる一方で、その民主体制に対する不安定要因をも残したという、大戦の両義的な影響を紹介する。続いて、総力戦下における動員体制が国家と社会の関係の緊密化をもたらし、戦後政治では国家と各種団体との安定的関係が政治的安定にとっての重要な要因となったことを説明する。

 

総力戦

社会の資源を総動員して戦争を遂行

国家の能力と正統性のテスト

敗戦が戦前と戦後を断絶させる

 

第一次大戦後、民主化・議院内閣制が確立

帝政ドイツ、ハプスブルク帝国崩壊後のドイツや東ヨーロッパが議院内閣制へ移行

 

選挙制度の民主化

女性への参政権

総力戦で銃後の社会で女性が動員されたことへの恩賞

比例代表制が主流に

社会の少数派の意思が反映される

 

戦間期

共産主義VSファシズム

遠心的・分極的政治状況

すべてのヨーロッパ諸国で見られたファシズムの思想と運動

イタリア・ドイツ・ハンガリー・ベルギー・ルーマニアで一定勢力

権力掌握に成功したのはイタリア・ドイツのみ

総力戦下の復員兵のイデオロギー

復員兵の連帯意識・少数の英雄賛美

議会制民主主義への批判

民族の純血性は、没落意識の裏返し

ファシズムの民主主義的要素

人間の非合理性や美意識に訴え、神聖・崇高なものに国民を一体化

指導者と大衆の一致

議会制民主主義と異なる政治参加のあり方

 

相対的安定期

第一次世界大戦後

大戦のコストの負担問題

どの国の誰が負担するか

ドイツの多額の賠償

ドーズ案で緩和

財政赤字解消のため、増税かインフレ持続か

 

総力戦下の官民協力、国家と社会・団体の緊密化

終戦後、企業は戦時経済統制からの自由化を望んだ

しかし、国家と社会の一体化は、相対的安定につながる

 

 

ブルジョアの利益を優先

議会外の団体や組織を通しての利益擁護

団体主義的安定

1920年代半ば以降、相対的安定

戦後、社会主義の台頭

ゼネスト失敗、社共分裂

反社会主義

議会における中道派の結集

ルール占領に際し、右翼的・国粋的潮流

 

ドイツ・ワイマール共和国

はじまりの革命とおわりの民主制の崩壊の間

相対的安定期

1924年からの4年間

まず、ブルジョア連合

利益団体からの支持

社会民主党を排除

次に、中道少数派連合

社会民主党と一定の閣外協力

政党間の交渉と妥協を駆使

 

イタリア・ファシズム

コーポラティズム

カトリック教説における国家有機体説

各職能団体の代表者会議

すべての階級を包摂

政治と経済の融合

国家が強制と暴力によって作った秩序

 

フランス・第三共和制

分裂を伝統的な議会政治で調整=小春日和

組織化への消極性

組織は個人を抑圧する、という政治文化



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