東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸人形「鉄砲狐の異種?」

2011-04-27 22:36:54 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010149 この狐は以前ご紹介した「加野 トク」さん作の柾木稲荷型?の狐と面描きが同じです。

ただし、台座があり、黒く塗られているのがちょっと違う。胡粉地にキラ(雲母粉)を塗っているのも共通します。従来の「鉄砲狐」と構図としては同じですがプロポーションが違います。

これにも擦り込みがあります。

最後の生粋の今戸人形師だった尾張屋春吉翁(明治元年~昭和19年)のところや鈴木 タツのところの鉄砲狐には擦り込みはしていないです。


今戸人形「岩の上の横向きの稲荷の狐」

2011-04-27 22:27:37 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010148ポーズとしては、先にご紹介した「太郎稲荷狐」や「横向きの稲荷の狐」と同じなのですが、更に岩の上に鎮座しているという構図です。

やはり神様のご眷属としての威厳を表現しているのでしょうか。仏像などで岩の上で邪鬼を踏みつけていたり、お不動様が岩の上に鎮座しているのと同じような、、。

今戸焼の土人形の中で、岩の上に鎮座しているものは「恵比寿大黒」など割とポピュラーかと思いますが。お稲荷さんの狐にもこうしたものがあったんですね。岩の彩色など、「恵比寿大黒」のそれと似ています。

それとこの狐の鼻と口の色の置き方が面白いです。今戸焼の古い狐の場合、「鉄砲狐」などは最初から赤一点ポツンと大きく置きます。このやり方は狸にもみられますが、「馬乗り狐」でも一点です。しかし鼻孔2点に口のラインを入れるやり方もあり、画像の狐はその中間といった感じがします。

そして台座部分に赤地に金(真鍮粉)で宝珠を描いたり、顔や体に刷り込みを入れています。

高級感をだすために丁寧に作られたものなんでしょうか。


黄色の眼

2011-04-27 01:00:51 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010162 胡粉の下地を塗り、種類によっては目元に朱で刷り込みを入れます。

その上に「猫もの」だったら黄色の眼を入れます。古い今戸焼の人形をみても、猫の眼は黄色かイエローの染料か、金色(真鍮粉)ですね。ごく稀に水色のがあったりしますが、、。

まだ墨で眼点を入れていないので、こうしてみると不気味でしょう。

今日は黄色の絵の具だけです。泥絵具を膠で溶いて、湯煎にかけるので、一度の湯煎でできるだけ効率よく黄色の塗れるところを廻して塗ります。

羽織狐の草履部分とか鉄砲狐の台座の上面も黄色です。他に天神様の笏など、、。

明日はいよいよ眼点と鼻を入れ、そのあと鼻孔と口に行きます。

P1010164