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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信1085 ・橋下流の強権政治と市場原理主義

2011-11-28 06:47:13 | 日記

 おはようございます。ロシアでは、プーチンという独裁者が来年から12年間、独裁政治を続ける可能性が確実視され、国民の間に閉塞感が広がっているそうです。
 生き生き箕面通信1085(111128)をお届けします。

・橋下流の強権政治と市場原理主義

 大阪に「小泉流の市場原理主義」が舞い戻ってくることになりました。大阪府知事には松井一郎氏が、大阪市長には狙い通りの橋下徹氏が当選しました。得票数は橋下氏が75万票、平松氏が52万票で、ダブル・スコアほどの差もないのですが、NHKは開票状況が発表される前に両氏の「当確」を打たれ、白けてしまいました。

 橋下流の政治手法は、小泉流の「ワンポイント・イシュー」(一点突破主義)で、今回掲げたのは「大阪都構想」なるイリュージョン(めくらまし)でした。

 今の政治状況は、「何もかもが行き詰まった」という閉塞感がマグマのように溜まっているのは事実です。それを打開するのに、ワンポイントを掲げ、これに反対する人をすべて「抵抗勢力」と決めつけ、面白おかしく対決見せた小泉劇場。橋下流はその二番煎じです。民主主義の粘り強く対話を重ねるという原則はあっさりと破り捨てました。

 今後は、「オレが民意だ」と、大阪市議会に「職員基本条例」を、そして教育現場に「教育基本条例」を徹底させるように、再度両条例の制定を提案するのでしょう。

 市場原理主義は、競争によるコスト引き下げが狙いですから、さしあたり赤字部門の大阪地下鉄や市営バスは民営化へ、そのうち市立の病院も私立に変えることを視野にいれるのではないでしょうか。その合言葉が、「稼ぐ自治体」です。

 悩ましいのは、「改革」は何としても進めなければならないという現実です。しかも待ったなしの緊急性があります。府市の二重行政是正、財政再建、職員の規律回復、教育現場の改革など課題は山積み。しかし、それは強権的にもただ進めればいいというものではないはずです。政治はあくまでも対話を重視し、からみあう利害を粘り強く民主主義的に解きほぐしていくことを求めたい。その際は、「お任せ民主主義」ではなく、「参加する民主主義」を私たち自身が身を持って行う必要があります。

 かつて、理想的な憲法とされたドイツ・ワイマール憲法のもとでヒトラーが出現しました。民主主義は日々、闘って鍛えていかなければ、衆愚政治、ポピュリズムに陥り、そのあげくに独裁政治、ファッシズムをもたらします。ヒトラーは理想的な民主主義制度の下で生まれ、ヒトラー旋風をまき起こし、ドイツをファシズム一色で染め上げて第2次大戦を引き起こしました。

 橋下氏は当選が伝えられたあとの記者会見で、「大阪市の職員は教職員を含め、今回の選挙結果をきちんと受け止める必要がある。大阪市会議員も、重く受け止めるべきだ」と述べました。「オレのいうことを聞かなければ、クビだ」という早速の先制パンチ、”脅し”です。

 来年にも予想される衆議院総選挙で、橋下氏率いる「維新の会」は候補者を立てると見られています。既成政党からの”すり寄り”もささやかれています。

 大阪の選挙結果は、一地方の出来事ではありません。全国の政治的な”空気”に「小泉劇場の復活」、周回遅れの市場原理主義のよみがえりを予感させ、何んとも居心地が悪い。大阪はこれから少なくとも4年間、市場原理主義と向かい合い、真の民主主義を鍛えていくことが求められる状況となりました。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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橋下勝利の本質 (長谷川存古)
2011-11-30 12:56:27
 橋下流政治の本質は強権政治と市場原理主義、全くその通りだと思います。ただ細かい点を言うと、地下鉄は黒字だとのことです。橋下は「役人がやって黒字なら、民間がやればもっと黒字が増え、運賃も安くできる」と言って、民営化を進めようとしているようです。
 なお、おっしゃっている「府市の二重行政是正、財政再建、職員の規律回復、教育現場の改革」などは、「待ったなしの緊急性」のある問題なのでしょうか? 問題の建て方自体が、新自由主義の枠組みの中でなされているのでは、とも思われますが。
 橋下勝利の原因として、「閉塞感」ということがよく言われていますが、もう少し分析して、誰のどのような「閉塞感」が主要なものなのかを特定する必要があるのでは、と思います。橋下は「投票率を上げることが勝利の鍵だ」として、若者にターゲットを絞って「投票に行こう」と呼びかけましたが、これが見事にあたり、前回の選挙に比べて10%以上投票率を引き上げて大勝しました。ここで放出された最大のマグマは、非正規雇用の若者達の、全く先の見えない「閉塞感」だったのではないでしょうか? 彼らは、「大阪を変えるのか、変えないのか?」という、実際には無内容な二者択一を突きつけられて、「大阪を変えよう! 日本を変えよう!」と燃え上がったのだと思います。
 おっしゃるとおり、大阪が、そして日本全体が、実に危険な状況にさしかかっていると言わざるを得ません。
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小泉竹中路線とは異なる点 (Unknown)
2011-12-21 15:32:12
役人利権は守りつつ弱者から血祭りに上げた小泉竹中流の市場原理主義はニセモノである。
だからこそ、大失敗したのである。
役人利権・公務員天国解体に手を付けた橋下流の市場原理主義こそ、本来のもの。

公務員の学歴主義、無競争主義そして高コスト体質にメスを入れないと日本は轟沈する。
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