おはようございます。菅首相が任命した放射線安全学の権威、小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大大学院教授が「菅政権が引き上げた子どもたちへの年間被ばく量はとんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命も終わりだ。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と、菅政権の「その場限り対応」を涙ながらに批判し、辞任することになりました。
生き生き箕面通信875(110430)をお届けします。
・ブッシュ前大統領の罪と罰
アメリカのブッシュ前大統領が綴ってきた「私の履歴書」(日経朝刊)が本日の30回目で終わりました。全体を通して感じた印象は、「虚構の歴史を押し付けられた虚しさ」でした。なによりも虚しさを感じたのは、ブッシュ氏が編み出し、世界に押し付けた「テロとの戦い」という概念です。ブッシュ氏は「テロとの戦い」があたかも「当然の事実として存在し、この戦いこそが取り組まなければならない最重要課題」として書き進めました。
本日の最終回で、「私の回想録を読むことによって、米国という国家のシステムの何たるか、21世紀の初期に何が起こったのか、そして私という人間について少しでも理解してもらえたなら、喜ばしい」と書いています。ぼくも、21世紀の初期に本当は何が起きたのか、つまり「9・11の真実」知りたいと思い、読み続けてきました。しかし、結局、虚しさだけが残りました。
東西冷戦の終結後、アメリカの産軍複合体は新たなる「敵」が必要となり、「テロ国家」という概念をひねり出し、「テロとの戦い」という虚構をでっちあげて世界を巻き込みました。そのきっかけとしてブッシュ政権は、チェイニー副大統領のもとに高度にして大がかりなチームを組織し、「9・11というテロ」に関わりました。
その後アメリカという国は、独立国であったイラクを「テロ国家」と指定し、実際に攻撃してめちゃくちゃにして占領したわけです。アフガニスタンのタリバン攻撃も「テロとの戦い」でした。
そもそもアメリカという国家への「テロ」などありませんでした。ブッシュ氏の了承のもとにチェイニー副大統領が指揮した一大戦略だったのです。
9・11直後にどさくさにまぎれて成立させた「愛国者法」で、アメリカのジャーナリズムは政府批判の息の根を止められ、アメリカの民主主義は崩壊してしまいました。9・11前のアメリカと比べると、その後のアメリカは「似て非なる存在」に完全に変質させられてしまったのです。現在のアメリカは怪異な容貌の化け物です。かつての陽気でお人よしのヤンキーは存在できなくなりました。拝金主義者のはびこるアメリカに変わってしまったのです。ブッシュ氏の最大の罪はここにあります。
ブッシュ氏のあとを受けたオバマ氏は「チェンジ」を掲げ、「アメリカをよみがえらせる期待」を担って登場しました。しかし、世界を支配する強大な力を持つまでに膨れ上がったアメリカの産軍複合体は、簡単にオバマ氏を支配してしまいました。ノーベル平和賞委員会は、歯止めの願いを込めて早々と「平和賞」を授与しましたが、効き目はありませんでした。しかし、オバマ氏に与えた「平和賞」を、「テロとの戦い」でかくかくたる戦果を上げたブッシュ氏に授与しなかったことが「罰」ということになりましょうか。
9・11後のアメリカが採用し続ける「テロとの戦い」と、その経済版である「グローバリズム」(市場原理主義)という戦略は、ヨーロッパ諸国を巻き込み世界の「負の遺産」として絶大な影響力を振るい続けて、結局は世界を没落の道に引きずりこみつつあります。
生き生き箕面通信875(110430)をお届けします。
・ブッシュ前大統領の罪と罰
アメリカのブッシュ前大統領が綴ってきた「私の履歴書」(日経朝刊)が本日の30回目で終わりました。全体を通して感じた印象は、「虚構の歴史を押し付けられた虚しさ」でした。なによりも虚しさを感じたのは、ブッシュ氏が編み出し、世界に押し付けた「テロとの戦い」という概念です。ブッシュ氏は「テロとの戦い」があたかも「当然の事実として存在し、この戦いこそが取り組まなければならない最重要課題」として書き進めました。
本日の最終回で、「私の回想録を読むことによって、米国という国家のシステムの何たるか、21世紀の初期に何が起こったのか、そして私という人間について少しでも理解してもらえたなら、喜ばしい」と書いています。ぼくも、21世紀の初期に本当は何が起きたのか、つまり「9・11の真実」知りたいと思い、読み続けてきました。しかし、結局、虚しさだけが残りました。
東西冷戦の終結後、アメリカの産軍複合体は新たなる「敵」が必要となり、「テロ国家」という概念をひねり出し、「テロとの戦い」という虚構をでっちあげて世界を巻き込みました。そのきっかけとしてブッシュ政権は、チェイニー副大統領のもとに高度にして大がかりなチームを組織し、「9・11というテロ」に関わりました。
その後アメリカという国は、独立国であったイラクを「テロ国家」と指定し、実際に攻撃してめちゃくちゃにして占領したわけです。アフガニスタンのタリバン攻撃も「テロとの戦い」でした。
そもそもアメリカという国家への「テロ」などありませんでした。ブッシュ氏の了承のもとにチェイニー副大統領が指揮した一大戦略だったのです。
9・11直後にどさくさにまぎれて成立させた「愛国者法」で、アメリカのジャーナリズムは政府批判の息の根を止められ、アメリカの民主主義は崩壊してしまいました。9・11前のアメリカと比べると、その後のアメリカは「似て非なる存在」に完全に変質させられてしまったのです。現在のアメリカは怪異な容貌の化け物です。かつての陽気でお人よしのヤンキーは存在できなくなりました。拝金主義者のはびこるアメリカに変わってしまったのです。ブッシュ氏の最大の罪はここにあります。
ブッシュ氏のあとを受けたオバマ氏は「チェンジ」を掲げ、「アメリカをよみがえらせる期待」を担って登場しました。しかし、世界を支配する強大な力を持つまでに膨れ上がったアメリカの産軍複合体は、簡単にオバマ氏を支配してしまいました。ノーベル平和賞委員会は、歯止めの願いを込めて早々と「平和賞」を授与しましたが、効き目はありませんでした。しかし、オバマ氏に与えた「平和賞」を、「テロとの戦い」でかくかくたる戦果を上げたブッシュ氏に授与しなかったことが「罰」ということになりましょうか。
9・11後のアメリカが採用し続ける「テロとの戦い」と、その経済版である「グローバリズム」(市場原理主義)という戦略は、ヨーロッパ諸国を巻き込み世界の「負の遺産」として絶大な影響力を振るい続けて、結局は世界を没落の道に引きずりこみつつあります。