生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信845 ・フランス大統領が迫る重大決意?

2011-03-31 06:31:57 | 日記
おはようございます。専門家によると、「廃炉には数十年かかる」そうです。
生き生き箕面通信845(110331)をお届けします。

・フランス大統領が迫る重大決意?
 
 急きょ、サルコジ仏大統領が本日、来日します。何のためか。フランスも、リビアを空爆し、カダフィ氏の退任を強制する作戦を展開中だから、本来なら日本に来ている暇などないはずです。

 サルコジさんの来日の目的は、福島原発の処理について重大決意を促すため、という見方があります。オバマ米大統領をはじめ、英、独など主要各国首脳と連絡を取ったうえ、否応なしの決意を迫る。

 つまり、菅首相や枝野官房長官が主導する「福島原発対応策」は、なってないということのようです。日本の対応は、各国からは「見ていられない。何をもたもたしているのか。時間が経てば経つほど、事態は深刻化するではないか」と認識されているというのです。

 では重大決意の内容はどのようなものなのでしょうか。抜本的に放射能の飛散・汚染拡大を解消することに重点を置いた策とみられますが、具体的な中身までは憶測されていません。

 東電は昨日になってようやく、1~4号炉を「廃炉」とする方針を表明しました。社長が体調を口実に逃げ出したため、仕方なく会長が陣頭指揮に復帰し、その第一声が「廃炉」の表明となりました。

 「遅い」、ですよね。

 そもそも東電の社長は、事態の本質を見抜き、すぐにも「廃炉」を決断して、そのための具体的な作業に全力を挙げるべきでした。ところが、政府や原発関係者の顔色をうかがいながら、あとで批判されないような「根回し」をしてから結論を出そうとするため、「廃炉」の決定に3週間も経過しました。

 この箕面通信ですら、「福島原発は『石棺』化を」と書いたのは、事故発生の1週間後、3月18日、832号でした。

 これからも放水、注水が一刻も欠かせない。しかし、放水、注水を続けていれば、事態が好転する保証はありません。なにしろ冷却水を作動させる機器の修復のめどがたたないのですから。その間にも、放射能汚染水は増え続ける。そして、むしろ放射能が一気に飛散する事態が起きる可能性の方が懸念されています。サルコジさんも、それを心配しての来日です。

 今日の菅・サルコジ会談が、事態好転のきっかけとなることを望むばかりです。


生き生き箕面通信844 ・「復興担当相」になぜ小沢一郎氏を起用しないのか

2011-03-30 06:29:34 | 日記
おはようございます。東京電力の社長は、復旧作業の陣頭指揮をするどころか、体調が悪いということを口実に隠れて、逃げてしまいました。
生き生き箕面通信844(110330)をお届けします。

・「復興担当相」になぜ小沢一郎を起用しないのか

政府はようやく復興本部を立ち上げるようです。本日の読売新聞だけがあまり目立たない形で取り上げています。問題は、復興担当相に仙谷由人氏が上がっていることです。おそらく、仙石氏が読売にリークの形で書かせているのでしょう。

 しかし、なぜ小沢一郎氏を起用しないのか。

 仙石氏は、徳島選出で、東北にはついぞ愛着もありません。仙石氏主導になれば、例によって官僚に丸投げし、官僚はここぞとばかりに予算を分捕りやすい世論受けする案をでっちあげて提出、仙石氏はそれを見てくれのいい形にお化粧する。そうして出来上がる「復興案」になることは間違いありません。

 小沢氏は、地盤が岩手で、東北にはことのほか愛着があります。日本を立て直すには、農業の重要性を見直し、農林、水産業など一次産業を軸に、「生活第一」の視点が重要だと本気で考え実行しようとしてきました。世界の中での日本の立ち位置、アメリカや中国とのあるべき関係についても、世界のリーダーに方を並べる哲学、理念を持っています。

 日本はいま、大きな危機に直面しています。この危機に立ち向かい、この危機を「災い転じて福となす」器量があるのは、小沢氏をおいてほかにいません。

 将来の子供たちの時代を考えた日本の造り直しがスタートできれば、「災い転じて福となす」ことができるのです。それを実現できるのは、小沢氏しかいないはずですが、菅さんには小沢氏を起用するだけの器量がありません。

 50年後、100年後の人たちは、今回の復興策の結果を、関東大震災時の後藤新平と比べて、どう評価するでしょうか。


生き生き箕面通信843 ・人間が作った高濃度放射能汚染水を大自然(海)へ流す?

2011-03-29 06:22:43 | 日記
おはようございます。ドイツでは、原発推進派のメルケル首相が「原発見直し」を言明せざるを得ない状況へ追い込まれました。反原発の環境政党「緑の党」が躍進し、ドイツの民意は「脱原発」ということが明確になったためです。
生き生き箕面通信843(110329)をお届けします。

・人間が作った高濃度放射能汚染水を大自然(海)へ流す?

 福島原発の敷地内の土壌から、毒性の強いプルトニウムが検出されました。今回は「微量で人体に影響はない」といいますが、明らかに原子炉から漏れ出たものであることは認めています。

 政府、原子力安全・保安院および東電に伺いますが、率直にいって「高濃度放射能汚染水の処理方法」はあるのでしょうか。もし、どこかへ移すことができなければ、原子炉機器の状況を点検するためだけにすら、人間は近づくこともできず、配線、配管、バルブ、ポンプの修理もできないことになりますよね。

 修理ができなくても、核燃料は熱を出し続けるから、原子炉や使用済み核燃料を冷やし続けるために、放水、注水は継続せざるを得ない。だから、高濃度放射能汚染の水は増え続ける。プールも満杯、復水器も坑道も満杯。

 それでも放水、注水は続けざるを得ない。そうすると当然、あふれ出ます。そうすると当然、海へ流れ出ます。海は世界につながっています。世界は、どういう目で日本を見ることになるのでしょうか。

 それでも放水、注水は仕方がない。当然、あふれ出ます。当然、海へ流れ出ます。

 日本は、原発政策を見直すと言明していません。いまでも、原発は推進する立場は変わっていません。一部の原発の工事を少し遅らせる程度です。私たち箕面に住む人たちが電気の恩恵をうけている関西電力は、昨日、八木誠社長が記者会見し「高浜原発4号機(福井県高浜町)でのプルサーマル発電を、予定通り今年夏をめどに始める」という方針を表明しました。

 私たちは、プルサーマル発電を止めさせるための「原発反対運動」を盛り上げることができるでしょうか。ドイツで盛り上がったような運動を、日本でも起こせるでしょうか。

 日本はすでに、世界の海を汚し始めているのかもしれません。日本は成り行きのなかでしか判断しないという通弊がありますが、今回も事態の推移を見ながら対処してきた結果、最悪の事態へ向かいつつあるように見えます。

 事故が起きた3月11日時点で世界が予想した結果へ、現実は進みつつあります。この間、日本の政治、官僚、東電、学者は何を発言し、マスメディアは何を伝えてきたのでしょうか。「ただちには問題ない。いますぐ人体に影響はない」と言って、事態を引き延ばすだけの役割しか果たして来なかったといえるかもしれません。

 私たちの何世代もあとの子どもたちが悲しむような地球を残すことになるかもしれません。


生き生き箕面通信842 ・シナリオ3(最悪の局面)へ対応できるでしょうか

2011-03-28 06:09:55 | 日記
 おはようございます。被災地では今日も氷点下の冷え込みだそうです。避難所では、お年寄りの死亡が目立ち始めたと伝えられています。第2次被害が出始めました。
生き生き箕面通信842(110328)をお届けします。

・シナリオ3(最悪の局面)へ対応できるでしょうか?

 菅政権は、大震災発生から半月になりますが、右往左往が目立ち、系統だった復興計画、日本の生まれ変わりにつながる再生計画の策定には全く手がついていません。原子炉の状況も、「落ち着いてきた」という枝野官房長官の発言のあとからあとから、高い数値の放射能が検出され、事態は落ち着いていないことをさらけ出しています。本当の状況は次第に手がつけられなくなりつつあり、確実に「破局」へ近付きつつあるように見えます。

 福島原発2号機のタービン建屋で、通常原子炉転中の水の10万倍(当初は1000万倍と誤発表)という放射線が検出されました。3号炉の建屋でも高い数値の水に足が浸かって作業員が病院へ運ばれたばかりです。これら高い放射能があるところでは作業が極めて困難です。高い放射能に汚染された水をどこかへ移さなければ作業はできません。しかし、その処理方法で立ち往生の状況です。

 問題は、困難な作業であっても、それを続ければ解決する見通しがあるかどうかです。専門家は「時間的に水処理が間に合わない」と判断しているはずです。

 そもそも東電は最初の段階で「復旧作業から撤退する」という方針を打ち出しました。これに激怒した菅首相が自ら東電に乗り込んで、「撤退はあり得ない。ハラをくくってください。あくまで撤退するというのなら、東電は100%あり得ない」と怒鳴り込んだことは、広く伝えられました。

 東電は初期の段階で、「復旧は不可能」と判断していたことがうかがえます。菅さんも、事態の深刻さは最初から認識していたはずです。ところが、「なんとしても復旧」路線へ踏みこんだ。これは大戦末期に特攻作戦に踏みこんだときに酷似しています。見通しがないまま、「無謀なことでもやってみる習性」。

 つまり、冷却水を循環させて安全性を取り戻すシナリオ1ではなく、最悪のケースのシナリオ3へ近付きつつあると判断できます。

 政府は国民に「真実」を開示する義務があります。「真実」を隠し、虚偽の情報で国民を操作することは犯罪です。政府はなぜ「真実」を開示しないのか。「真実」は確かに恐ろしい内容を含んでいます。しかしそれでも国民には「真実」を伝え、国民とともにその「真実」に立ち向かわなければならないはずです。

 新聞やテレビには「真実」を伝える使命があります。政府が「真実」を隠そうとすれば、それを暴き、国民に「真実」を伝える努力を命がけでも続ける使命があるはずです。ところが、いまは「真実」を伝える使命を放棄したといわれても仕方がない体たらくです。

 私たちは、シナリオ3の状況をどのように想像することができるでしょうか。現在は、最悪の状態を「想定外」として判断することを避け、極めて危険な作業を続ける「特攻作戦」に”逃げ込む”ように見えます。日本は、「廃炉」にする決断もできないまま、「復旧」のパフォーマンスを演じているのです。

 政府は国民に、現在の正しい状況と見通しを率直に伝える義務があります。メディアは、真実を隠さずに伝える使命があります。そうこうしているうちにも、見えない放射能は広がりつつあります。


生き生き箕面通信841 ・原発も、火力もダメ。なら、どうすればいいのですか?

2011-03-27 06:43:46 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信841(110327)をお届けします。

・原発も、火力もダメ。なら、どうすればいいのですか?

 福島原発の事故で、原発の危険性が明瞭になりました。世界のあちこちで、反原発の運動が高まっています。私たち自身も判断を迫られています。
 
 まず、原発は廃止すればいいのか。原発を廃止すれば、その分、何かでまかなわなければなりません。その場合、最も有力なのはやはり化石燃料を原料とする火力発電への依存です。しかし、火力はCO2を排出し、地球温暖化を促進することになります。それにまた、限られた資源、石油の奪い合いです。エネルギーを爆食するアメリカと中国は、世界中から石油を確保しようとします。たとえ、武力に訴えてもです。そもそも化石燃料はいずれ枯渇する運命です。

 では、やはり原子力利用はやむを得ないのでしょうか。しかし、原子力による発電システムの技術そのものが、まだ未完成です。自動車開発の初期、あるいは航空機開発の初期といえるかもしれません。自動車や航空機にしても、いまでも危険はあります。しかし、いまさら止めようということにはなっていません。原発推進論者は、だから技術を高めていき、安全性を高めるしかない、と主張します。

 だが、原発技術の致命的な問題は、使用済み核燃料の最終処分技術は解決のめどすら立っていない、ということです。3号炉が使っているMOX燃料の場合、プルトニウムの半減期は2万4千年です。それでなくても、余熱を出し続けます。現在、全国の使用済み核燃料は、青森県六ケ所村に集められ、その量は2827トンという膨大な量にのぼり、さらに増えています。福島原発では使用済み核燃料がプールに保管されたままになっているのは、ニュースで伝えられている通りです。その処理方法は未解決のまま、いまの世代が電力を享受しているのが、私たちの姿です。

 さりとて、化石燃料にも戻れない。堂々めぐりです。

 となると、大量のエネルギーに依存する生活のあり方そのもの、生き方そのものを根本的に見直す以外にないのではないでしょうか。再生可能エネルギー、自然エネルギーでまかなえる範囲で融通しあい、我慢して暮らすあり方です。原子力と化石燃料を使わない範囲で、「我慢して暮らす」という覚悟を決める以外にないのではないでしょうか。生活の仕方を切り替えるチャンスと受け止めたいものです。

 アメリカにもともと住んでいたネイティブ・アメリカンは、7世代あとの子供たちに迷惑がかからないかを考え、迷惑がかかる心配があれば、それは避けるという決まりを大事にしていたそうです。

 いまの私たちは、7世代あとの子供たちのことを考えているでしょうか。あとから来る子供たちに、放射能で汚染された地球、化石燃料の排気ガスで汚染された地球を残してしまう結果に対して、目をつぶる、つまり意識的に無視する、ということをしているのではないでしょうか。

 少々不便でも我慢する、少々豊かでなくても良しとする、その決断が求められています。