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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

2030 ・最高裁がまた、とんでもない判決を出しました――42年もかけて出した情けない結論

2014-07-15 08:45:22 | 政治

お早うございます。
生き生き箕面通信2030(140715)をお届けします。

・最高裁がまた、とんでもない判決を出しました――42年もかけて出した情けない結論

 いわゆる「西山事件」に関連する裁判での判決です。最高裁第二小法廷は昨日7月14日、原告側上告を退ける判決を出しました。

 判決のキモを下々の言葉で翻訳すると、こうです。「われわれ役所がないといえばないんじゃ。あるというなら、お前たち庶民が『ある』という証拠を出してみろ」。民主主義を標榜する社会でこんな判決をまかり通らせていいものでしょうか。

 朝日新聞の本日朝刊は、こう報じました。「判決の中で最高裁は、行政機関が『存在しない』と主張する文書の公開を裁判で求める際には、請求側がその存在を立証する責任がある、との初判断を示した」と。

 問題の「文書」とは、1972年の沖縄返還で日米両政府が交わした「密約」文書です。当時の毎日新聞、西山太吉記者が大スクープし、時の佐藤栄作総理が頭から湯気を立てんばかりに激怒した一件です。

 外務省は一貫して、「そんな(密約)文書は存在しない」と、はねつけてきました。

 ところがその後、米国側が秘密にしておく期限切れで公開した外交文書の中にこの密約文書があることを、琉球大の我部政明教授が見つけました。外務省の当時の責任者のサインもあるものです。

 だから、米側の公開文書の中からそのコピーを取って最高裁なりに提出すればいいようなものですが、今回の判決の最大の問題点は、「請求側の立証責任」を求めた点です。

 これを認めてしまえば、今後、市民側が文書開示を求めても、役所側が「ない」といえば、文書があることを市民側が立証しなければならない。そんなことを市民側が立証するのは、ほとんど不可能です。

 最高裁は、立証が不可能なことを承知で、市民側に「役所が『ない』といえば、『それはないのだ』という”正義”をまかり通らせるというルールにするというのです。役所側は、隠し放題です。都合が悪ければ、すべて「ない」と言えば済む、役所ほくほくのルールとすることにしたのです。

 これは、特定秘密保護法とあいまって、ひとえに役所の立場を守るルールです。

 つまり、「民は余らしむべし。知らしむべからず」の社会を作ると、官僚勢力が堅い決意で決めた結果と見えます。

 正義の最後のよりどころであるはずの最高裁判所が出した”権威ある”最終判決は、4人の裁判官が全員一致で決めたものです。裁判長は、千葉勝美氏。

 最高裁が先頭に立って、「非情報開示社会」の旗振りをしています。

 わたしたちは、こんな社会に生きているのだということを胆に銘じておく必要があります。

 


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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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「権威」が無能をさらけ出す時代 (にいのり)
2014-07-16 04:42:41
実に分かりやすいご意見、素晴らしいと思います。

問題は、いくら素晴らしい意見があろうとも、絶対に説得されようとはせず、むしろ、意固地になって御主人様自慢を繰り返してやまない奴隷メンタリティの方々が、この国には案外多いようだという現実ですね。
「権威」に付き従うのも結構ですが、無能な権威に服従してばかりでは、自分にも、とばっちりが来る可能性があるということを彼らは考えていなさそうなのが、哀れで虚しいかぎりです。
「俺がオレオレ詐欺にあう可能性?あり得ないだろう」と大言壮語している人に限って、同類の投資詐欺には簡単に引っ掛かったりとか。
そういう虚しい事が繰り返されているのも「最高」なはずの人たちの無能に由来しているのでしょう。
「外交案件」だから「特殊事例」として判断放棄すればまだマシだったのに、一般化してしまった。これは、(分析したわけではありませんが)憲法との整合性のとれない不当判決ではないでしょうか。
ひるまない専門家の意見がほしいところですね。
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