生き生き箕面通信

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2322 ・なぜ改憲する必要があるのでしょうか

2015-05-03 08:40:47 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2322(150503)
をお届けします。

・なぜ改憲する必要があるのでしょうか

 衆院の憲法調査会は連休明けの5月7日(木)に会議を開き、各党からの意見表明をすませたあと、早速、改憲のためのテーマの絞り込みを始めるようです。いよいよ、アベ改憲劇場の店開きです。

 安倍晋三という男の頭にあるのは、「どうすれば9条改憲へ国民をたぶらかせることができるか」といえます。

 まず、環境権や緊急事態条項の創設など、比較的反発が少ないとみられる内容で改憲慣らしをすませる。次に本命の9条改憲に手を付ける。

 朝日新聞は本日5月3日の憲法記念日社説で、このアベ改憲のやり方を「お試し改憲」であり、「裏口入学」みたいなものではないかと断じました。

 安倍晋三くんは「押し付け憲法だから、自前の憲法を作らなければならない」とよく口にします。朝日はこれに対し、「だれへの『押しつけ』なのか」と反論。「天皇主権の下、権力をふるってきた旧指導層にとっては、国民主権の新憲法は『押しつけ』だったのだろう」と明瞭にしました。

 そのうえで、「戦後70年。今必要なのは、時代に逆行する動きに、明確に拒否の意思を示すことだ」と結論付けしました。

 他方、読売新聞の本日の社説はどうか。タイトル自体が「まず改正テーマを絞り込もう」と、政府方針をそのまま打ち出しています。読売の社説は改憲の方向を自明とし、それを前提に改憲のテーマをまず話し合いましょう、という立場です。

 いくら読売の読者でも、現行憲法をそのまま保持すべきか、あるいはどうしても改定する必要があるのか、その根本から考える立場があるはずです。しかし、読売はそこをすっ飛ばして、一足飛びに改憲ムードへ導こうとする誘導紙面です。読売が政府の大本営発表機関、安倍政権の広報誌であることは広く知られてきていますが、最近はそれをみずから大っぴらにしてはばかることがない。

 しかも、袖見出しを「『緊急事態条項』の議論深めたい」としました。この緊急事態条項は、緊急事態には「首相が全権を持つ」とする考え方で、いわばヒトラーの全権委任法の考え方です。東日本大震災のような緊急事態には、首相が一時的に強い権限を持つ必要があるという触れ込みです。一見、なるほどと思わせるような例を示して、本当の狙いは別なところにあるというアベ・トリックの最たるものです。

 読売社説は、「国民全体の改憲機運を醸成する努力も欠かせない」と結びました。ともあれ「改憲こそ正義」です。ありていにいってしまえば、読売の立場は「改憲だ、改憲だ。それいけ改憲。9条をぶっ壊せ」なのです。

 改憲をしなくても、今の憲法で充分すぎるほど充分です。立派な内容が盛りだくさんです。国民生活を護り、平和に暮らせる国づくりをするには、現憲法が規定していることをまず完全実施することこそ先決のはずです。

 この国では現憲法をないがしろにする連中が大手を振って跋扈しています。その最たる連中が、安倍晋三という男たちであり、読売という題字を名乗る新聞に似た体裁の政府広報紙です。たぶらかされないにしましょう。


 


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5 コメント

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改憲の必要性は70年も言われ続けてきた (神様)
2015-05-03 09:52:11
主権喪失時に成立した憲法は、正統性がない。
この出生の秘密のほかにも、そもそも現行憲法の精神がなっとらん。第一に、戦勝国が敗戦国に着せた拘束衣、これが本憲法の本質だ。第二に、現行憲法の基本にある精神は、西洋個人主義だ。アトミズム、つまり、まづ個人があって、それが集まって社会が出来る、みたぃな契約説の精神だ。近代主義とゆってもよぃ。そもそも、わが国に限らず、国家や社会ってものは社会契約説とゆぅ虚構の説では説明できないものだ。日本古来の、世間様あっての自分とゆぅ考え方も有り得るのだある。
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時代を憲法に合わせよう (憲法擁護者)
2015-05-03 10:46:04
当時押し付け憲法に困った人が改憲を言っていた。明治憲法より明らかに、民主的な憲法を喜んだ人の方が多かったはず。
70年経てば時代が変わっているのは当然だ。ソ連がなくなっても、中国が大国化しょうが、理想的な現憲法の良さは変わらない。自衛隊を災害救助活動に専念するとか、憲法を改正するのではなくて、現状を改正するのが政治家の役割だろうに。
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柳澤協二 さんの講演・問題提起 (まともさ)
2015-05-04 12:16:57
を、 2015 憲法記念日の集い(9条の会・おおさか)で聴いて来ました。当日、思い立って、エル大阪へ行って来ました。

元、防衛庁の官僚。「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」代表。

安倍とその仲間、米国の「日本を操る奴ら」が暴走する現下、柳澤協二さんの、「専守防衛」の主張は、大きな「歯止め」になる、と考えられました。
相当に、現実的で大阪の法曹関係の方々に一定の影響・同調を得られるものと思いました。
市民一人一人が、   今こそ「専守防衛」   の意義を考え、この点で纏まらねばならないのかな、と切実に考えました。
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「専守防衛」の追求。 (まともさ)
2015-05-04 13:51:51
および「日本国憲法の実現の努力」と「外交の力」によって、日本、特に、オキナワは、東アジアで尊敬される地歩を得ることが出来るのでは?と一市民として夢想しました。

「不戦の努力」と「専守防衛」は矛盾し合わないと思う。また、「自衛隊と専守防衛」は軍国化へのアリの一穴と考えたこともあります。   しかし、柳澤協二 さんの「鳩山直前の防衛・官僚の懸命の努力」を聴いていますと、この方向が日本の進む方向かな?と思いました。
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Unknown (とろ)
2015-05-07 12:14:07
あっち系の人って,フクシマとかヒロシマとかオキナワとかカタカナで地名書かれますよね。なんでだろ。

変えない!ということに固執しすぎていると思います。
いつまでも同じ状況なら変える必要ないと思いますけど,常に動いてますからね。
9条1項はあってもいいですけど,2項はいらないかな。
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